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【自動運転新時代】レベル3「ホンダ・レジェンド」1100万円/100台限定 存在意義とは? 

掲載 更新 4
【自動運転新時代】レベル3「ホンダ・レジェンド」1100万円/100台限定 存在意義とは? 

ついに自動運転レベル3の時代へ

text:Kenji Momota(桃田健史)

【画像】1100万円のホンダ・レジェンド【1100万円でどんなモデルが買える?/4選】 全230枚

editor:Taro Ueno(上野太朗)

ついにベールを脱いだ、世界初の自動運転レベル3機能「ホンダ・センシング・エリート」を搭載したレジェンド。

オンライン記者発表会見では、動画を使ってこれまでの乗用車では実現できなかったさまざまな機能を紹介した。

近年量産されている、「自動運転技術(または、自動運転化技術)を使った」と形容されるクルマ、例えば日産プロパイロット2.0搭載のスカイラインや、次世代アイサイトのオプション設定でアイサイトXの装着も可能なスバル・レヴォーグなどと、新型レジェンドのホンダ・センシング・エリートはどうちがうのか?

順を追って説明する。

まず、ハンズオフ機能付車線内運転支援機能とは、一般的なACC(アダプティブ・クルーズコントロール)として作動するが、先行車など周囲の状況を把握する性能は高い。

次に、ハンズオフ機能付車線変更支援機能では、ドライバーが周囲の安全を確認した状況でドライバー自らがウインカー操作をすると、クルマのシステムが搭載する各種センサーで周囲の状況を判断したうえで車線変更を始める。

もし、隣の車線で車両が接近する場合などは車線変更の動作に移ることをクルマのシステムが中止する。

ここまでは、日系メーカー、またドイツメーカーやテスラなどと、クルマの動作としては大きなちがいはないように思う。

世界初は、これから先だ。

最大恩恵「トラフィックジャムパイロット」

ハンズオフ機能付高度車線変更支援機能、端的にいえば、自動での追い越し装置だ。

手順としては、ドライバーは一般的にはACC(アダプティブ・クルーズコントロール)である前述のハンズオフ機能付車線内運転支援機能での走行中に、高度車線変更支援システムのスイッチを押す。

すると、例えば同一車線で(法定速度内で)車速の遅い先行車を検知した場合、クルマのシステムがドライバーに車線変更をすることを告知してから、車線変更をおこない、追い越しが完了してから元の車線に自動的に戻る。

ここまで来ると、たしかに「自動運転だ」という感じを持つ人も多いだろう。

それからもう1つ、ドライバーにとってレベル3から大きな恩恵を受ける機能がある。

それが、トラフィックジャムパイロット(渋滞運転機能)だ。

前述のハンズオフ機能付車線内運転支援機能で、高速道路など自動車専用道での渋滞で低速走行中など「ある条件」を満たしていると、同一車線内でハンズオフに加えてドライバーはDVDを視聴したり、スマホの操作をするなど、運転以外の行為を行うことが可能となる。

ただし、たとえば豪雨や降雪によってセンサーが外部の状況を検知できないなど「条件外」になると、システムがドライバーに運転を代わるよう、音声、表示、またシートベルトの振動などを通じて要求してくる。

開発担当者の表現する「レベル3の壁」?

開発担当者は、レベル3の壁と表現した。レベル2とレベル3はまったく別物という意味だ。

このレベルだが、ホンダが会見で使用した図表では自動運転ではなく、「運転自動化」のレベルの定義という表現した。

そのうえで、レベル1とレベル2は運転支援であり「操舵の主体」は「ドライバー」。

一方、レベル3、レベル4、そしてレベル5は自動運転で「操舵の主体」は「(クルマの)システム」と記載している。

つまり、レベル3を実現するためには、システムに対して極めて高い安全性が求められ、仮にシステムのトラブルが生じれば、ホンダは訴訟に直面したりブランドが傷つくリスクがある。

それでもトヨタやスバルなどより先に世界初のレベル3を量産した経緯について、筆者が開発担当者に質問したところ、開発担当者は「ウサギと亀」を例えに出して次のように答えた。

「(以前は)ホンダは比較的(自動運転開発で一般的に)遅れていると思われていた。それが2020年に高速道路でのレベル3実現に向けたステートメントを出した」

「そもそもホンダには安全性と信頼性を愚直に追求しようとする企業風土があり、結果的にウサギを超えていた」

レベル3の研究開発での実走行距離は累計130万kmにおよび、ホンダは安全性と信頼性を「論証してきた」という。

Nボックスはいつレベル3に?

さて、発表された新型レジェンドの価格だが、通常モデルのメーカー希望小売価格は724万9000円に対して、なんとその1.5倍の1100万円に達する。

販売方法は、限定100台のリース販売となる。

そのうえで、商談時には技術や操作方法などの丁寧な説明を心掛け、また特定整備認証におけるアフターサービスを徹底する。

開発担当者は、今後の自動運転レベル3の普及について「今日がまず第1歩だ。日本市場で社会(の全体)が、またユーザーがどう捉えるのか、(慎重に)見極めながら、今後の事業計画を立てていきたい」と説明した。

また筆者は、この会見をNボックスのなかで視聴しており「Nボックスがレベル3になるのはいつごろだと(個人的に)思うか?」と聞いたところ……。

「自動運転には故障があっても大丈夫なように、冗長性が求められ(Nボックスが採用しているホンダセンシングのような)運転支援とは設計がちがう」

「Nボックスでは……」

「10年、20年度には(レベル3に対応する)そうした時代が来て欲しいと思う」と少し困ったような表情で答えてくれた。

レベル3という本格的な自動運転が軽自動車まで広く普及していくかどうかは、ホンダが指摘するように、ユーザーがレベル3をどう思い、社会全体でどう取り入れていくのかにかかっている。

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みんなのコメント

4件
  • ホンダは自動運転よりも、カーデザインに力を入れようよ。
    ディーラーのセールスが泣いてるぞ。
  • さあ上級国民の皆さま、やっと出ましたよ。
    これなら大丈夫でしょ?
    すぐに契約してください。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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