現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【試乗】新型プリウスに乗った! 1.8リッターと2リッターモデルは走りに大きな違いあり

ここから本文です

【試乗】新型プリウスに乗った! 1.8リッターと2リッターモデルは走りに大きな違いあり

掲載 更新 38
【試乗】新型プリウスに乗った! 1.8リッターと2リッターモデルは走りに大きな違いあり

 この記事をまとめると

■新型プリウスのプロトタイプに試乗

新型プリウスの0-100km/h加速は6.7秒! どのぐらい凄いのかを調べたら「先代86」よりも速かった

■1.8リッターモデルと2リッターモデルはパワートレイン以外の違いも大きい

■燃費は1.8リッターのFFが一番いい

 プロトタイプに富士スピードウェイのショートコースで試乗

「21世紀に間にあいました」というキャッチコピーで、1997年に世界初の量産型ハイブリッド(HV)車としてデビューしたプリウス。今回、フルモデルチェンジを受け5代目となる新型として披露された。第2世代となる新TNGAのプラットフォームにスタイリッシュなデザインのボディを纏い、そのフォルムが明らかとなるやいなや世界中のプリウスファンが感嘆の声を上げたに違いない。

 今回、その新型プリウスのプロトタイプに試乗する機会を得た。

 実際、目の前で新型プリウスを見てみると、写真を見て引きつけられたカッコいいボディデザインに一気に目も心も奪われる。大きく傾斜させられたフロントウインドウが特徴的で、エンジンフードの先端から一筆書きのような直線的なラインでルーフまで造形されている。その前衛的なフォルムが従来モデルのイメージを大きく修正し、「カッコいいプリウス」としてアピールしているのだ。

 フロントウインドウから続くルーフラインは後席手前ほどで高さのピークを迎え、滑らかにリヤハッチへと続く。じつはプリウスは空気抵抗係数を最小化し燃費性能を高めるため、従来ルーフ高さのピークは運転席の頭頂部分としていた。そこから後方へ引き下げるデザインなため、後席のヘッドクリアランス確保は厳しい課題だった。

 新型は、Cd値が多少悪化してもデザイン性を優先しルーフのピークを後方へ移したのだが、後席のヘッドクリアランスは外観から受けるイメージ以上に大きくなり、快適な居住性を得ることに成功した。一方で、燃費への影響を考慮し、車体床下の空気の流れを最適化。また、今回2リッターエンジン搭載車に設定される19インチのタイヤサイズ幅を195に抑えることでCd値×A(前面投影面積)を小さくすることとし、結果として従来モデルと同等の空気抵抗レベルに仕上げることに成功しているのだ。

 パワートレインには2リッター直噴エンジンのD-4SにハイブリッドシステムとしてTHS IIを組み合わせた新パッケージがラインアップに加わり、1.8リッターポート噴射の直4+THS IIも継承されている。また、それぞれに後輪を駆動するリヤアクスルモーターを搭載したE-Fourの4WD車も設定され4つのパワートレインが用意されている。

 システム出力は2リッターエンジン搭載車が196馬力、1.8リッターエンジン搭載車も140馬力と強化されていて、0-100km/h発進加速タイムはそれぞれ7.5秒(2リッターモデル)、9.3秒(1.8リッターモデル)と遂に10秒を破る速さが実現された。E-FourモデルもFFと同等の動力性能を誇り、かつ滑り易い路面での駆動力が強化される。E-Fourのリヤモーターは、今回から最高速域までアシスト可能な高回転高出力特性が与えられたことも特記すべきことだろう。

 試乗会場は富士スピードウェイのショートコースだ。サーキットコースだが一般道を想定した速度域と走り方で実力を試してみた。

 足まわりの印象は1.8リッターと2リッターで大きく異なる

 いずれのモデルもEVモードで走り始め、静かでスムースな走り出しが可能。速度が高まり、あるいはアクセルを踏み増していくとエンジンが始動しハイブリッドモードへと移行する。エンジン始動時の振動は少なく、低回転ではノイズも上手く抑えられている。アクセルペダルがオルガン式に改められ、踏み心地の質感が高まったこと、微小な操作を行い易くなったことも好印象だ。

 さらに速度を上げると2リッターはややエンジン音が大きく感じる。しかし音質はまろやかで、遮音材の塗布範囲を広めNVH性能を向上させた効果を実感できる。2リッターエンジンは低回転域を直噴でまわし低速トルクが豊なこともあり、回転数を抑えて走ることが可能だ。

 1.8リッターはポート噴射のみなので高出力を引き出す際は高回転までまわっていく。それでもプリウスに乗り馴れた人ならずいぶんと静かになった、と感じられるはずだ。

 サスペンションはフロント:ストラット、リヤ:ダブルウイッシュボーン式だが、ショックブソーバのチューニングを最適化し、1.8リッターと2リッターで特性を変更している。

 17インチタイヤ装着の1.8リッターではスプリングを含めてソフトなサスペンション設定だが、コーナーでのロールや加減速時のピッチング変化を抑え、フラットライド指向に仕上げられていた。リヤモーターを搭載し重量の増加するE-Four車ではスカイフックのような乗り味となり、雲の絨毯に乗っているような印象だ。

 2リッターモデルは19インチタイヤ/ホイールが装着され、足もとは一段と引き締められる。19インチ化で1輪当たり重量は5kgも増加するということで、ショックアブソーバを「Prosmooth」と呼ばれるものにしてフリクションを軽減し、低速域からダンピングを効かせた結果、硬いながらも不快に感じない乗り心地となった。それは高性能セダンのような乗り味でもあり、強化された動力性能とあいまって新型プリウスをスポーティかつ軽快に走らせることができた。

 ブレーキシステムも今回見直され、従来の負圧式マスターバックを電動ポンプ式に改め、とくに停止寸前でディスクブレーキに切り替わる領域でのブレーキフィールを大幅に改善している。ペダルストロークは短く、踏力に応じた制動性能のコントロール性能が高まっている。

 E-Fourモデルは加速時には主に後輪の駆動力を前輪より大きくし、ハンドリング性能を高めている。最大加速を直線路で行うと前輪にエンジン出力がプラスさせるので前輪駆動寄りになるが、通常走行域では常に後輪モーターが前輪モーターより大きな駆動力を配分されていることがモニターでも確認できた。

 室内も完全に刷新され、ステアリングオーバービューのメーターレイアウトやセンターモニターの大型化(2リッターE-Fourは12.3インチ、他は8インチ)され、視認性や操作性が向上している。ステアリングは35ミリ以下の小径で革巻き。ロックtoロック2回転半のクイックなレシオ設定で操作性にも優れる。

 後席シートバックが3度後傾され、後席の居住性がスペース的にも姿勢的にも大幅に向上したのは全モデルに共通している。

 燃費データはまだ未公表だが、試乗中の燃費は、上からいい順に並べると

 1.8リッターFF 1.8リッターHV E-Four 2リッターHV FF 2リッターHV E-Four

 となっており、それぞれ1割ほどづつ向上していった。燃費性能で選ぶなら1.8リッターHVのFF、デザイン性を優先するなら19インチ、全天候性を求めるならE-Fourと、役割が明確化した。

 2023年春にはPHEVモデルが追加されることがアナウンスされており、その走りも楽しみだ。

 近い次期に一般道での試乗インプレッションが行えることを期待している。

こんな記事も読まれています

2024年も記録保持中!? カローラ ロードスター…… ギネスブックに登録された「日本のクルマの世界一」【10年前の再録記事プレイバック】
2024年も記録保持中!? カローラ ロードスター…… ギネスブックに登録された「日本のクルマの世界一」【10年前の再録記事プレイバック】
ベストカーWeb
80年代バブル期に日本で人気だったMG「ミジェット」に試乗! 英国ライトウェイトスポーツの代表格はいまもビギナーにオススメです【旧車ソムリエ】
80年代バブル期に日本で人気だったMG「ミジェット」に試乗! 英国ライトウェイトスポーツの代表格はいまもビギナーにオススメです【旧車ソムリエ】
Auto Messe Web
【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP予選
【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP予選
AUTOSPORT web
角田裕毅が予選7番手「大満足。アップグレードへの理解が改善につながった」努力が報われたとチームも喜ぶ/F1第22戦
角田裕毅が予選7番手「大満足。アップグレードへの理解が改善につながった」努力が報われたとチームも喜ぶ/F1第22戦
AUTOSPORT web
勝田貴元、木にスピンヒットも間一髪「メンタル的に難しい一日。明日はタイトル獲得を最優先」/ラリージャパン デイ3
勝田貴元、木にスピンヒットも間一髪「メンタル的に難しい一日。明日はタイトル獲得を最優先」/ラリージャパン デイ3
AUTOSPORT web
クラッシュで50Gを超える衝撃を受けたコラピント。決勝レースの出場可否は再検査後に判断へ/F1第22戦
クラッシュで50Gを超える衝撃を受けたコラピント。決勝レースの出場可否は再検査後に判断へ/F1第22戦
AUTOSPORT web
胸を打つ「上質な走り」 アウディQ6 e-トロン・クワトロへ試乗 優秀なシャシーを味わえる388ps!
胸を打つ「上質な走り」 アウディQ6 e-トロン・クワトロへ試乗 優秀なシャシーを味わえる388ps!
AUTOCAR JAPAN
オーテック&ニスモ車が大集合!「AOG湘南里帰りミーティング2024」で見た「超レア車5台」と「中古車で狙いたいクルマ5台」を紹介します
オーテック&ニスモ車が大集合!「AOG湘南里帰りミーティング2024」で見た「超レア車5台」と「中古車で狙いたいクルマ5台」を紹介します
Auto Messe Web
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 後編
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 後編
AUTOCAR JAPAN
ラリージャパン3日目、SS12がキャンセル…一般車両が検問を突破しコース内へ進入、実行委員会は理解呼びかけると共に被害届を提出予定
ラリージャパン3日目、SS12がキャンセル…一般車両が検問を突破しコース内へ進入、実行委員会は理解呼びかけると共に被害届を提出予定
レスポンス
【F1第22戦予選の要点】苦戦予想を覆すアタック。ラッセルとガスリーが見せた2つのサプライズ
【F1第22戦予選の要点】苦戦予想を覆すアタック。ラッセルとガスリーが見せた2つのサプライズ
AUTOSPORT web
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 前編
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 前編
AUTOCAR JAPAN
NASCARの2024シーズン終了! 日本からスポット参戦した「Hattori Racing Enterprises」の今季の結果は…?
NASCARの2024シーズン終了! 日本からスポット参戦した「Hattori Racing Enterprises」の今季の結果は…?
Auto Messe Web
ジャガーEタイプ S1(2) スタイリングにもメカニズムにも魅了! 人生へ大きな影響を与えた1台
ジャガーEタイプ S1(2) スタイリングにもメカニズムにも魅了! 人生へ大きな影響を与えた1台
AUTOCAR JAPAN
もの凄く「絵になる」クルマ ジャガーEタイプ S1(1) そのすべてへ夢中になった15歳
もの凄く「絵になる」クルマ ジャガーEタイプ S1(1) そのすべてへ夢中になった15歳
AUTOCAR JAPAN
日本の「ペダル踏み間違い防止技術」世界のスタンダードに! 事故抑制のため国際論議を主導
日本の「ペダル踏み間違い防止技術」世界のスタンダードに! 事故抑制のため国際論議を主導
乗りものニュース
90年前の“博物館級”のオートバイがオークションに登場 “2輪界のロールス・ロイス” 1936年製ブラフ・シューペリアがカッコ良すぎる
90年前の“博物館級”のオートバイがオークションに登場 “2輪界のロールス・ロイス” 1936年製ブラフ・シューペリアがカッコ良すぎる
VAGUE
HRC渡辺社長、フェルスタッペンの4連覇を祝福「ホンダ/HRCとしてサポートし続けてこられたことを誇りに思う」
HRC渡辺社長、フェルスタッペンの4連覇を祝福「ホンダ/HRCとしてサポートし続けてこられたことを誇りに思う」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

38件
  • 違いありってあたり前じゃん。
    違いがなければ排気量差の意味が無い。
  • どう見ても
    スポーツカーならサイドビューだな。
    ファミリーカーではないぞこれ。
    が、しかしカッコはええな。
    雨樋みたいな色、ほんと流行ってるな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

275.0460.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.0789.0万円

中古車を検索
プリウスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

275.0460.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.0789.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村