※この記事は2006年9月に発売された「VW GOLF FAN Vol.9」から転載されたものです。
LV(ル・ボラン)所属、ということで日頃は取材のアシに使われている'04年式ゴルフGLi。もちろん、自動車専門誌の編集部に籍を置くからには「お役目」がそれだけに終始するハズもなく、折を見ては細かいところに手が加えられている。ここでは、そんなLVのGLiに施されたモディファイをエクステリアのアップグレード、というテーマでまとめてみた。
“身の丈サイズ”なゴルフが欲しいなら?【VW GOLF FAN Vol.7】
機能面でも満足度が高いW杯仕様のスポコン2
「さりげない」といえば聞こえは良いが、ウラを返せばれはそれは門外漢には決して理解されない、本来地味なものであることを意味する。だから今回のモディファイ報告もVWゴルフを知らない人、ましてや大してクルマに興味のない人にはまず分からないであろう類に違いない。だが、そのような「分かる人には分かる」ものこそマニア心をくすぐる、要は“通”な手であるとする空気が厳然と存在するのもまた事実。その点でいけば、LVゴルフに施されたアップグレードは、確かにさりげない内容だといえるだろう。
STEP 1 TIRE
サッカー好きには必須アイテム
そのポジションは季節商品的!?
Continental / ContiChampionContact
その最初のステップとなったのはタイヤ。スタッドレスに代えて交換、という時期がちょうどドイツW杯前ということで「コンチ・チャンピオン・コンタクト」をチョイスしたのだが、このモデル、「サッカーボールデザイン」なるサイドウォールに最大の特徴がある。
ご覧のように、その側面にはサッカーボール(いまどきあまり見ないタイプだが)がランダムに並び、ちょっと楽しげな雰囲気。もちろん、決して派手ではない。写真からも明らかなように、デザイン自体は近寄らなければ分からない抑制の効いたものだ。
それでいて、タイヤとして押さえるべき部分にも抜かりはない。一応、独自の名前を与えられてはいるがベースは同社のフラッグシップ、“スポコン2”こと「コンチ・スポーツ・コンタクト2」であり、中身の違いは前述の“サッカーボール”だけ。つまり、パフォーマンスは折り紙付きなのだ。実際、ゴルフVとの組み合わせだと、絶対的なグリップ力こそソコソコではあるが、しなやかで質感の高い乗り心地が際立っていた。
LVのGLiに履かせたのはノーマルより1インチ大径な205/55ZR16なのだが、それによるデメリットも皆無。限定品、ということでいまからチャンピオン・コンタクトを入手するのは難しいかもしれないが、とりあえずスポコン2とゴルフVの組み合わせが上々であることは間違いない。
その真骨頂はクルマを汚さないことにアリ!?
STEP 2 BRAKE PAD
ホイール掃除の煩わしさを大幅に
低減する“ビジュアル系”パッド
euro MEVIUS / euro ECO
で、次なるステップはブレーキパッド。エクステリアの話で何でパッドなのかといえば、それはこの「ユーロエコ」が見た目に影響するワザを持っているから。もちろん、外観上それとわかる手がかりはわずか。だが、このパッドはノーマルより大幅にブレーキダストの排出量を低減することによって、自らの存在を主張している。
そのパッド素材は、アスベストフリーであることは当然として、メタル分の使用頻度をノーマルより低減。ローターへの攻撃性を抑えることでダスト排出量を大幅にカットしている。また、このパッドからのダストはホイールに付着した際も水洗いで洗い流せるというメリットも併せ持つという。
実際、その効果は歴然。取材のアシ、ということで滅多に洗車されないLVゴルフだが、足下の汚れが目に見えて少なくなった。プロジェクトμが展開するブレーキ系ブランド「ユーロメヴィウス」の中では入門モデルとなるこのユーロエコ。日常での利便性を重んじる向きには、魅力的な存在だ。
愛車の新鮮味を回復させる効果は絶大!
STEP 3 PAINT
'05年までのE/GLiユーザー必見
モール同色化のコストは?
そして、今回のトリを務めるのはモール類のボディ同色化である。事の発端は本誌編集長、オグラの提案だった。いわく——。
「'06年型GLiやEのモールがボディ同色になったから、それ以前のモデルを愛用するユーザーには興味深いネタになるハズ」
という。確かにGTを除くノーマル系ゴルフには今年を境に外観上の明確な識別ポイントが出来たわけだから、モール類の同色化に関するネタは'05年式以前のGLi&Eのオーナーにとって気になるはず。ル・ボランの担当者的には傷が付きやすいバンパーのエッジ部やボディサイドは黒い方が気楽だと感じていたから、最初は乗り気でなかった。だが、せっかくの提案ではあるし、どの程度印象が変わるのか? という興味もあったのでトライしてみることに。
DOOR MOLE
早速LVのGLiを持ち込んだのが港北にある「スプレイ」という板金・塗装のスペシャリストだ。代表を務める山川さんによれば、すでにゴルフVではドアハンドルなどを手掛けているとのことで、早速クルマごとお預けする。
ちなみに今回は、まずバンパーモールとドアモールを同色化、後からドアハンドルも塗装していただいたのだが、2回に作業が分かれた理由は当初の予定にドアハンドルが入っていなかったから。
CORNER MOLE
実はモールの塗装が完成した状態で眺めてみると、特に問題はないのに、なんとなく物足りない。そこで改めて「ハンドルも……」という展開になったのだが、実際にこれが塗ってあるのとないのとでは、見た目の印象がまるで違う。ボディに占める面積は大したことないのだが、ドアハンドルまで同色になると密度感あるゴルフ本来のラウンドフォルムが強調され、持ち前の建て付けの良さと相まって質感がグンと上がったように見える。
DOOR HANDLE
また、同色モールなどGTで見慣れているハズなのだが「黒い部分」が少なくなると、それだけでLVのGLiが新鮮な印象になったのも事実。とりあえず、ゴルフVでモール類の同色化にトライする際は、ドアハンドルも同時に塗装することをオススメする。
ちなみに気になるコストだが、純粋な塗装費はトータルで4万8000円ナリ。実際はこれにモールの加工費・工賃などが追加されて、総額は14万円ほどとなるが、山川さんによれば今回の塗装費は「期間限定の特別価格(!?)」とのことなので興味のある向きは早めに連絡を入れるのが得策だろう。
■別途'06モデル用パーツを調達すると……
かくしてLV編集部のGLiは下の写真のような見た目になった。冒頭で書いたように門外漢では判別不能、ゴルフに詳しい人だって、たぶんGTか'06モデルと判断するのが関の山な仕様ではある。でも、こういうことは当事者だけに分かればそれでイイ。もし、目ざとい人がヘッドライトのバルブ中央にVWマークがないのを見て、「'04モデルなのに何でモールがボディと同じ色なんですか?」とツッコミを入れてきた時を想像して密かにほくそ笑むのが醍醐味になるハズだから……。
特別なポロを現在製作中!?
スプレイ
本格的板金から今回のようなモール、さらにはレンズ類の塗装まで手掛けるプロショップ。特殊塗装のリペア、という難題にも対応してくれる頼もしいお店だ。ちなみに代表の山川さんは、その技術を活かした特別なポロを現在製作中。営業時間は平日が9:00~18:00、土曜は9:00~17:00。
〒223-0057
神奈川県横浜市港北区新羽町2884
TEL 045-543-0250
http://plaza.rakuten.co.jp/spraypaintholic/
http://www.spray-ph.com
リポート:小野泰治/フォト:水野孔男 本池邦雄 柳田由人
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