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トヨタが欧州で「ハイブリッド130」を採用! 日本のハイブリッドとは何が違うのか?

掲載 24
トヨタが欧州で「ハイブリッド130」を採用! 日本のハイブリッドとは何が違うのか?

 この記事をまとめると

■トヨタのハイブリッドシステムに「ハイブリッド130」という新システムが導入された

乗用車じゃ当たり前の技術ハイブリッド! 大型トラックはいまだ「プロフィア」だけなのはナゼ?

■欧州特有の速い巡航速度に対応しつつ燃費性能も追求されている

■国内で高速道路の時速120km区間が今後増えていけば国内導入の可能性もある

「ハイブリッド130」ってなんだ?

 トヨタのハイブリッドシステムは、1997年に初代プリウスが発売されて以来、ふたつのモーター/発電機を備えるシリーズ・パラレル式であることに変わりはない。これをトヨタ・ハイブリッド・システム(THS)と名乗る。その後、モーターとエンジンの最適な効率を促す動力分割機構が改良されたTHSII(ティー・エイチ・エス・ツー)へ進化するが、基本概念は同じだ。

 そのTHSIIを基に、モーター/発電機の出力を高めたのが、欧州向けとされるハイブリッド130である。ガソリンエンジンに大きな変更はなさそうだが、モーター/発電機の性能が上がったことと、制御を行うコンピュータの改良により、発進加速/追い越し加速ともに性能が向上しているという。また、二酸化炭素(CO2)排出量にかかわる燃費も、改善されたようだ。

 かねてより、THSおよびTHSIIは、エンジンとモーター/発電機による総合的な効率を高めることで、動力性能と燃費の両立をはかってきた。ただし、高速領域では、必ずしも期待どおりではなく、こと走行速度域の高い欧州では、ハイブリッド車に対する懐疑的な評価が根強く、ディーゼルターボエンジン車の人気を高めることにつながった。

 欧州では高速道路の最高速度が時速130kmで、ドイツのアウトバーンは無制限区間もあるほどだ。高速道路に限らず、欧州では、郊外の道路において時速80km前後で走ることが日常的である。

 そして、いよいよ欧州での二酸化炭素(CO2)排出量規制が95kg/kmへと厳しさを増し、そこにディーゼル排ガス偽装事件が起き、ディーゼルターボ車への懸念が高まり、ガソリンハイブリッド車への期待が、ことに小型車の分野で期待されるようになった。電気自動車(EV)の品揃えが、まだ上級車種中心であるからだ。

 今回のハイブリッド130は、そうした欧州の事情を踏まえ、国内より高速走行の多い欧州で、動力性能はもちろん、燃費を改善する措置として導入されたと考えられる。

 速度が上がるほど空気抵抗の影響が高まる。速度の2乗で空気抵抗が増えていくからだ。たとえば、時速100kmから200kmになれば空気抵抗は4倍になる。時速80kmから100kmへ高まっただけでも、空気抵抗は約50%増しになる。

 そこで、高速領域でもモーターの活用を増やし、燃費を稼ぐのがハイブリッド130の狙いだろう。

 国内でも高速道路の一部で最高速度を時速120kmとする区間が誕生している。時速120km区間が今後増えていくようであれば、ハイブリッド130の国内への適用が検討されるかもしれない。

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みんなのコメント

24件
  • dh_********
    トヨタのハイブリッドはTHS2だけではないです。
    今現在、RX、LM、クラウンXに搭載されているデュアルブーストハイブリッドと
    タンドラに積まれているi-FORCE MAXもあります。
    トヨタのハイブリッドはTHS/THS2という文章はおかしいです。
  • mit********
    トヨタのハイブリッドのキモは、エンジンとモーターのシームレスな制御技術であり、他社は真似ができませんから、いろいろトヨタとは違う方式をと模索していますが、運転してみればわかりますが、大抵燃費が悪くなっていますし、シームレス制御もうまくいかず、成功していません。重いバッテリー背負って、タイヤと道路を減らしつつパワフルなモーターでぶっ飛んで行く本末転倒なEVよりはるかに環境に優しい車です。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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