現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > スバルのレヴォーグレイバックが好調だけれど、新世代アイサイトを搭載した改良型レガシィアウトバックは、どうなのか乗ってみた

ここから本文です

スバルのレヴォーグレイバックが好調だけれど、新世代アイサイトを搭載した改良型レガシィアウトバックは、どうなのか乗ってみた

掲載 34
スバルのレヴォーグレイバックが好調だけれど、新世代アイサイトを搭載した改良型レガシィアウトバックは、どうなのか乗ってみた

2023年10月25日に発売されたスバルレヴォーグレイバックは、事前受注台数が月販計画台数を大幅に上回るなど、販売が好調の様子。一方でスバルには、ステーションワゴンをベースとしたクロスオーバーモデルとしてはその「元祖」とも言えるレガシィアウトバックがあります。今回はそんなレガシィアウトバックで約600kmのドライブへ出掛けて、その魅力を再確認してきました。

クロスオーバーSUVの元祖、レガシィアウトバック
スバルを代表するクロスオーバーSUVのレガシィアウトバック。元々は北米で誕生したモデルですが、日本では1995年に登場した「レガシィ グランドワゴン」、その後「レガシィ ランカスター」などと名前を変えてレガシィのツーリングワゴンに車高をあげたクロスオーバーSUVモデルとして設定されてきました。3代目からは世界統一名称の「アウトバック」という車名が採用されています。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

そんな現行モデルは、2021年10月に登場した6代目レガシィアウトバックとなります。今回の試乗車は2023年9月に改良されたばかりの最新モデルのリミテッドEXです。

その改良点をおさらいすると、まず、ステレオカメラに加えて広角単眼カメラを搭載した新世代アイサイトを装備し、スマートリアビューミラーのリアカメラをシャークフィンアンテナに内蔵。加えてリミテッド EXのレザーシート車には、シートベンチレーション/クッション長調整機構も追加。動力面の変更はアナウンスされていないので、改良によって安全性と快適性を向上させています。

上級グレードの「リミテッドEX」で約600kmのドライブへ
試乗車はリミテッドEX。まず、ドアを開けて車内に乗り込むと、タンカラーのナッパレザーのシートやインテリアが目に入ります。厚めのソフトパッドで覆われた包まれ感のあるインテリアは、素材感や細やかなステッチなど質感も高く、スバルのフラッグシップモデルに相応しい上質な印象です。

ドアを閉めれば室内は静か。レガシィアウトバックは厚めのガラスを採用し、内装に使う吸音材や遮音材も見直すことで、特にドア周りの吸音・遮音に力を入れています。そのため、ドアを締めた時にもその密閉度の高さからも伝わってきますが、現在のスバル車の中では一番静粛性に力を入れているのではないでしょうか。こういったところはドライブ中の快適さにも大きく影響してきます。

新世代アイサイトのアシストで疲労感は皆無
さっそく走り出すと、すぐに感じたのは、全長4870×全幅1875×全高1675mmという大柄なボディによるゆったりとしたこのクルマの雰囲気にあった乗り味です。足まわりは路面の状況が悪いでこぼこ道であっても嫌な突き上げを感じさせません。しっかりとボディとサスペンションが吸収してくれるのです。それでいて車高が高いクルマ特有の不安定な動きや揺れはいっさい感じませんでした。

それだけ聞くと、柔らかめな乗り味なのね? と思うかもしれませんが、ワインディングロードでは柔らかいだけでなく、しなやかな動きを見せてくれます。あまり走りを楽しむといったイメージのあるクルマではないと思いますが、車高を上げたクロスオーバー車を作り続けるスバルとして、レガシィアウトバックの足まわりのレベルはかなり高く、乗り心地と操縦性をうまく両立させています。

そもそも、このクルマのベースとなっている「スバルグローバルプラットフォーム(SGP)」が振動や車体の揺れを抑えることに一役かっています。それをベースにして足まわりを煮詰めて応答性や安定性を磨き上げることで、上質な乗り味と走りの良さを両立しているのです。

今回は特集の取材に同行して、約600km走りましたが、運転での疲労感はほぼありませんでした。とくに年末の高速道路を使っての移動では渋滞にもはまりましたが、アイサイトには渋滞時のハンズフリー機能(0km/h~約50km/hまで)もついているので、渋滞もさほど苦になりません。渋滞中に割り込んでくるクルマにも遭遇しましたが、しっかりと自動で減速してくれました。

職業柄、毎月の移動距離は多く、自分で運転して一度に長距離を走る機会も多いのですが、レガシィアウトバックというクルマが持つ快適性の高さとアイサイトのアシストによって、ドライブ中のドライバーの疲労がかなり低減されているということをあらためて実感しました。

大人なアウトバックはスポーティな走りも可能
パワートレーンは、レヴォーグやレイバックと同じCB18型1.8Lの水平対向4気筒ターボエンジンで、トランスミッションもリニアトロニック(CVT)です。

ただし、車両重量は両者よりも重く1690kgもあるので、排気量が1.8Lと聞くと心細さも感じますが、このエンジンは1600rpmという低回転から最大トルクの300Nmを発生するので、巡航時にはアクセルペダルを踏むこんだところからグッと加速ができて、特段力不足を感じる場面はありませんでした。

性格的にのんびりとドライブしたくなるレガシィアウトバックには不要かもしれませんが、スバル車ではお馴染みのエンジンの出力特性を変える「SIドライブ」も搭載しています。ハンドルのスイッチで「スポーツシャープモード(S#)」に切り替えれば、アクセルペダルに対するエンジンの反応も鋭くなり、パドルシフトも使って、スポーツドライビングを楽しむことも可能です。

また前述した静粛性の部分ですが、特に走行時は同じエンジンを搭載するレヴォーグに比べて、さらに静かな印象があります。吸音・遮音に力を入れているからでしょうが、エンジンやロードノイズも嫌な音がかき消されているので、高速走行時は120km/h巡航でもかなり静かです。

今回の試乗では体感することはできませんでしたが、アウトバックは全車4WDでVDCやアクティブ・トルク・ベクタリングも搭載しています。さらに213mmという地上高、ヒルディセントコントロール付きのX-MODEを装備するなど、荒れた路面や悪路を走行するための機能も充実しています。

これからの季節(今年は暖冬ですが……)であれば、スタッドレスタイヤを装着して雪上だって安心して走ることができるので、スキーやスノーボード、はたまた雪国の温泉へ……なんて、まさしく、365日、いつでもどんな場所にでもドライブに行ける最高の相棒になってくれるに違いありません。

とはいえ、レガシィアウトバックがこれだけ良いと、後発のレヴォーグレイバックも相当気になりますね。すでにクローズドコースでの試乗会では足まわりの良さを体感済みですが、2024年は公道を走る機会も出てくると思うので、そちらにも期待したいところです。(写真:永元秀和)

スバル レガシィアウトバック リミテッドEX 主要諸元
●全長×全幅×全高:4870×1875×1675mm
●ホイールベース:2745mm
●車両重量:1690kg
●エンジン:対向4 DOHCターボ
●総排気量:1795cc
●最高出力:177ps/5200-5600rpm
●最大トルク:300Nm/1600-3600rpm
●トランスミッション:CVT(リニアトロニック)
●駆動方式:4WD
●最小回転半径:5.5m
●タイヤサイズ:225/60R18
●車両価格(税込):440万0000円

[ アルバム : スバルレガシィアウトバック はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

EVの性能を引き伸ばす「TI」の半導体技術…人とくるまのテクノロジー展 2024で訴求へ
EVの性能を引き伸ばす「TI」の半導体技術…人とくるまのテクノロジー展 2024で訴求へ
レスポンス
トヨタが11人乗り新型「プレミアムバン」発売! 最上級は1000万円超えで高級顔&豪華内装採用!? 全長5m「マジェスティ」タイで刷新、反響は?
トヨタが11人乗り新型「プレミアムバン」発売! 最上級は1000万円超えで高級顔&豪華内装採用!? 全長5m「マジェスティ」タイで刷新、反響は?
くるまのニュース
ベントレー伝統の“W12エンジン”も最後! 新型「バトゥール コンバーチブル」登場 世界16台の限定車
ベントレー伝統の“W12エンジン”も最後! 新型「バトゥール コンバーチブル」登場 世界16台の限定車
VAGUE
これはちょうどいいサイズ感! 大きすぎずに車内も快適な日産NV200バネットがベースのキャンパー
これはちょうどいいサイズ感! 大きすぎずに車内も快適な日産NV200バネットがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
三菱自動車の軽EV「eKクロス EV」がマイナーチェンジ。利便性と安全性の向上や新ボディカラーの設定などを実施
三菱自動車の軽EV「eKクロス EV」がマイナーチェンジ。利便性と安全性の向上や新ボディカラーの設定などを実施
カー・アンド・ドライバー
たぶん純エンジン最後のR35GT-Rは借金してでも買え!? ファイナルモデルを買えばきっと幸せになれるハ…ズ
たぶん純エンジン最後のR35GT-Rは借金してでも買え!? ファイナルモデルを買えばきっと幸せになれるハ…ズ
ベストカーWeb
【5月25・26日】サステナブルなカーライフを体感できるイベント、「軽井沢モーターギャザリング 2024スプリング」開催!
【5月25・26日】サステナブルなカーライフを体感できるイベント、「軽井沢モーターギャザリング 2024スプリング」開催!
LE VOLANT CARSMEET WEB
シンプルでコンパクトながら高級感もちゃんとある! ダイハツ アトレーがベースの軽キャンパー
シンプルでコンパクトながら高級感もちゃんとある! ダイハツ アトレーがベースの軽キャンパー
月刊自家用車WEB
「シンガー」が日本における代理店契約をコーンズ・グループと締結。再構築したポルシェ911をメディアにお披露目
「シンガー」が日本における代理店契約をコーンズ・グループと締結。再構築したポルシェ911をメディアにお披露目
Webモーターマガジン
SUVルックの軽EVは唯一無二の存在! 三菱「eKクロスEV」が一部改良で魅力マシマシに
SUVルックの軽EVは唯一無二の存在! 三菱「eKクロスEV」が一部改良で魅力マシマシに
THE EV TIMES
ノリス2位「あと1、2周あったら勝てたかな…。僕たちは常にトップ争いできるレベルに到達した」マクラーレン/F1第7戦
ノリス2位「あと1、2周あったら勝てたかな…。僕たちは常にトップ争いできるレベルに到達した」マクラーレン/F1第7戦
AUTOSPORT web
「国民ブチギレ」 税金取りすぎでは…条件次第で約13万円!? 最も高い“自動車税”いくら? 納税祭りの仕組みとは
「国民ブチギレ」 税金取りすぎでは…条件次第で約13万円!? 最も高い“自動車税”いくら? 納税祭りの仕組みとは
くるまのニュース
インディ500予選2番手パワー、今季の”シルバーコレクター”状態に嬉しい悲鳴?「レースの神に遊ばれているみたい」
インディ500予選2番手パワー、今季の”シルバーコレクター”状態に嬉しい悲鳴?「レースの神に遊ばれているみたい」
motorsport.com 日本版
トヨタ車体の樹脂素材は間伐材配合…人とくるまのモビリティ展 2024に出展へ
トヨタ車体の樹脂素材は間伐材配合…人とくるまのモビリティ展 2024に出展へ
レスポンス
レッドブル&HRC密着:“マックス劇場”から一転「まるで氷の上を走るよう」な状況に。ストレートで速度を落とさず対処
レッドブル&HRC密着:“マックス劇場”から一転「まるで氷の上を走るよう」な状況に。ストレートで速度を落とさず対処
AUTOSPORT web
TokyoCamp のアマゾン公式ショップにてキャンプ用品が最大30%OFFのセールを開催!
TokyoCamp のアマゾン公式ショップにてキャンプ用品が最大30%OFFのセールを開催!
バイクブロス
ホンダ新型「最高級ミニバン」500万円超でもコスパ最強! 「ライバル車より良い!」の声も!? 新型「オデッセイ」への反響は?
ホンダ新型「最高級ミニバン」500万円超でもコスパ最強! 「ライバル車より良い!」の声も!? 新型「オデッセイ」への反響は?
くるまのニュース
レッドブル育成ゲーテとトライデントのメゲトゥニフが優勝分ける【正式結果/FIA F3第3戦イモラ】
レッドブル育成ゲーテとトライデントのメゲトゥニフが優勝分ける【正式結果/FIA F3第3戦イモラ】
AUTOSPORT web

みんなのコメント

34件
  • hid********
    フラッグシップカーのエンジンでは無い。
  • 流れ雲
    スバルのエンジンも地に落ちた感は有るね。1.8ターボとかに文句を付ける気は無いけど2.4ターボが有るなら何故積まない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

425.7451.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.2488.4万円

中古車を検索
レガシィ アウトバックの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

425.7451.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.2488.4万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村