同クラスの内燃エンジンモデルより安価
AUTOCARの姉妹メディアで、ベスト電動バイク・アワードを受賞したのがスーパーソコのTCマックスだ。現在購入できるモデルとして、最高の1台だといっていい。
【画像】現在のベスト スーパーソコTCマックス ハーレーとBMWも電動へ アシスト自転車も 全70枚
英国の場合、電動バイクには500ポンド(約8万円)の補助金が出る。これを差し引いて、TCマックスの英国価格はアルミホイール仕様で4399ポンド(約70万円)から。スポークホイール仕様では4499ポンド(約72万円)となる。
同クラスの内燃エンジンモデル、ホンダCB125Rの英国価格は4599ポンド(約74万円)から。ガソリン代やメンテナンス費を考慮しなくても、相当に訴求力のある価格設定だと思う。
電動バイクに乗るほど、大きなスポーツバイクより小型モデルやスクーターの方が、電動技術との親和性が高いと筆者は感じるようになってきた。実際、コンパクトなTCマックスも仕上がりは優れている。
ハーレー・ダビッドソンもライブワイヤーと呼ばれる電動モデルを提供しているが、大型ということで重く、航続距離は限定的で、価格もお高め。気軽に選べるバイクとは考えにくい。
トライアンフもスポーツモデルのTE-1を開発していたが、市販の目処は立っていない。車重220kgのネイキッドバイクで160kmの航続距離を実現し、現実的な価格で提供することは簡単ではないのだろう。
車重は100kg 航続距離は市街地で96km
TCマックスは、先述の通りサイズ感でいえば125ccクラスに属し、初心者ライダーでも扱いやすい。ガソリン代はかからず、エンジンオイルやプラグの交換は不要で、ランニングコストを抑えられる。
駆動用モーターとリアタイヤの間はベルトで駆動され、チェーンのメンテナンスもいらない。駆動用バッテリーは、従来のバイクではガソリンタンクの位置に載り、容量は2.7kWh。英国の電気料金では、1km当たり1円程度で乗れる。
駆動用バッテリーはバイクから取り外すこともでき、オフィスや自宅での充電も可能。一般的なコンセントがあれば問題ない。ただし、バッテリーの重量は22kgもあるため、女性は運ぶのが大変だろう。充電に要する時間は3時間から4時間だ。
航続距離は、市街地で96kmがうたわれている。活発に走り回ると、もちろん短くなる。
TCマックスにまたがり最初に気付くのは、電動バイクとしては軽いこと。内燃エンジンのホンダCB125Rが約130kgあるのに対し、こちらは100kgしかない。クルマでは、電動の方が重いことが一般的なのだが。
とても扱いやすく、都市部の交通へ簡単に交われ、スロットルを調整しながら路地をキビキビと駆け回れる。ロータリー交差点でも不安感は抱かずに済む。
フロントのディスクブレーキは、通常は制動力の立ち上がりが穏やか。リアのブレーキも同時に効かせると、フロント側の3番目のキャリパーもディスクを掴み、素早くスピードを落とせる。
高級モデルに感じる洗練されたデザイン
ライディング・モードには3段階あるが、回生ブレーキの効きの強さが変わるわけではない。変化するのは最高速度で、モード1では48km/h、モード2では64km/h、モード3では本来の96km/hまで許されるようになる。
筆者の場合、試乗時の殆どをモード3に設定していたが、内燃エンジン・バイクに問題なくついていけ、流れの速い環状道路なども快適に走れた。赤信号からの加速も充分鋭い。
1つ気になったのが、スロットルのレスポンス。一定の開度を保っていても、制御的に僅かに速度変化する様子だった。例えば、ピッタリ50km/hを長距離保つことなどが少し難しい。
スタイリングの印象は、見る人の好みで左右されるとはいえ、筆者は洗練されたデザインに魅了された。少し離れて眺めると、高級なモデルに感じられる。
取材時もこのバイクが何なのか、値段はいくらなのか、通りがかりの人から頻繁に尋ねられた。アルミホイール仕様で4399ポンド(約70万円)だと知ると、一層関心を強めていたようだ。
近寄って観察すると、製造品質は価格なりだということが見えてくる。プラスティック製のパネルは華奢な印象だし、アナログのスピードメーターと液晶モニターがレイアウトされたメーターパネルは、バックライトが暗い。天候次第では判読が難しい。
キーレスシステムとイモビライザーを搭載するが、アラームが不意に鳴ることもあった。アラームを止めるためにも、本物のキーはすぐに手にできる位置で持ち運びたい。
次世代への転換点になる仕上がり
冒頭でも触れたが、AUTOCARの姉妹メディアで、スーパーソコTCマックスは2022年のベスト電動バイク・アワードを受賞している。見た目のカッコ良さだけでなく、実用性や航続距離、手頃な価格、充電のしやすさなど総合力は高い。
改めて長時間試乗した今回も、その受賞結果に疑問は抱かなかった。製造品質が高いとまではいえず、少々気になる部分もあるとはいえ、乗りやすい手頃な電動バイクであることに間違いはない。
むしろ、内燃エンジンの同等モデルを置き換えられる実力を有する。TCマックスは、次世代への転換点になる仕上がりだ。
スーパーソコTCマックス(欧州仕様)のスペック
英国価格:4499ポンド(約72万円)
全長:1982mm
全幅:740mm
シート高:770mm
最高速度:96km/h
0-100km/h加速:−
航続距離:96km
電費:−
CO2排出量:−
車両重量:100kg
パワートレイン:電気モーター
バッテリー:2.7kWh
最高出力:6.1ps
最大トルク:−
ギアボックス:−
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みんなのコメント
150cc相当と言う事で白ナンバーでの登録が出来たがしかしMAX60キロしかでず航続距離はカタログ値より少なく
バッテリーの劣化か充電器の故障の為不動車となりました。近所のバイク屋に無料でくれてやりました。
まさしく、安物買いの銭失いしました。