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フランス流ハイブリッド──新型プジョー3008GTハイブリッド4試乗記

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フランス流ハイブリッド──新型プジョー3008GTハイブリッド4試乗記

プジョーの新しいSUV「3008GTハイブリッド4」に、小川フミオが試乗した。日本車とは異なるプラグイン・ハイブリッドに迫る。

ナチュラルなドライブ感覚

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フランスから来たプラグイン・ハイブリッドのSUVはちょっと優しい。ドイツや日本のSUVとはまた違うテイストが魅力的。“キモチがいい”という言葉がぴったりな、プジョー3008GTハイブリッド4に、2024年7月に試乗した。

フランス車は、ドイツ車ほど技術至上主義な印象がない。ゆっくりと進んでいくような感じなのだけれど、フランスは農業国であると同時に先進技術が盛んな国でもある。プジョーも、ハイブリッドやピュアEV(電気自動車)の開発に熱心だ。

3008GTハイブリッド4は、1.6リッターガソリンエンジンとモーターを使う前輪駆動が基本で、変速機に組み込まれたモーターで後輪も駆動する。フル充電ならバッテリーだけで60km少々走れるし、最高速だって135km/hがモーター走行可能という。

バッテリーの状態や走行シーンによって、バッテリーのみの4輪駆動、エンジンによる前輪駆動、上記のようにモーターを使った4輪駆動、と、駆動方式を車両が選択しながら走行する。乗っていると、表示を見ない限り、どんな状態で走っているか、なかなかわからない。

3008GTハイブリッド4の美点は、走りのスムーズさ。加速感、減速感、ステアリング、サスペンションシステム、と、すべてが違和感のない、ナチュラルなドライブ感覚に寄与する。さっと加速し、さっと曲がり、さっと止まる……まるで自分のカラダを動かしているような自然さなのだ。

基本プラットフォームをシェアするシトロエン「C5エアクロスSUVプラグイン・ハイブリッド」が、“魔法のじゅうたん”のような、路面と隔絶されたような、独特の乗り心地(筆者は大好き)を味わわせてくれるのに対し、プジョー3008は、それなりに路面からの影響を感じさせる。

そのぶん、コーナリングなどにダイレクト感があって、こちらのほうが落ち着くという人もいるはずだ。ひとつ下のクラスになる「2008」と比べれば、乗り心地や遮音など、あきらかに3008のほうが上で、クオリティもうんと高い。

ユーザーに与えるべき価値を、プジョーはプジョーなりにしっかり理解しているのだ。これは、私の知っている「504」など1970年代からのプジョー車とどこか共通している。

そういえば、マイケル・マン監督の映画『フェラーリ』でも、エンツォ・フェラーリ演じるアダム・ドライバーがプジョー「403」を気持ちよさそうに運転している場面が何度も出てくる。ダブルクラッチを使いながら、コラムから生えた変速機のギアを操作する様子も撮られている。エンツォ本人はじっさいに403を気に入ったようだ。

プジョーというのは、ドイツ車とか日本車にしか乗ってこなかった人には、意外にハードルが高い存在かもしれない。でもいまの50代から60代の人には、「205」や「306」といった80年代から90年代にかけて大ヒットしたプジョー車を乗ったことがあるのではないだろうか。

逆にその時代のプジョーしか知らなければ(いいクルマだったけれど)、3008のナチュラルで気持ちよいドライブ感覚にあらためて感心すると思う。あいにく、急速充電が出来ないため、遠出はエンジンに頼ることが多いはず。いっぽう、市街地中心の使い方で、駐車場そばに充電設備がある幸運なひとなら、エンジンを使う機会はあまりないかもしれない。

インテリアはパッケージングがよくて、前後席ともにスペースは十分。シートの出来もよくて、長時間乗っていても疲れなさそうだ。

価格は¥7,105,000。クルマがイイ分、円安が恨めしい。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)

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