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新型プジョー508 ナイトビジョン/ACC、先進装備に注目 ディーゼル車を試乗評価

掲載 更新
新型プジョー508 ナイトビジョン/ACC、先進装備に注目 ディーゼル車を試乗評価

もくじ

どんなクルマ?
ー 変速比 ディーゼル向けに

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どんな感じ?
ー 試乗 ディーゼルの走りは?
ー JC08燃費18.3km/ℓ
ー ナイトビジョン こう見える

「買い」か?
ー 日本で買えるディーゼル・セダン

スペック
ー 新型プジョー508のスペック

どんなクルマ?

変速比 ディーゼル向けに

同車のガソリン(ターボ)車のGTラインについては既報のとおりだが、もうひとつの大きな柱となるのがディーゼル車である。2ℓのターボ・ディーセルを搭載するGTブルーHDiは日本に導入されたモデルでは最上位に位置する。

もっとも、シャシー仕様はGTラインと共通であり、装備も前席パワーシートの運転席メモリー機能の追加と内装のグレードアップくらいだ。パワートレイン以外はほぼ同じといっていいだろう。

パワースペックは最高出力177ps/最大トルク40.8kg-m。ガソリンモデルと比較すると最高出力では3ps劣るが、最大トルクは15.3kg-mも上回っている。ミッションはガソリン車と同じく8速ATを採用。

最終減速比以外も変速比が細かく設計変更され、直結となる6速以外はすべてディーゼル車向けの変速比となっている。トルク特性とレブリミット、車重に応じた最適化だろうが、最終減速比だけで辻褄合わせをしない真面目さが嬉しい。

ここではこのパワートレインを中心としたインプレションを展開するが、GTラインのリポートでは簡単に済ませた先進安全&運転支援機能をもう少し掘り下げてみる。

どんな感じ?

試乗 ディーゼルの走りは?

508 GTブルーHDiの動力性能面の特徴を一言でまとめるなら「扱いやすさ」である。パワースペックを強調するような部分がない。

変速は1500rpmくらいを目標巡航回転数として制御される。余力感のあるゆったりとしたドライブフィールと燃費を考えた、現代では標準的な設定だが、無理に巡航ギアを維持したり、いきなり大きなトルクを立ち上げたりしない。悪く言えば活発さや小気味よさに欠き、高性能たる刺激に乏しい。

巡航から全開を与える。2速ダウンシフトして加速に移行するが、いわゆる「突き出される」ような加速感はない。決して反応が悪いわけではないのだが、加速度の繋がりがよく、それが体感加速感を穏やかにしている。

悠々としたクルージングから猛々しい加速、とはならない。加速時も悠々としているのだ。トルコンと遊星ギアを用いたATならではの変速やトルク変化の滑らかさの効果もあるが、508の雰囲気やフットワークに似合ったパワーフィールだ。

JC08燃費18.3km/ℓ

評価軸をガソリン車(写真白)に換えればGTラインとも共通した感覚。つまり、エンジンタイプやパワースペックに違いがあっても508のドライブフィールとして一本筋が通っている。

脚まわりはGTライン同様にリアルタイムに細かな減衰力を制御できる電子制御可変ダンパーを用いたアクティブサスペンション仕様。穏やかさと粘り、しっとりとした据わりを乗り心地と操安で両立したフットワークも変わっていない。脳筋的スポーツ感を求めないところもプジョーらしさであり、508の車格感である。

変速やアクセル等の制御特性を変更できるドライブモードセレクターによりエコ/コンフォート/ノーマル/スポーツの4走行モードの選択が可能。スポーツを選択しても同乗者を苛むような硬さは皆無で、穏やかに走れば無駄回し少なく変速制御するのはGTラインのインプレで述べたとおり。

なお、エコモードは常用回転域を抑えるだけでなく、アクセルオフでミッションをニュートラルにして不要減速を抑え、ブレーキ操作によってエンブレに復帰するコースティング制御を行う。慣れれば燃費もスムーズドライビングにも役立つ機能である。

ナイトビジョン こう見える

新型508で、と言うよりもプジョー車の先進性を象徴するポイントとなるのが安全&運転支援機能である。主な装備には再発進機能付き全車速型ACC、走行軌跡制御型LKA、BSM、ふらつき警報、交通標識認識などが標準装着され、OPとしてナイトビジョンと自動駐車システムも用意されている。

この中で最も先進的なのは「ナイトビジョン」と「自動駐車システム」だろう。

「ナイトビジョン」は夜間走行時のヘッドランプ照射範囲外の人や動物を赤外線カメラにより検出し、モニターに表示するシステム。検知距離は200mにもなり、夜間走行での安全性向上に効果大。(編集部注:写真は私有地内でメーカー立ち会いのもと撮影しました)

「自動駐車システム」は駐車スペースを検出し、アクセル/ブレーキ/前後進を自動制御して、スイッチ操作のみ後退駐車/縦列駐車を可能としている。どこまで狭いスペースに対応できるかはチェックできなかったが、部分的な自動運転化を実現している。

このふたつの装備、かなり魅力的なのだがフルパッケージOPへの設定。ナッパレザーシートやパノラミックサンルーフなどとのセットで65万円もする。ナイトビジョンも相当値の張る装備らしく単体では厳しく、セットOPにして求めやすくしているのだが、買い得感たっぷりの車両価格だけに装着を勧めるには微妙な金額である。

ACCは目新しい機能はないのだが、速度制御の上手さが光る。前走車追従時の加減速が穏やかなだけでなく、速度差が大きな前走車に追い付いた時も急激な速度変化はなかった。

前走車を認識した時からエンブレ程度の緩やかな減速を開始し、設定した車間距離の追従走行に移行する。厳密に車間距離を維持するよりも穏やかさに軸脚を置いてる感じで、ベテランドライバーの巧みさを思わせる制御である。

LKAの制御も同様の制御思想を感じた。車線内の一定位置を頑なに制御すると言うより、進行方向(車体軸線)と車線方向の一致を主眼としているようだ。操舵量や操舵に入るタイミングも自然であり、ステア保持の違和感もない。また、車線認識精度も高く、区分線が薄れていたり、片側だけになったりしても作動し続けた。主要高速道路なら工事規制等でもない限り、ACCとLKA任せでほとんどを走破できそうである。

「買い」か?

日本で買えるディーゼル・セダン

余力があって紳士的な加速感。しっとりとした乗り心地で高速や山岳路も安心のフットワーク。実践力の高いACCとLKA。とくれば答えは良質なツーリングセダン。

良質を「大人味」と言い換えてもいい。だからと言ってタウンユースが苦手な訳ではない。ボンキュッボンのグラマラスな外観ながら車両感覚も掴みやすい。4.7mちょっとの全長なのでプレミアムセダンでは都市部での取り回しも苦労が少ない。

同等装備のGTラインとの価格差は33万円。アイドリング時の車外騒音が大きめでディーゼル感が強いのが難点だが、動力性能と燃費のアドバンテージからすれば納得できる価格差である。もっとも、ガソリン仕様にはアリュールが存在し、コスパではこれが508で最もバリューなモデルとなる。

ディーゼル仕様のアリュールは設定されないので、高速長距離を主用途としたプレミアム&ツーリング志向のユーザー向けの設定。ディーゼルのセダンは国産車が手薄なカテゴリーでもあり、価格レンジも競合することからも内外問わずセダン派の有力候補の一車である。

新型プジョー508のスペック

プジョー508 GTブルーHDi

■価格 492万円
■全長×全幅×全高 4750×1860×1420mm
■最高速度 –
■0-100km/h加速 –
■燃費(WLTCモード) 16.9km/ℓ
■燃費(JC08モード) 18.3km/ℓ
■車両重量 1660kg(パノラミックサンルーフ装着車)
■エンジン 直列4気筒1997ccディーゼル・ターボ
■使用燃料 軽油
■最高出力 177ps/3750rpm
■最大トルク 40.8kg-m/2000rpm
■ギアボックス 8速オートマティック



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