■軽より大きくて一般的なコンパクトカーより小さい「リッターカー」とは
現在の最新トレンドであるコンパクトSUVのなかでも、さらに小さなトヨタ「ライズ」とダイハツ「ロッキー」が好調なセールスを続けています。
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この2台はエンジン排気量が1リッターの、いわゆる「リッターカー」なのですが、これら以外のリッターカーも最近ジワジワと人気が拡大しているようです。
軽自動車よりも大きく、一般的なコンパクトカーより小さい絶妙なバランスを保っているリッターカーの魅力はどのようなところにあるのでしょうか。
リッターカーのメリットについて、新車・中古車を問わず販売しているカーショップの店長に聞いてみました。
「これまでに何台かリッターカーを販売していますが、最近の傾向としては今までミディアムクラスのセダンなどをお乗りになっていたお客さまが、クルマのダウンサイジング目的で購入されるケースが多いようです。
子育てから解放されて夫婦でお乗りになる場合、大きいクルマはいらないというのも分かる気がします」
2名乗車なら軽自動車でも十分な気がしますが、いきなり軽自動車にダウンサイジングするのには抵抗がある人もいるのだそうです。
「軽自動車の(特別仕様)白ナンバーが人気なのも似たような理由かと思いますが、サイズは小さくしたいけど、黄色いナンバーはイヤという人が多いです。そういった人にとってリッターカーはちょうどいい落としどころなのかもしれません」
軽自動車ほどではないものの、排気量1000cc以下、重量も1t以下では税金を含めた維持費が安いのもリッターカーの魅力のひとつといえそうです。
「まず毎年支払う義務のある自動車税は排気量によって区分されており、1.5リッターまでの一般的なコンパクトカーより1リッター以下ならば5000円ほど安くなります。
また2年に1度やってくる重量税も1t以下なら1万2000円以上もお得です。さらにエコカー減税が適用される車種なら、さらにお得感も高まるでしょう」
軽自動車はリッターカーよりも維持費が安く抑えられますが、その一方で大きな差を感じるのが走行性能です。
コンパクトカーと遜色ない広さを備えた車内空間の軽自動車も増えましたが、やはり660ccエンジンでは高速道路巡航などで余裕がないという指摘も多々あります。
「とくに軽のハイトワゴン系にはじめて乗る人は、小回りの良さに感動される半面、高速道路でのエンジン回転数の高さや、横風によるハンドルのブレなどに戸惑うこともあるそうです。
そんな人にとって、通常のコンパクトより小さいリッターカーは、高速での安定感が普通車並みということで安心できるようです」
※ ※ ※
普通車から乗り換えても違和感が少ないリッターカーですが、現在新車購入できる車種は限られています。
国産車では、トヨタはライズ、「ヤリス」「パッソ」「ルーミー」、ダイハツはロッキー、「ブーン」「トール」、スズキ「クロスビー」、スバル「ジャスティ」など。輸入車では、スマート「for four」、ルノー「トゥインゴ」、フィアット「500」などがあります。
最近までスズキ「スイフト(RSt)」やフォルクスワーゲン「up!」などもありましたが、現在は販売が終了しています。
選べる車種は少なくなっているものの、コンパクトカーからトールワゴン、SUVまで各種ジャンルがそろっていて、どれもファーストカーとしても十分な資質を持っているといえます。
■リッターカーの魅力とは? オーナーに聞いてみた
実際にリッターカーに乗っているオーナーにも話を聞いてみました。
栃木県にお住まいの会社員Sさん(40代・男性)は、スズキの軽自動車「ハスラー」ではなく、1リッターエンジンを搭載するクロスビーをチョイスしました。
じつはつい先日追突事故に遭い、現在クロスビーは修理中とのことです。
「信号待ちをしていたら後方から突っ込まれてしまいました。しかし、軽自動車だったらもっと被害が大きかったかもしれないので、結果的にリッターカーを選んで正解だったと思っています。
今回の事故は後方からでしたが、これが側方から衝突されたら軽自動車の場合はかなり大きな事故になっていた可能性もあります。
その点でもクロスビーは、室内幅こそハスラーとあまり変わりませんが(ハスラーの室内幅1330mm、クロスビーの室内幅1355mm)、全幅は20cm近く違うようで(実際は195mm)、それだけボディが丈夫になるなど安全性を考えてリッターカーを選びました」
セダンからの乗り換えということですが、実際に所有してみての感想はどうなのでしょうか。
「以前は普通のセダンに乗っていたのですが、それと比べると快適です。SUVらしく着座位置が高めなので視界も良く、取り回しもしやすいことから駐車場の出し入れがとても楽になりました。
燃費もいいし、高速道路ではスピードは出ませんが巡航するにはちょうどいい感じです。何より、燃料費も含めた維持費が前のクルマより安くなったのは助かります」
唯一の不満は、十分な広さがあるキャビンに対してラゲッジスペースが狭いところで、アンダーボックスも上手に活用しないと荷物があまり積めないないといいますが、Sさんはまだしばらくクロスビーに乗る予定だといいます。
※ ※ ※
セダンなどから乗り換える場合、いきなり軽自動車に乗ると違和感を覚えることもありそうです。
その点リッターカーは取り回しも良く、軽自動車で不満になりがちなパワー不足をそれほど感じなくて済み、かつ車体も通常のコンパクトカー並み。
さらに、安全性も高く維持費も安く済むというところがリッターカーの魅力といえそうです。
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みんなのコメント
重く割高になった。
コスパが低下しているから相対的にリッター車が評価される。
軽自動車で高速道路は怖いし、事故れば即死がほとんど。
軽自動車は高速や専用道路は走行禁止にすべき。