ネジは外れるかな?と突発的に作業開始
こんにちは。カメラマンの小見です。
せいちゃんのDAX70(先の記事のとおり、大規模メンテナンスを敢行)のおかげで自分も久しぶりに小排気量をいじりたくなって、手を出してしまったエイジ君所有のエイプ号。第1回は茨城県南東部の潮来市付近で太平洋の潮風にさらされていたらしき凄惨なるサビ具合をご覧いただきました。
それはまあ良い。ネジその他が整備のために、ちゃんと外せればいいのです。ちゃんと。
その「ちゃんと」を確認したくなるのが人情というもので、ある休日、朝から軽く車体の前半分だけでも分解して補修塗りをやってみるかと作業を始めたわけです。発作のようなものです。
【 画像ギャラリー 35枚】「サビを落とせば新たな野望が!」潮風に当たったエイプをメンテ&カスタム!━━2【プロカメラマンの作業記録】……の写真を見る!
※以下、「■~」は写真の説明文。写真は【画像ギャラリー】にまとめてあります。
■車庫に積んできた当初は割れていなかった気がするヘッドライトケース。何で割れたんだろう?とよくよく考えたら、以前頭上に置いていたリバーカヤックを落下させたのが原因かも。自分のせい。
■ともかくヘッドライト一式を外して、キーボックスを外せるか、やってみます。
■メインキーのシリンダーassyを外せました。これで新品に交換するのも何とかなるはず。
■どこもかしこもサビと固着が激しくて、各種ワイヤーも外せません。スピードメーターのケーブル固定ネジはインパクトドライバーでたたいたら外せました。
■朝から分解作業をしていて空腹だったので、近所のお弁当屋さんにて大盛り弁当を購入。コスパ最高でとても良い!
バラバラ、スカスカにしてモンモン
頭上から重量物が落下して割れた樹脂製の純正ヘッドライトケースの状態も酷いものですが、とりあえず各ネジが普通に回るかだけでも確認しておきたい。……まあまあ回ってくれて、ひと安心です。
腹も減ったので、近所にある普段から大盛りの弁当屋さんまでKLXでひとっ走り。のり弁を食べ始めると、半分くらいでお腹が勝手に納得してきたので少し中休み。
そうしていたら、折りよく前オーナーであるエイジ君がセカンドバイクのグース250の修理試乗だったらしく車庫に遊びに来ました。サビだらけだったエイプ の行く末が気になったのでしょう。
同じクラスの耐久レースに出たり、釣りまで一緒に行く“遊び仲間”が揃うと作業が速いのなんのって。たちまちエイプ号の前半分はバラバラになります。エイジ君はステアリング付近をアンダーブラケットからフォークまで丸ごと外してフレームのヘッド付近がスカスカに。
これで、ベアリングのグリスアップや、フレームのサビ落としと補修塗装は簡単にできるようになりました。
ざっとポリッシャーでサビを落とし、手持ちのシルバーで軽く補修塗装をしておきました。この色なら後から他の色を塗るにもわりとツブシが利くので、本当にささっと塗った感じです。
夕方になってエイジ君が帰宅して、ひとりでコーヒーを飲みながらエイプを見ていると、徐々にいじる方向が頭の中に浮かんできたんです。少々悶々としながら、その晩は車庫を片付けて終了。
■グースでふらっと現れ、強力な助っ人になってくれたエイジ君。いきなりフォークのトップボルトを緩め始めて、どうするのかな?と思っていると……
■ハンドル一式がスポンと外れてこのとおり。大きな力をかけたいボルトは上物には無いので早い。
■ここぞとばかりにフレームにポリッシャーを当てる小見オヤジ。サビと一緒に尖った溶接のスパッタにもペーパーを当てて、手に優しいフレームにしちゃおう。
■連続してポリッシャーを使うと疲れてくるので、選手交代。彼もアストロのポリッシャーを持っていて研ぎ作業に愛用しているとのこと。便利ですよね。
■エイジ君、気が早いことにキックアームまでサビ落としに没頭。キックアームも赤サビで真っ赤でした。
■エンジンを降ろさずにフレームの補修をしようと、当初はこんな進行状態でした。
■上下ステムで固定されるヘッドライトステーもサビだらけ。ブラストしたほうがよかった?
■分解後のサビ落としから、暫定塗装を終えたステムやキックアーム、シートレールです。後ろに見える緑色のカヤックがヘッドライトケース破損の原因だった川下り用のフネですよ。
■最終段階でまたやるけれど、せっかく分解したので一応ベアリングのグリスアップも。
■交換すべきだというお声も出そうな純正ミラー。これは塗装実験する予定で処理。
■キャブにつながるインシュレーターにデイトナの文字が。なぜだ?と思ったら、KEIHIN PC20のビッグキャブ対応の便利グッズだったようだ。つまりキャブが換装されています(朗報)。
■どこもかしこも茶色い車体後半部分です。深いサビで穴が空いてなかっただけ良かった。
■打ち抜きスチールの部品もどしどし外して、ネジの具合を見てみます。全部面取りするぞ。
■キャブも外して、ジワジワと核心に迫る気分。
■フロント周りを仮組みして、エンジンをマスキング。フレームの前半を暫定塗装。サビで赤くないフレームがやけに嬉しい。
■ハンドル周辺も復元してローリングシャシーにしたところです。サビた黒フレームからだいぶイメージが変わりますね。
■で、後ろ半分。塗色がそもそも違うので、どっちにしても全バラしたほうがいいのでは? サスのスプリングもかなり酷い状態ですしね~。
■どう見ても交換必須のチェーン。クリップは外れるだろうか?と数日前に浸透潤滑剤を吹き付けておいたら、案外あっさりと外れてくれた。ダメならサンダーでの切断も辞さない。
「サンダンス」さんのスーパーXR最初期型!あのカッコ良さを……
そのほんの数日後の夕方には、やっぱりエンジンもこの際だから落としちゃえ…! ものの数分で、軽くジャッキで保持したエンジンがフレームから外され、単体となりました。
引っ込みがつかない状況に自らをたたき落としてしまう悪癖は健在のようで、エンジンまで落としてしまうなら、次はホイールや前後足周りも総分解しないとダメでしょう。当然フレームも再度やり直して全面塗装ということに。「藪へび音頭」が頭の中にリフレインしています。
そんな民謡など実在はしません。勝手に作った曲です。
ってことはどうでもよく、実は頭に浮かんだ構想は昔、ハーレーのカスタムショップ「サンダンス」さんが高輪にあったころにあまりにも強烈に印象に残っていたバイクが記憶の深淵から蘇ったからなのですよ!
はい。代表の柴崎さんの手掛けた、あのスーパーXR最初期型。エイプと似ても似つかないのは分かり切ってますが、ああいうカッコ良さを加味できたらなぁと無謀にも考えたんですね。
ちなみに、今のスーパーXRはものすごく洗練された速さとスタイリングを持ち合わせてますが、初期型は実に獰猛なシロモノで、パンチ力抜群の強烈なダッシュ力の割に車体や前後サスが当時はまだそれに見合ってはいなかった。ワイルド過ぎるヤベー(面白い)マシンだったのです。
ちょうどエイプをバラし始めたころにインタビュー取材で久しぶりに再会した柴崎さんらと笑いながら話していて、あらためて店内見学したのも発想の発端かも知れません。
“デイトナウェポン”や“ゴールデンボール”とともに、“アレ”を思い出してしまったのですから。
■もうエンジンを下ろす気満々になって、冷静に各部を観察。クラッチワイヤーの支持兼スペーサーがここにあるのを組み立て時に忘れないようメモ撮り。
■さて、クランクケース固定のボルトを抜いて行きますよ。エンジンの自重でボルトのネジ山を傷めないようにジャッキで軽くエンジンを浮かせます。
■軽いエンジンですが、ボルト類を慎重に外し、無事に降ろせました。
■やっぱりね、こういう部分をきれいにしたかったんですよ。
■エイジ君の記憶から、キタコの88ccボアアップキットが組んであって2種登録のエンジン。バルブ周りの整備はヘッドを開けてやっておくべきでしょうね!
■だんだん夜も更けてきますが、フレーム後部だけ軽くポリッシャーと手作業で サビを落としておきます。あぁ、どうにも止まらない……
■アップライトなポジションと軽快なフレームです。ちょうどこの頃にレース系の名人のインタビュー取材が多く、ホンダの朝霞研究所やコレクションホールにも出向いて撮影。日々刺激を受けまくった時期でした。
■本文で触れた、サンダンスの誇る現行スーパーXR。オーダーによって仕様は変わるようですが、こちらが基本形と思われます。素晴らしい車両です。
「シングルエンジン+モノサスのダートラ車」って?
以前にはJAZZでローライダーっぽいカスタムをしたことをご覧いただきましたが、次はXR風味のワイルド路線も良いな、と。でもですね、XRは2本サスで、エイプはモノサスなんです。
そのために2本サスにするのも、どうなんだ? 不可能ではないがモノサスの良さも捨て難いしなあと考え込んでいると、雑誌関係の古い友人であり、サンダンス広報を担当する“マコナベ”ことチョッパージャーナル編集長である渡辺まこと氏が良いことを教えてくれました。
1本サスで単気筒のダートラ、ありますよって。
「マジか! そんなの知らなかったよ!」と珍しく電話口で大声を発してしまったワタシ。画像を送ってもらうと、いかにも走りそうなシングルエンジン+モノサスのダートラ車=Single XXXtasyにヤラレてしまったのです。
スイングアームとシートの位置関係や、アーム造形の再現性や、サス構成の造りの再現には無理があるかもしれませんが、こんな雰囲気を目指してやってみようと考えたのです。基本はSingle XXXtasyを目指しつつ、ストリート&草レース対応と欲張った仕様にしたい。
今回はハードル高すぎて、道のりは相当遠いかもしれませんね(しみじみ)。
(続く)
■個人的には未知のマシンだったのですが、ビビっときた“Single XXXTASY”。ビューエル系のエンジンを搭載しているという貴重な車両。モノサス構造はトラディショナルなヤマハのモノサスを思い出させる斜め直押し。エイプはリンクを介した、ほぼ垂直型ですね。塗色は別としても、こんな軽快なイメージにしたい!
■同車の左側面図。エキパイはすっきりしたストレートなデザインにヒートガード。ステップ周りはこんなゴージャスな削り出しは無理かな~。
■解像度が低いけれど、別の個体のメモ画像でシングルシートのデザインを見てください。スイングアームの補強部分が細めになっていて、ただものじゃなさそうな車体なんですが……。
レポート●小見哲彦 写真●小見哲彦、渡辺まこと 取材協力●サンダンスエンタープライズ、チョッパージャーナル 渡辺まこと(スーパーXR他、車両画像提供)
プロフィール●小見哲彦
無類のバイク好きカメラマン。
大手通信社や新聞社の報道ライダーとしてバイク漬けになった後、写真総合会社にて修行、一流ファッションカメラマン、商品撮影エキスパートのアシスタントを経て独立。神奈川二科展、コダック・スタジオフォトコンテスト等に入選。大手企業の商品広告撮影をしつつも、国内/国外問わず大好きなバイクを撮るように。『モーターサイクリスト』誌ほか多数のバイク雑誌にて撮影。防衛関係の公的機関から、年間写真コンテストの審査員と広報担当人員への写真教育指導を2021年より依頼されている。
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