2022年6月20日、スズキはジムニーとジムニーシエラの一部改良を発表しました(発売は7月20日から)。
変更内容は「5MT車に停車時アイドリングストップシステムを追加して、それにともない一部インパネスイッチのレイアウト等を変更」という軽微なもの。
大人気ジムニー改良!! え…多くの納車待ちの人は…どうするの…?
車両本体価格も「微減」というレベル。とはいえジムニーといえば納車待ちが1年とも2年とも言われている人気車種。納車待ちの途中で一部改良が入った場合(そして価格が変更になった場合)、注文ってどうなるのでしょうか?
文/ベストカーWeb編集部、写真/SUZUKI
■納車待ちのお客さんには必ず全員に連絡
2018年7月に発表発売されるやいなや、爆発的な人気を獲得した現行型(4代目)ジムニー。月販目標台数はジムニーが1250台、ジムニーシエラが100台と、先代型の売れ行きを考えれば妥当な数字だったが、それをはるかに上回る注文が殺到。
デビュー直後から大量のバックオーダーを抱えることになり、納車待ちが長期化することになった。
あれから4年、スズキはコツコツと生産状況を改善して納期は落ち着いてきたかな…というタイミングで、半導体不足や原材料高騰、部品供給の不安定化、コロナ禍による工場停止などの逆風が発生、さらにリコールなども重なって、ジムニーの納期はいまも(地域によって異なるが)おおむね1~2年となっている。
そんななかで、冒頭でお伝えしたとおり、ジムニーが一部改良を実施した。
2018年7月に発表発売されるやいなや、月販目標台数をはるかに上回る注文が殺到
「アイドリングストップシステムの追加」というポジティブな内容で、車両本体価格も最上級グレードの「XC(5MT)」で1,804,000円(+27,500円)と、「それほぼ原価じゃないですか!」と思わず声の出る値上げ幅に留まっているものの、仕様変更、価格上昇に間違いない。
これ、少なく見積もっても1万人以上の「ジムニーの納車を待っている人たち」はどうするんでしょうか?
「販売店の営業マンが、ご注文をいただいているお客さま全員に連絡して、新型(つまり一部改良が実施された後のモデル)でよいか、どうしても現行型(つまり一部改良が実施される前のモデル)がよいか、をご判断いただきます」
と回答してくれたのは、本記事担当編集の最寄りのスズキディーラー営業マン(愛車はスイフト)。全員に連絡するんですか。
「全員に連絡します。納車待ちが長いクルマには、途中で仕様変更する可能性は高く、受注時に軽くお話ししておくのが一般的です。ジムニーの場合もそうで、たいがいのお客様には途中で仕様変更があることはお伝えしてあります」
もし「そんな仕様変更も値上げも嫌だ、受注した時点のクルマがいい」と言われたらどうするのでしょうか?
「今回は発表から発売まで1カ月ありますから、その間に生産されたクルマを回してもらうか、近くの販売店で在庫を探すか、ですが、たいていは見つからないので、どうしても、という方は、申し訳ないのですがキャンセルを…という話になります」
ううーん、せちがらい。それにしても顧客全員に連絡というのもすごいですね…。
「これもお客様とのコミュニケーションで、受注から納車まで何度もやり取りしていると、その後の関係もスムーズになるし、長いお付き合いができる、という面もあります。本当は、即納できればもっとよいコミュニケーションになるのですが…」
現在、部品流通の不安定化はさらに進んでいて、あらゆる新型車の納期が延びている。1年待ち、2年待ちは当たり前。たとえばランクル300などはついに4年を超えて、いま注文を入れても手元に届くのは(一部改良どころか)ほぼ確実にマイナーチェンジ後のモデルになるだろう。
ジムニーシエラ
こうした改良やマイチェン、モデルチェンジは、すべての顧客へ連絡する全国のディーラー営業マンの努力に支えられているのだと、今さらながら再認識しました。がんばってくださいませ。
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