「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は「トヨタ プリウス」だ。
トヨタ プリウス(2009年:3代目)
新型(編集部註:3代目)プリウスは、以前にプロトタイプの試乗記を紹介したが、今回は公道で試す機会を得たので、あらためてインプレッションをお届けしよう。
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新型プリウスの受注が凄まじい勢いで伸びている。好調の最大の理由が、燃費の良さであることは間違いない。昨年(編集部註:2008年)中盤からガソリン価格が高騰し、今年初めに登場したホンダのハイブリッドカー、インサイトの注目度も高かった。遅れて登場した新型プリウスは、ハイブリッドシステムが異なるとはいえ価格競争力ではインサイトとは比較にならないだろうと思われていたところに、なんと驚異の205万円からという設定。車格もインサイトよりひとクラス上とあって、爆発的なヒットとなったワケだ。
では今回のプリウスは、そんな空前の大ヒットを飛ばすほどのいいクルマなのか? 答えは、イエスである。これまでのクルマと同じ視点で面白いか、と問われると難しいところもあるが、新型プリウスが秀逸なクルマであることは間違いない。
まずハイブリッドシステムの進化が凄い。トヨタ方式のストロングハイブリッド、THS II は車種を経るごとに進化しており、今やプリウスは10・15モード燃費で38km/Lという驚異的な値を実現している。しかもドライバビリティを損なわず、セダンとしてもシュアなハンドリングを持ち、フットワークも上々だ。この点でも、プリウスは凡庸なセダンでも、単なるエコカーでもない優れた実力を有している。
アラ探しをすれば、直進時のハンドルの保舵力はもっとリラックスして握っていられる感じがいいとか、リアから感じるハーシュネスの振動収束をもう少し上げたいとか、もっとどっしりとした感じを出したいとか、いろいろ要求したいところはある。しかし、ハンドリングや取り回しではあらゆる点で従来型プリウスを上回っており、確実に進化している。
コンフォート性能では静粛性が高く、またリアシートの開放感や広さもちょうど良く、ユーティリティにも優れた5ドアハッチバックだ。インテリアも高い素材こそ使っていないがよくデザインされており、素材の感触も含めてスッキリした印象が未来を感じさせる。
新型プリウスは、性能的にはストロングハイブリッドというTHS II の利点を活かしつつ、デザインやインターフェースに新しさを出すことに成功している。つまり、プリウスの価値はさらに高められたというわけだ。
横浜周辺で行なわれた試乗会での燃費は、平均速度34km/hの比較的早いペースで、街中+高速という約32kmのコースでEVモードを頻繁に使うなどのエコドライブを試した結果、約29km/Lをマークした。おそらく燃費を気にしないでドライブしても、20km/Lを割ることはないのではないだろうか。
ハンドリングは215/45R17を履くツーリングセレクション系がベターだ。ステアリングがちょっと重めになるが、これも安心感があり、突き上げも若干強くなるがフロントシートではさほど気にならない。路面からのアタリがソフトなのは195/65R15を履くGやSの標準グレードだ。ハンドリングではツーリングセレクションに劣るもののとりわけ腰砕け感もなく、トータルのバランスでは勝っている。価格を考えると、Sをベースにしてオプションを装着すると良いかもしれない。
いずれにしても、新型プリウスは日本が誇る価値あるクルマであることには間違いはないだろう。
■プリウス Sツーリングセレクション 主要諸元
●全長×全幅×全高:4460×1745×1490mm
●ホイールベース:2700mm
●車両重量:1380kg
●エンジン種類:直4 DOHC+モーター
●排気量:1797cc
●エンジン最高出力:73kW<99ps>/5200rpm
●エンジン最大トルク:142Nm<14.5kgm>/4000rpm
●モーター最高出力:60kW<82ps>
●モーター最大トルク:207Nm<21.1kgm>
●システム総出力:100kW<136ps>
●トランスミッション:電気式無段変速機
●駆動方式:横置きFF
●10・15モード燃費:35.5km/L
●タイヤ:215/45R17
●当時の車両価格<税込み>:245万円
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みんなのコメント
ボディ剛性が低く脚が動かない、前脚つっぱりコーナリング。
どこがシュアなハンドリングか?
インサイト潰しは凄かった
カタログにまでインサイトを揶揄してるんだもんな