BMWのフラッグシップ 7シリーズの電気自動車BMW i7を堪能してきた。新型7シリーズは2022年7月にデビューし、デリバリーが2023年から始まっている。7代目となった新型はG70型でラグジュアリーとスポーティの粋を集めたフラッグシップで、エクスクルーシブな空間が満喫できるゴージャスさだ。
BMW i7 xDrive60 Excellence自動車産業の変革の時代と言われている中で、BMW i7はこれまでクルマに求められてきた性能は正常進化させつつ、新たな創造の世界へと足を踏み入れる場所、モノ、空間といったことを提供するモデルになって登場した。新しい要求性能、それはソフトウエアから成り立つものも含め、五感に響く、感性を刺激するものを創り出すことがデジタル化されたことで、容易に持ち出せるようになってきたからだろう。
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Individual 2トーン・ペイント(オキサイド・グレー/タンザナイト・ブルー)視点を変えてみれば、電動化=SDV(Software Defined Vehicle) が進むにつれて、パワートレインの多彩なバリエーションでユーザーに応えるニーズは相対的に低下し、ユーザーは新しいユーザー体験UXに期待するようになると言われている。そうした未来のクルマに向けてカーメーカーはどのような新しい価値を提案していけるかというフェーズにいて、BMW i7はひとつの提案として投入したといえるだろう。
新型BMW i7のドライビングシートにはカーブドディスプレイが並び、12.3インチのインフォメーション・ディスプレイ、14.9インチのコントロール・ディスプレイが一体になって目の前に並ぶ。そこにはさまざまな情報が表示されるのは言うまでもなく、日常使っているデジタルツールですらWi-Fiを搭載していることで、利用できるようになっている。
BMW i7はスマートフォンとクルマの間にある見えない距離感はなくなり、さらにラウンジとの距離もなくなったエクスクルーシブなリヤシートは、人生をクリエイトしていくためのツール、そして空間という顔も持っているといえる。例えばプロジェクションマッピングのように、デジタルを駆使することで新しいアートをクリエイトしたように、BMW i7にはさまざまデジタル・サービスが搭載されているのだ。
思わず笑みが溢れるリヤシート(FMヨコハマ「THE MOTOR WEEKLY」パーソナリティの二人。高橋アキラさんと 山下麗奈さん)リヤシートをみると、何といっても31.3インチサイズのシアタースクリーンだ。これは大きな話題にもなっているが、20年前であれば家のTVが29インチだったことを思い出せば、さらに驚くだろう。試乗車にはAmazon Fire TVが装備され、またeSIMも搭載しているので、望むものは全て映し出されると言ってもいいほどだ。
31.3インチサイズのシアタースクリーンシートはエグゼクティブ・ラウンジシートであり、フル・リクライニングの姿勢で、シアタースクリーンを見ることができる。周囲の光を遮るブラインドも自動で立ち上がり、外からはプライバシーも保護され、室内は覗けずラウンジを独占している気分だ。
かつて7シリーズは標準ボディとロングホイールベースの2タイプがあったが、7代目はロングホイールベースのみになっている。したがって法人需要のショーファー・ドリブンも重要であり、またBMWというブランドだからこその「駈けぬける歓び」も重要であるため、驚異的な走行性能も持ち合わせているのだ。
ショーファーとしては、ドアの開閉が全て自動開閉ドアだ。ボタン一つで開き、閉めるのもボタンに触れるだけ。あとは乗り込んでシートを好きな位置に電動で動かし、インテリア照明の色を変えてリラックス空間へと自分好みにできる。その操作はドアアームレストにスマートフォンサイズほどのタッチパネルが埋め込まれている。そのタッチパネルで音や色、温度調整やシート調整、そしてエンターテイメント機能が集約され、デジタルサービスの一端を垣間見ることになる。
リヤの左右ドアに5.5インチのタッチスクリーンが組み込まれている一方の運転席では2本バーのステアリングの採用とシフトレバーがなくなっていることで、BMWの変化を感じる。シフトはコンソールに埋め込まれたレバー操作で、「選択」という思考での操作になり、動き出せば2本バーのハンドルの違和感は消え去る。ステア操作はシンプルで、リヤ操舵も合わせてクルマは思い通りに滑らかに移動する。そう、移動させるための操作は2本バーのハンドルで行なう、という思考で操舵する。
12.3インチのインフォメーション・ディスプレイ、14.9インチのコントロール・ディスプレイで構成されるカーブドディスプレイその移動は静かに滑らかに何の抵抗も感じないスムースな空間移動が始まる。ボディサイズは全長5390mm、全幅1950mm、全高1545mm、ホイールベース3215mmという巨大なボディが、スルスルと日本の道路を苦もなく走る。多分にリヤ操舵がいい仕事をしているのだろうが、そのリヤ操舵感は全く感じない。
フロントに258ps、リヤに313psのモーターを搭載し、システム合計544ps/745Nmもあるトルクフルなモーターは0-100km/h加速は4.7秒であり、重量級のボディを空飛ぶ絨毯に乗せたが如く、滑らかに走行する。ちなみに航続距離は650kmで搭載する電池容量は101.7kWh。
電動化されていくことによって、これまででは提供のできなかった新しい魅力を作り出すことができると言われているが、それを実際に提供し始めたのがこのBMW i7ということになるのだろう。新たな電動化時代の新価値創造を具現化したモデルは1670万円だ。
The post 【BMW i7 試乗記】電動化が生み出したリアルな新世界が待っていた first appeared on オートプルーブ - Auto Prove.
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