SUVに与えたホットバージョン、新型フォレスターSTIへの期待も膨らむ
2000年5月に発売が開始されたSUBARUのSUV「フォレスターS/tB-STi」。FORESTER(フォレスター)本来の多目的性能を活かしながら車高を下げ、専用チューニングを施した足まわりの採用などにより、オンロードでの走行性能を向上させた。SUVに与えられたホットなモデルを、スバリストのマリオ高野がぶった斬る!
SUBARUが新型フォレスターを発表、新開発パワーユニット「e-BOXER」搭載へ
新型フォレスターがついにデビューしたが、6MTはおろかターボエンジンさえ設定がなくなったことに、お怒りの古参スバリスト諸兄がおられるかも知れない。いや、間違いなくいるだろう。ハイブリッドのe-ボクサー搭載車の走りがターボグレードを忘れさせてくれるものであれば良いのだが、執筆時ではまだわからない。
2リッター4気筒で240psを放つエンジンを積んだSUVは他に存在せず、ハイパワーSUV市場はフォレスターSTIの独壇場となる。
思えば、フォレスターは「オンロードを本気で攻められるSUV」の先駆け。初代SF型は初代インプレッサWRXと主要コンポーネントを共有する関係で、ノーマルでも当時のSUVの概念を覆す速さを発揮した。ポルシェがカイエンを企画する契機となった(マリオ高野調べ)ほど世に与えたインパクトは大きかったが、デビューから3年後に満を持して追加されたSTIバージョンは、さらに世界を震撼させることになる。まだ当時の競合SUVがコーナリングでフラフラしていた時代に本格スポーツ性能を備えた画期的コンプリートカー「S/tb-STi」を投入したのだ。月産500台の限定ながら大ヒット作となり、早くも半年後に「II」へと進化。バカっ速SUVの市場を切り開いた功績を讃え尽くすほかない。フォレスターSTiの成功がベントレーやロールスロイスにまでSUVを作らせることにつながったのである(マリオ高野調べ)。
今ではオンロードで速いSUVは当たり前となったが、当時はSUVなのに30mmも車高を下げるなど愚の骨頂。先見の明が皆無の筆者は「GC8があるのに無意味」などと蔑んだものだが、フォレスターのSTiバージョンは大成功を収めた。しかもトレッドまで拡大し、ダンパー&スプリングの強化などによりロール剛性とピッチングの抑制を向上。フロントには対向4ポットキャリパー&16インチのディスクブレーキをおごり、車重が大きなSUVでも安心して飛ばせる制動力を確保。車高を下げてもなお確保された170mmの最低地上高により、スポーツセダン並みのオンロード性能を備えながらオフロードでも走れるという万能性を発揮した。そして「フォレスター」がSUVの常識を破ってオンロードでも速さを発揮できたのは、”シンメトリカルAWD”という素性の良さの賜物。
BBSホイール(16インチ)やモモステ、対向4ポットキャリパーブレーキなどは、その後しばらく憧れのアイテムとなったのだ。
新型フォレスターにSTIが追加された時、ターボやMTが復活するのかも知れない?(希望的予想)ぜひとも復活した勇姿をこの目で見たいものである。
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