■屋根なし軽トラはもういらない? 果樹園の効率化を目指す1台
自動二輪車や船舶などを手掛けるヤマハ発動機(以下ヤマハ)は、2022年10月12日に同年年10月14日まで開催される「農業WeeK」にて「果樹園作業支援自動走行車」を展示しました。
【画像】屋根なし軽トラの進化系モデル! 新「果樹園仕様車」を画像で見る(15枚)
農業WeeKとは、日本最大級の農業・畜産の総合展示会。農業資材やスマート農業製品、畜産資材、6次産業化製品が出展されます。
ヤマハは、自動二輪車や四輪バギー、電動アシスト自転車などのランドモビリティ事業やボート、船外機などのマリン事業、サーフェスマウンターやドローンなどのロボティクス事業などをさまざまな事業を展開しています。
そんなヤマハにとって、初出展となる「農業WeeK」で展示したのが、果樹園作業支援自動走行車です。
果樹園作業支援自動走行車は、生研支援センター「革新的技術開発・緊急展開事業(うち人工知能未来農業創造プロジェクト)」の支援を受け実施した研究成果に基づき、新たに開発されたものです。
従来的な果樹園では、樹の背が低く成人男性だと腰を曲げたり、屈まないと、樹の枝に頭をぶつけてしまうことがありました。
また収穫時には「管理機(テーラー)」と呼ばれる手押し型の農機具に収穫用のカゴを取り付けたものや、古びた軽トラックの屋根を切ったもので、収穫や運搬をおこなっています。
同プロジェクトは、そんな果樹園に対し、果実の収量や品質を低下させず、機械化に適した樹形による栽培体系の構築を目指したものです。
ヤマハは、1996年から電磁誘導式ゴルフカーを販売しています。これにはスロットルやブレーキ、操舵を電気的に動かすバイワイヤの仕組みが備わっており、かつ量産車であるため信頼性も高く、比較的少ないコストで自動走行の仕組みを構築可能です。
これをベースとし新しく開発された果樹園作業支援自動走行車は、収穫物運搬や各種作業(剪定、整枝、受粉、摘果など)の支援、牽引型作業機械と組み合わせた農薬散布や草刈りなど単純作業の自動化を効率的に実現可能です。
そのエクステリアは、丸目のヘッドライトに薄いグリーンのボディカラーが特徴的。また、果樹園内の走行を想定し障害物に対する独立バンパーやオフロードタイヤ、収穫した果物を入れるカゴ置き場などが装備されています。
ボディサイズは全長2280mm×全幅1200mm×全高1200mmと軽トラックとなるダイハツ「ハイゼットトラック」の全長3395mm×全幅1475mm×全高1780mmと比較してもかなりコンパクトになります。また車体総重量は500kg(計画値)で積載重量は350kg、乗車定員は2名です。
定格出力は3.5kWで、手動走行時であれば最大車速は15km/h、最小旋回半径は2.3mとなりとても小回りが効く設定になっています。
※ ※ ※
「屋根なし軽トラック」もその姿を「自動運転車」に変えようとしています。今後実際にどの様に導入されていくのか注目です。
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