■プレミア価格は当たり前! 話題の限定車
メーカーは定期的に通常のラインナップに加えて、特別仕様車や台数限定の限定車を販売します。とくにモデルライフの末期には、装備を充実したお買い得な特別仕様車が販売されるのが通例です。
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そうしたお買い得なモデル以外にも、特別なエンジンを搭載したり、各種チューニングを施した限定車を販売することがあります。
限定車には期間限定や台数限定のモデルがあり、なかでも台数限定の場合は抽選や販売が先着順となるため、争奪戦が繰り広げられることも珍しくありません。
そこで、最近話題となった限定車を3車種ピックアップして紹介します。
●スバル「WRX STI EJ20ファイナルエディション」
スバルは高性能エンジンEJ20型が2019年度で生産を終了するとアナウンスし、「WRX STI」の最後の限定車「WRX STI EJ20ファイナルエディション」発売しました。
EJ20型エンジンは1989年に発売された初代「レガシィ」にはじめて搭載され、以来、スバルを代表する高性能エンジンとして君臨してきました。しかし、基本設計が古くなり環境対応も困難になったことから、引退することになりました。
そこで、WRX STIとEJ20型エンジンの集大成となったWRX STI EJ20ファイナルエディションは、「WRX STI タイプS」をベースに、エンジンの回転系パーツであるピストン、コンロッド、クランクシャフトなどの重量公差・回転バランス公差を最小限に抑えたバランスドエンジンを採用。
EJ20型エンジンの特徴である、高回転域まで吹け上がる気持ち良いエンジンフィーリングをさらに磨き上げました。
外観では、ゴールド塗装のBBS製19インチ鍛造アルミホイールを装着し、フロントグリルやリアバンパーには、STIのコーポレートカラーであるチェリーレッドの差し色を随所に入れ、ドアミラーやシャークフィンアンテナはブラックに塗装することで、全体のスタイルを引き締めるアクセントとしています。
WRX STI EJ20ファイナルエディションは555台が限定販売され、2019年10月24日から11月11日の受付期間中に購入希望者が台数を上まわったため、最終的に抽選販売(商談権の抽選)となりました。
なお、価格(消費税込、以下同様)は452万1000円から485万1000円でしたが、現在は新車価格以上の500万円台から600万円台で取り引きされています。
●トヨタ「カローラツーリング 2000リミテッド」
2019年9月に発売されたトヨタ「カローラツーリング」は、カローラシリーズとしては12代目にあたり、セダンとともにデビューしたステーションワゴンです。
通常のラインナップでは1.8リッター直列4気筒エンジン+モーターのハイブリッドと、1.8リッター直列4気筒と1.2リッター直列4気筒ターボの2種類のエンジンが設定されていますが、2020年6月に2リッター直列4気筒エンジンを搭載した特別仕様車「カローラツーリング 2000リミテッド」を、500台限定で発売。
最高出力170馬力を発揮する「ダイナミックフォースエンジン」は、「RAV4」やレクサス「UX」に搭載されるエンジンと同じ高効率でパワフルなパワーユニットで、国内のカローラシリーズでは初となります。
トランスミッションはパドルシフト付10速スポーツシーケンシャルシフトマチック(CVT)を採用。
外装では、切削光輝+ブラック塗装の17インチアルミホイールや、シルバーメタリック塗装のルーフレールなどを特別装備することにより、スタイリッシュさを際立たせ、カラーリングも特別設定色のレッドマイカメタリック、ブルーメタリックを含む全4色が設定されました。
こうした高性能エンジンを搭載する限定車は、これまで「GRMN」や「TRD」ブランドでコンプリートカーとして展開されてきましたが、カローラツーリング 2000リミテッドはそこまでハードなモデルではなく、手軽に乗れる上質な高性能モデルというコンセプトになっています。
価格は262万200円で、すでに500台は完売。今後、中古車市場にも出てきますが、そこまでプレミア価格にはならないと予想されます。
■カナダでは限定100台が4分で完売!? これから争奪戦必至の限定車とは
●ホンダ「シビックタイプR リミテッドエディション」
2020年2月20日にホンダは、2021年モデルの「シビックタイプR」をベースに、軽さと速さをさらに研ぎ澄ました限定車「リミテッドエディション」を公開しました。
日本をはじめ、欧州、北米、オーストラリアなど全世界で約1000台が限定販売され、日本では200台限定で2020年秋に発売予定とアナウンスされています。
なお、シビックタイプRはイギリス工場で生産されているモデルで、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、改良型の2021年モデルの生産が遅れ、このリミテッドエディションも発売が延期されました。
リミテッドエディションは、エンジンの冷却性能向上やブレーキの改良、内装の質感が改善された2021年モデルのシビックタイプRに加え、1990年代のタイプRを彷彿とさせるサンライトイエローの復刻カラー『サンライトイエローII』とブラックの2トーンカラーを採用。さらにBBS製20インチ鍛造アルミホイールとミシュラン製パイロットスポーツ Cup2と、リアワイパー、トノカバーなどの装備類を廃止することで、軽量化を図っています。
また、リミテッドエディションは2020年7月に、三重県鈴鹿サーキットにおいてFF車最速となる2分23秒993というラップタイムを記録。すでに、さらに進化した実力を証明しています。
価格はまだ発表されていませんが、2020年9月上旬に、販売方法とともに明らかになるとアナウンスされています。
ちなみにカナダでは、限定100台が4分で完売したので、おそらく日本でも凄まじい争奪戦が繰り広げられると思われます。
※ ※ ※
高性能モデルの限定車は、これまでも注目され、即完売というのが通例です。一方で、海外のメーカーでは、さらに特殊な販売方法がとられる例があります。
たとえば、フェラーリは数年に1度「スペチアーレ」と呼ばれる限定車が販売され、代表的なモデルでは「F40」、「F50」、「エンツォフェラーリ」などがあります。
これらスペチアーレは、発表された時点でオーナーが決まっていることがあり、お金さえあれば買えるとは限りません。
フェラーリが認めた「特別なお客様」に優先的に販売されるためで、これまでフェラーリにどれだけ貢献してきたか、コレクションしてきたかなどが重要視されます。
仮に、スペチアーレを購入するかとオファーがあっても断った場合、次のスペチアーレではオファーされないこともあるという、日本のメーカーでは考えられないような商売が成り立っています。
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