ブランド支持者から、批判的に評価された過去
記録的な高値を更新するクラシックもあれば、そうではない名車も少なくない。多くの人の心を掴みきれないスタイリングが、評価を伸ばせない理由であることも多い。
【画像】超個性派な英国車たち アストン・ラゴンダ ブリストル412 ロールス・カマルグ 各ブランドの後継も 全114枚
アメリカのカーデザイナー、故ハーレー・アール氏はこんな言葉を残した。「できる限りのことを尽くします。遠慮せずに。そうでなければ、明日には陳腐化してしまうでしょう」
果たして、アストン マーティン・ラゴンダ、ブリストル412、ロールス・ロイス・カマルグは、そんな言葉と無縁に思えるほど個性的だ。本来のブランドイメージとは、異なるベクトルで生み出されたように思う。
1970年代半ばの発売で、フロントにV型8気筒エンジンを搭載し、3速ATが組まれていたという共通点を持つ。セルフレベリング機能付きのサスペンションも、備わっていた。典型的なブランド支持者から、批判的に評価されたという過去でも一致する。
しかし今回は、冷ややかにご紹介するつもりはない。世間の認識や流行は、日々変化している。以前から好意的に受け止めてきた、筆者の考えへ共感してくださる人も増えてきたようだ。
1970年代の英国車として、偏見を持たずにご覧いただきたい。近年の、存在感を誇示するようなスタイリングにあって、3台は従来以上に輝きを増しているように思う。
ピニンファリーナがスタイリング
ロールス・ロイスのカマルグは、同時期のシルバーシャドーとは相容れない。ラインナップの頂点に君臨する2ドアクーペを作りたいと願った、同社の取締役で後に会長へ就任する、デイビット・プラストフ氏の願いを叶えるため1969年に誕生した。
恐らく、歴代のロールス・ロイスでも特に物議を醸したモデルの1つだろう。着想の原点となったのは、1968年のピニンファリーナ・ベントレー T1クーペ・スペチアーレ。それと同じく、トリノのカロッツエリアにスタイリングが依頼された。
シャシーのベースはシルバーシャドーで、フロアパンは20インチ(508mm)短縮。DY20のコードネームが振られ、1973年の生産開始が目指された。
ところが、1971年にロールス・ロイスは経営破綻に陥り、計画は一時中断される。再生をかけて自動車部門は航空機部門から独立し、ロールス・ロイス・モーターズ社へ再編。新体制下でのカマルグの評価は高く、開発の継続が決まった。
1975年に、グレートブリテン島の中西部、クルーの工場で生産はスタート。ボディは、1978年にパーク・シート・メタル社へ移管されるまで、ロンドンのコーチビルダー、HJマリナー・パークウォード社が成形した。
高級クーペとして、カマルグにはオートエアコンを搭載。小型車1台を購入できるほど、高額な装備だったという。特装部門によるオプションも、ふんだんに用意された。その頃、最も高価な量産車だと呼ばれたことにも、納得できる事実だ。
風格が漂うサイドビュー 後ろ姿にも威厳
1977年には、ステアリングラックがラック&ピニオン式へアップデート。1978年にはリア・サスペンションが改良されるなど、機械的な更新が頻繁に施され、1986年までに合計529台がラインオフ。1985年には、ベントレー仕様も提供されている。
モデル末期には、北米仕様としてカマルグ・リミテッドという限定モデルを発表。だが、上品さに欠けるという評判を集め、その後のイメージにも強く影響を及ぼした。
今回ご登場願った、1982年式カマルグのオーナーは、マーク・グリフィス氏。ダークブルーのボディを鑑賞していると、やはり不当に低く評価されてきたように思える。氷河が徐々に溶けていくように、魅力が表面化してきたのではないだろうか。
確かに、流麗なスタイリングではない。フロントグリルは垂直にそびえ、ボンネットは広大。フロントガラスは、ロールス・ロイスらしく起き気味。リアタイヤが奥まり、リアのオーバーハングは実際以上に長く見える。
それでもサイドビューには風格が漂う。スクエアな後ろ姿も、威厳を感じさせる。寝かされたリアピラーや、リアデッキの処理などは1960年代のピニンファリーナらしい。滑らかな6.75L V8エンジンの豊かなパワーが、控えめに表現されているようだ。
小さなテールランプのデザインには無駄がなく、薄くワイドなフロント・ウインカーはボディサイドへ回り込む。ダークブルーの塗装は、見入ってしまうほど深遠。醜いクーペだと決めつけることは、事実に反するだろう。
印象的なまでに尖っていたラゴンダ
対して、ロンドンから北西へ登った、ニューポート・パグネルで生み出された4ドアサルーンは、印象的なまでに尖っていた。デビッド・ウィロビー氏が所有する1989年式アストン マーティン・ラゴンダは、生産終了直前にラインオフしたシリーズ4だ。
カーデザイナーのウィリアム・タウンズ氏が描き出したボディは、ドラマチックに角ばっている。これまで量産されたクルマの中でも、特に記憶に残る見た目ではないだろうか。フラットな面がシャープに折れ、日本の折り紙細工のようでもある。
当時のアストン マーティンがターゲットにしたのは、中東地域の富裕層。DBSをロングホイールベース化し、4ドアサルーンへ仕立てた1974年のラゴンダ・シリーズ1をベースとする。だがシリーズ2以降は、同社の新体制を表すように大幅に印象を改めた。
LEDを多用したメーターパネルや、タッチセンサー式のスイッチ類、オートロック機能など、先進的な電子装備を採用していたが、まだ課題も多かった。ラゴンダ・シリーズ2の発表は1976年ながら、本格的な量産が1978年に遅れる要因となった。
1984年には、デジタル・メーターなどへ改良を受け、音声合成で話すコンピューターを搭載。1985年にはシリーズ3へアップグレードされ、5.3L V8エンジンはウェーバー・キャブレターからマレリ社製の燃料噴射へ改良された。
この続きは、アストン マーティン・ラゴンダ ブリストル412 ロールス・ロイス・カマルグ(2)にて。
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