マツダがこのほど欧州で発表した新生ロータリー。ロケットのようとしばしば形容されるロータリーエンジンのフィーリングはレシプロとどのような違いがあるのか、またロータリーでもターボとNAではどんな差異があるのか、元オーナーのBC編集部員が語る。
文/ベストカー編集部・飯干俊作、写真/マツダ、ベストカー編集部
やっぱり「マツダロータリー」は最高! 元FC型RX-7&RX-8オーナーのBC編集部員が熱く語るREの「極上フィーリング」
■時代に合わせて復活させてきたのは「おみごと!」というしかない
MX-30 e-SKYACTIV R-EV。バッテリーEVとしての使い方を拡張したシリーズ式プラグインハイブリッドモデルでロータリーエンジンを発電機として使用する
マツダのロータリーエンジン(RE)が復活したと話題になっている。発電専用とはいえ、環境性能に劣ることが理由で消滅したREが、逆にエコなエンジンとして復活するのは感慨深い。
「発電専用とはいえ」という枕詞が付いてきがちな新REだが、私の個人的感想は「時代にマッチさせていて、おみごと!」というものだ。昔ながらの、燃費の悪いREをヤケクソで復活させるより何倍も素晴らしい。
あの独特の回転フィールを感じられるなら、駆動パワーは電気でも空気でも念力でもなんでもいいと思っている。
■ターボとNA、ふたつのロータリースポーツを所有
ベストカー編集部員の飯干は2003年にRX-8がデビューした直後に新車で購入。以来、8年間マイカーとして乗り続けた(本人提供写真)
さて、わたくしベストカー編集部の飯干は、過去にFC3S型サバンナRX-7とRX-8という2台のREスポーツを愛車にしていたことがある。
RX-7は2シーター限定車の「アンフィニ」初期型。BC編集部の先輩が新車で購入して乗っていたのを譲ってもらったもの。RX-8は2003年に登場してすぐに新車で購入し、8年間乗り続けた。
1990年に登場した限定車のRX-7アンフィニ。2シーター仕様に変更されており、排気システムを効率化させたことでノーマルの205psから215psにパワーアップされた
ご存じのとおり、RX-7はターボ、RX-8はNA(自然吸気)で、2通りの13B型REを味わい尽くしたことになるが、振り返ってみれば、ターボとNAの違いはあってもRE全体のフィールは同じだったと思う。
ターボのほうがパワー感もトルク感も大きく、NAはそれほどのパワー感はないという違いはもちろんある。だが、クルマに関心のある人なら誰でも「これはREですね」とわかる独特のフィールは同じなのだ。
■REは「回転運動を回転運動につなげる」のがレシプロとの違い
RX-8は初期型が250ps/22.0kgmだったのに対して、後期型では逆にパワーダウンして最終モデルでは235ps/22.0kgmに
かつてREの開発エンジニアの取材をした時に「レシプロエンジンは上下運動(ピストンの動き)を回転運動(プロペラシャフトの動き)に変えますが、REは回転運動を回転運動につなげるんです」と言われて、妙に納得した覚えがある。だから雑味がなく澄んだ感触になるんだなぁと。
私が所有していたRX-7アンフィニI型は185ps/25.0kgmで、最終のIV型では215ps/28.0kgmまでパワーアップした。RX-8は逆に250ps/22.0kgmからスタートし、最終モデルでは235ps/22.0kgmにパワーダウンするという珍しい経緯を辿っている。
確かに、RX-8に乗っていた時は到底250psもあるようには思えなかったが、そもそもREはパワーではなくフィーリングを味わうものだと思っているので、普通のクルマより少し速ければOK。その条件は満たしていた。
■ハタと考えてみた「REならではの魅力」とは?
RX-7後期型モデルのリアビュー。初期型は185ps/25.0kgmだったのに対し、1989年4月のマイチェンでタービンが改良を受けて205ps/27.5kgmに
REの魅力はなんだろう? と改めて考えてみると、私の場合、実はエンジンそのものより小型、軽量のREだからこそ可能になるパッケージに惹きつけられていたのだと思う。
REのスムーズな回転フィールと甲高い音も気持ちいいのは確かだが、もうちょっとトルクがあって、音もズ太さが加味されたものが好み。だから私にとっての生涯最高のエンジンは初代NSXのV6DOHCのVTECで、REではなかったりする。
でも、REスポーツが購入できる価格で存在すれば迷わず買ってしまう。RX-7はスタイルで、RX-8はスポーツカーなのに4ドア4シーターだったことが決め手になった。どちらもFRだったから、という理由ももちろん大きい。
しかし、だからと言って、両車がREではなく普通のエンジンだったとしても買っていたかというと、それは怪しい。いや、買っちゃったかもしれないが、競合他車との比較検討をグズグズやって、迷いに迷ったはず。この2台のように「指名買い」はできなかっただろう。それは間違いない。
■超スムーズな回転フィール、このオンリーワンこそREの醍醐味
RX-8が搭載していたNAのロータリーエンジン、RENESIS
つまり、REは「特別」なのだ。なんたって回転運動を回転運動に繋げちゃうエンジンはREだけ。超絶スムーズな回転フィールは逆にいえば味が薄いとも言えるし、低速トルクは物足りないし、燃費のことは家族には内緒にしておかないといけないし……と、いろいろと難儀な面もあるのだが、オンリーワンというのは、そんなマイナス要素を場外に放り投げる圧倒的な説得力がある。「普通のエンジン、リングアウト負け」なのである。
RX-7もRX-8も、改良されるたびにどんどんよくなっていくクルマだった。特にRX-8の最終型なんて初期型とは別モノ。走りはもちろん、見た目もどんどんカッコよくなったものだから、RX-8からRX-8への買い換えも当時は真剣に考えていた。
2011年11月に2000台限定で発売された最終型の特別仕様車、RX-8スピリットR。ノーマルに対し、内外装の専用装備が与えられているのが差異となる
きっと、生まれたばかりの新しいREも今後、大きく成長していくのだろう。PHEVのREスポーツができる可能性だってある。もしそんなクルマが本当に登場すれば、また「指名買い」しちゃうような気がする。
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みんなのコメント
もう一度運転したいと思わせるのはマツダのロータリーです。
自分にはロータリーしか満足できるものはないと思い直した瞬間だった。
今でもSA22Cに乗っています。