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ゴツめのレトロデザインが秀逸! 今も世界中のファンを魅了しているクラシックSUV3選

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ゴツめのレトロデザインが秀逸! 今も世界中のファンを魅了しているクラシックSUV3選

■今もファンを魅了しているクラシックSUVを振り返る

 ここ数年で急激に人気が高まり、今では世界的なブームとなっているSUVですが、なかでもオンロード走行を重視した「クロスオーバー」が主流となっています。

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 SUVの起源は1970年代のアメリカの若者が、4WDピックアップトラックの荷台にキャノピーを載せ、ステーションワゴンのような使い方をしたことからといわれています。

 また、現在販売されているSUVの初期の姿は、本格的なクロスカントリー4WD車をモチーフにデザインされていました。

 なかでもステーションワゴンタイプでヘビーデューティすぎないクロカン車こそ、現在のSUVに直結しているモデルではないでしょうか。

 そこで、今もファンが数多く存在するほど高い人気を誇っているクラシックSUVを、3車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「ランドクルーザー 55型」

 2021年8月に発売されたトヨタ新型「ランドクルーザー 300」は、すでに納期が4年程度とアナウンスされているほどの人気ぶりです。

 このランドクルーザーシリーズの歴代車は「ヘビーデューティ」「ライトデューティ」「ステーションワゴン」の3タイプに大きく分かれています。

 現行モデルではヘビーデューティが海外専用モデルの「ランドクルーザー 70」、ライトデューティが「ランドクルーザープラド」、そしてステーションワゴンがランドクルーザー 300が該当します。

 なかでもステーションワゴンモデルの元祖といえるモデルが、1967年に発売された「ランドクルーザー 55型」です。

 ランドクルーザー 55型は4ドアバンのランドクルーザー(FJ45V型)の後継車として誕生し、型式は「FJ55型」が与えられました。

 ボディサイズは全長4675mm×全幅1735mm×全高1865mm、ホイールベースは2700mmと、当時としてはかなり大型で、外観も40系に比べてモダンかつスマートなデザインのステーションワゴンタイプです。

 国内では1ナンバーの500kg積み(3名乗車時)商用バンにカテゴライズされましたが、海外では乗用ワゴンとして販売されました。

 エンジンは最高出力125馬力(グロス)を発揮する3.9リッター直列6気筒OHVガソリンのみで(後に130馬力に向上)、トランスミッションは3速MTとオプションで4速MTを設定し、駆動方式はパートタイム式4WDを採用。4WD時には高速・低速が選択できる副変速機付きと、クロカン車ではスタンダードな4WDシステムでした。

 なお、1975年のマイナーチェンジでは排出ガス規制の強化に対応するため、最高出力135馬力の4.2リッターガソリンに換装(FJ56V型)され、モデルライフを通じてディーゼルエンジンを搭載せず、ランドクルーザーシリーズでは異例のモデルだったといえます。

 内装は6人乗りの前後ベンチシートで、ダッシュボードは鉄板むき出しの40系に対し厚いパッドで覆われるなど、より乗用車に近いイメージで仕立てられていました。

 リアハッチはパワーウインドウ式リアガラスを備えた手前に倒して開くタイプと、左右方向に開く「観音開き」の2種類が設定され、荷台はリアシートを倒すとフルフラットになるなど、使い勝手と積載性が重視された設計となっていました。

 ランドクルーザー 55型は1980年まで生産され、さらに洗練されたデザインでプレミアムなモデルへと進化した「ランドクルーザー 60系」にバトンタッチされました。

 なお、55型は40系と並び、今もアメリカで高い人気を誇っています。

●ランドローバー初代「レンジローバー」

 イギリスのランドローバーといえば、プレミアムSUVに特化したメーカーとして知られています。そして、フラッグシップである「レンジローバー」の最新モデルが2022年1月17日に発表、同日から受注が開始され大いに話題となりました。

 その元祖となるモデルが、1970年に誕生した初代レンジローバーです。

 ラダーフレームにスクエアなフォルムのステーションワゴンタイプボディを架装し、外観はあまり押し出し感を強調していないシンプルなデザインです。

 ボディラインナップは当初3ドアのみでしたが後に5ドアが設定され、簡素だった内装も年を追うごとに充実し、コノリー社製レザーシートや本木目のパネルが採用されるなど、英国調高級車の作法に則っていました。

 エンジンは当初3.5リッターV型8気筒ガソリンを搭載し、最終的には排気量を4.2リッターまで拡大。後にディーゼルエンジンも追加されました。

 駆動方式は当時としては珍しいフルタイム4WDを採用しており、高い悪路走破性能と同時に高級セダン並の快適性を両立するというコンセプトでした。

 1980年代の後半になると、レンジローバーは高級4WD車として日本でも知られるようになり、バブル景気の頃は800万円以上と高額な価格ながら高い人気を誇りました。

 その後、1994年に2代目が登場しましたが、1996年まで初代も併売されました。現行モデルのレンジローバーは5代目にあたり、今も世界中のセレブを魅了しています。

●ジープ「ワゴニア」

 前出のランドローバーと同様に、SUVに特化したブランドとしてアメリカのジープがあります。

 ジープを代表するモデルは軍用車を前身とする本格的なクロカン車、「ラングラー」ですが、古くからラグジュアリーなモデルである「ワゴニア」がラインナップされていました。

 初代ワゴニアは1963年にカイザー・ジープ社から発売。以降、ジープの製造権がAMC(アメリカン・モーターズ・コーポレーション)、クライスラーと変わっても、初代ワゴニアと上位モデルの「グランドワゴニア」は、1991年まで生産が続きました。

 車体はピックアップトラックのシャシをベースに、洗練されたステーションワゴンタイプのボディを架装する構造で、外観は荘厳な印象ですがボディサイドの木目調デコレーションがワゴニアのアイコン的存在で、木製の幌馬車をイメージさせました。

 また、内装はシンプルで実用的ながら洗練されたデザインとなっているなど、現在もアメリカで人気を集めているフルサイズSUVの先駆け的存在だったといえるでしょう。

 その後ワゴニアシリーズ一旦は消滅しましたが、グランドワゴニアの名前が1993年モデルとして1年だけ復活。当時の「グランドチェロキー」の最上級グレードであり、ボディサイドには伝統の木目調のデコレーションが施されました。

 そして、2020年9月3日に新型ワゴニアが発表され、2021年3月に復活を果たしました。

 なお、クラシカルなデザインの初代ワゴニアは今もアメリカ本国だけでなく、日本でも数多くのファンが存在します。

※ ※ ※

 今回、紹介した3台は、クラシックSUVのなかでも比較的維持が楽なモデルです。

 まず、シンプルで頑丈なメカニズムなので、修理は比較的容易といえるでしょう。

 さらに欧州やアメリカには専門に扱うショップもあり、パーツの供給も豊富で、ランドローバーはメーカー主体でレストアサービスをおこなっているなど、古いクルマを長く使う文化の賜物といえますが、当然ながらお金はかなり掛かります。

 それでも旧車の魅力が再認識されている昨今、人気はますます上昇している状況です。

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