■初代テラノのモチーフを随所に散りばめた「次期型テラノ!?」
SUVの高い人気を受けて、かつて発売されていたモデルが復活したらいいな、という話題も増えてきました。それを受け、多くのユーチューバーやデザイナーが「復活したらこんな姿ではないか」という予想レンダリング(CG)を公開しています。
【画像】超カッコイイ! 日産「新型テラノCG」を画像で見る(66枚)
デザイナーのEnoch Gonzales氏もそのひとり。彼は、日産がかつて販売していた「テラノ」を現在に蘇らせたCGを作製しました。
1970年代までの四輪駆動車といえば、三菱「ジープ」やトヨタ「ランドクルーザー40系」のように、無骨な内外装で快適性より悪路走破性を重視したモデルが主体でした。
しかし1980年代に入ると、乗用車のような快適装備を与えた三菱「パジェロ」やトヨタ「ハイラックスサーフ」が相次いで登場しました。それを受けて日産は、初代テラノ(海外名パスファインダー)を1986年に発表しました。
テラノ(WD21型)のベースはピックアップトラックの9代目「ダットサントラック(D21型)」でしたが、フロントドアから後ろに追加されたキャビンには斬新かつシンプルなデザインが与えられ、都市部にも映える四輪駆動車として人気を博しました。
現在でも、そのデザイン性の高さが評価され、中古車市場でも価格が上昇を続けています。
1995年にはフルモデルチェンジして2代目(R50型)に。初代のイメージを残しつつソフトな印象のボディに発展しました。この代では、日産の北米向け高級ブランド・インフィニティでも「QX4」を設定し、日本では「テラノレグラス」と称して提供されました。
しかし2004年にデビューした3代目(R51型)から、日本での販売が終わって海外市場のみに。この際、パスファインダーは一気に大型化したこともあって、本来のパスファインダーのポジションには、10代目ダットサントラック(D22型)をベースに開発された「フロンティア(WD22型)」が新たに投入されています。
その後パスファインダーは2012年に4代目(R52型)を迎えましたが、FF車がベースとなり外観も流麗なスタイルに。2022年からは再びボクシーな形状の5代目(R53型)にスイッチしました。5代目では各部に初代をオマージュしたデザインが施され、スクエアな見た目も、どことなく初代を彷彿とさせます。
Enoch Gonzales氏がレンダリングしたモデルでは、5代目パスファインダー(テラノ)よりもさらに四角く、シンプルなディティールが印象的です。シャーシも初代などと同じラダーフレーム構造を想定しており、まさに初代「テラノ(パスファインダー)」の復活にふさわしい姿をしています。
注目ポイントは数多く、まずフロントグリル上に並ぶ3本の開口部が目を引きます。これはむろん、初代のそれがモチーフでしょう。6つに分割されたグリル、高い位置に配されたリアドアのドアノブも、初代を踏襲。
前後フェンダーも、ブリスター形状が特徴だった初代のフェンダーの雰囲気を上手に翻訳し直しています。また、ルーフに「エクステラ」の要素であるキックアップルーフが採り入れられているため、初代とは異なる新鮮な雰囲気も併せ持っています。
高い最低地上高も、テラノ(パスファインダー)の伝統である高い悪路走破性や、本格派の四輪駆動車らしさを醸し出しています。
もしこの姿で近いうちに登場したら……と考えると、5代目パスファインダー(テラノ)はデビューして間も無いため、北米では2015年に販売が終わった2代目エクステラ(N50型)の代替になるのかもしれない……そうか、だからEnoch Gonzales氏は、このレンダリングを次期型エクステラ/テラノ/パスファインダーとしたのだ! などのさまざまな妄想が捗るほどに、高い完成度を持っています。
※ ※ ※
これほどまでにSUV人気が高い中でも、日本で未発売のモデルは数多くあります。5代目パスファインダー(テラノ)もそれに当たります。しかし、全長5mを超え、全幅が1.96mもある大きな車体では、日本で売りにくいことも確かでしょう。
そうなると、初代のサイズ感は難しいとしても、日本でも持て余さない大きさで、洗練と無骨さを高い次元でミックスした初代テラノのようなSUVが登場すれば、俄然注目を集めるのではないでしょうか。
2024年4月現在、日産が販売するSUVは「アリア」「エクストレイル」「キックス」の3種類しかなく、トヨタの11車種やマツダの5車種よりかなり少ない印象を受けます。
今後、日産がSUVのバリエーションを拡大する際は、ぜひEnoch Gonzales氏が描いたような、スクエアなデザインのSUVが出現することを期待したいと思います。
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