アメリカの初年度登録から25年以上経過したクルマであれば、右ハンドル車の輸入・走行を認めるクラシックカー登録制度……いわゆる「25年ルール」。そこで、2023年で登場から25年を迎える「流出危惧車」と、その値上がり危険度をご紹介する。
※本稿は2023年4月のものです
文/萩原文博、写真/トヨタ、日産、ホンダ、三菱自動車、SUBARU、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2023年5月10日号
R34スカイラインもついに……北米25年ルール適用で値上がり確実の98年生まれ国産名車6選
■今年北米25年ルール適用となる日本の名車は!?
25年ルール解禁後の高騰後の最たる例がR32型スカイラインGT-R。解禁前までは100万円台で買える個体もあったが、今や最安で400万円台という状況に
R32GT-Rやスープラ(A80)などの、いわゆるネオクラシック車の中古車価格高騰の原因となっている米国の「25年ルール」。
今回は、今年ルール適用となる1998年初度登録の要注意車をピックアップ! その値上がり危険度とともに紹介していく!
■日産 スカイライン(R34)
クーペのほうが価格が高く、セダンは約78万~約577万円
2023年にアメリカの25年ルールが適用されるモデルとしてまず紹介するのは、日産R34スカイラインだ。
R33型GT-Rに匹敵する動的剛性感を実現したボディを採用したR34スカイラインクーペ/セダンは、R33よりホイールベースを55mm短縮。2ドアクーペは全長を60mm短くして、走行性能を向上。
搭載するエンジンはNEOストレート6と呼ばれる直6エンジンで、最強の2.5L直6ターボは最高出力280psを発生する。
●値上がりの危険度は?
現在の中古車相場を見ると、最高値はクーペが698万円、セダンが577万円と高額になっているが、今後は価格の安いクルマが市場からどんどん姿を消していくため、値上がりは必至。ゆえに値上がり危険度は激高となる!!
・中古車価格帯:約240万~698万円(クーペ)
・値上がり危険度:激高
■スズキ 3代目ジムニー
米国では軽トラも人気だ。タフなオフローダーとしてジムニーもすでに注目されている
25年前の1998年は、軽自動車の規格変更が行われた年で、多くの軽乗用車が新規格となって登場した。旧型のジムニーも1998年に登場。
ジムニー伝統のラダーフレームを踏襲しているものの、新設計の衝撃吸収構造となったフレームやサスペンションを改良し、オンロードの操縦安定性とオフロードの走破性を向上させている。エンジンは直3ターボの1種類でミッションは5速MTと4速ATが組み合わされる。
●値上がりの危険度は?
ジムニーは国産車のなかでも値落ちしにくい車種の一台だが、中古車の最高値は238万円と新車時価格と変わらない。軽トラックや軽バンが人気上昇中なので、本格オフローダーのジムニーの値上がりは必至だ。
・中古車価格帯:約10万~238万円
・値上がり危険度:激高
■三菱 ランサーエボリューションV
現状国内にも中古車の在庫が少ない。競争率は高いが、価格が暴騰するという可能性は高くない
WRC参戦を目的として開発されたランサーエボリューション。1992年のエボI登場から年々進化、1998年1月にエボV(5)が登場した。
エボVの注目ポイントは、搭載している2L直4ターボエンジンだ。ピストンの軽量化や大容量インタークーラーの採用など冷却性能の向上によって最大トルクは38.0kgmにアップ。
そして、サスペションの変更によりワイドトレッド化を実現し、3ナンバーボディとなった。さらにブレンボ製ブレーキシステムを搭載し、全方位で戦闘力をパワーアップしている。
●値上がりの危険度は?
ランエボVの中古車は、わずか3台しか市場に流通しておらず、価格帯も398万~670万円と新車時価格を大きく上回っている。すでに値上がりしている状態なので、25年ルールが適用後さらに上がるのかというと、現状維持か多少値上がりになると予想する。
・中古車価格帯:398万~670万円
・値上がり危険度:中
■スバル インプレッサWRX STI
北米で人気の高いスバル車であり、パーツも豊富に流通しているため、求める人は多そうだ
ランエボとともに1990年代のWRCを盛り上げたのが、スバルインプレッサWRX。1998年9月には、1995~1997年と3年連続WRCのマニュファクチャラーズタイトル獲得を記念したWRX STi バージョン V(5)を設定した。
●値上がりの危険度は?
現状は同じ世代のランエボVと比べるとインプレッサWRX STiのほうが中古車価格に割安感がある。しかし、25年ルールが適用されると、値上がりする可能性は大なので、危険度も高とした。
・中古車価格帯:148万~469万円
・値上がり危険度:高
■トヨタ アルテッツァ
若者にも手が届く中古スポーツカーとして、ジワリと人気のアルテッツァは大丈夫そうだ
FRレイアウトを採用したスポーティセダンとして登場したトヨタアルテッツァはAE86の再来と言われて話題となったモデルだ。
●値上がりの危険度は?
ロングホイールベース+ショートオーバーハングのボディに2L直4もしくは2L直6NAエンジンを搭載する。人気モデルだったので、現在でも中古車は100台以上流通している。海外でレクサスISとして販売されていたので、25年ルールが適用されても値上がりの可能性は低い。
・中古車価格帯:約20万~258万円
・値上がり危険度:低
■ホンダ インテグラタイプR(初代・98Spec)
程度のいい個体は、見つけたら悩まないほうが吉。とはいえ、これ以上の価格高騰の可能性は低そうだ
一般的には年式の新しいモデルのほうが中古車相場は高くなるのだが、そんな常識が当てはまらないのが、初代インテグラタイプR。2001年に登場した2代目より1995年登場の初代モデルのほうが中古車相場は高くなっている。
初代インテグラは、NSXタイプRに続くタイプRとして登場。1.8L直4VTECエンジンは最高出力200psを発生し、リッター当たり111psという高パフォーマンスを発揮した。
25年ルールが新たに適用される98スペックは1998年1月に登場。新エンジン「B18C 98spec・R」は、吸排気系をチューン。さらにファイナルギアレシオの見直しやディスクブレーキを前後サイズアップするなどさらに戦闘力に磨きを掛けたモデルだ。
●値上がりの危険度は?
98スペックの中古車は約34台流通しているが、最高値は新車時価格をすでに超えている。最高値はさらに上がるとは思えないが、安い中古車が減り平均価格は上昇すると予想。
・中古車価格帯:208万~478万円
・値上がり危険度:中
■2024年に25年ルール解禁になるクルマたち
2023年もすでに4月を迎え、あっという間に2024年がやってくることになる。そうなると1999年初度登録のモデルが対象となるわけだが、その顔ぶれには人気車がズラリと並ぶ!
2024年に25年ルール適用となる注目車5台の動向も予想していく!!
■ホンダ S2000
国内では希少な中古FRスポーツカーとあって、すでに価格が高騰中。程度のいい個体は流出する危険性が高い
ホンダが久しぶりに販売したFR車のS2000は生産終了から約14年が経過しているが、約330台の中古車が流通し、価格帯は138万~約1100万円で一時より落ち着いた動きになっている。25年ルールが適用されると低価格車が売れて、再び値上がり傾向になるだろう。
■トヨタ MR-S
過去に米国でもMR2スパイダーとして販売されていたので、日本の中古車まで手を伸ばす可能性は低いか?
ミドシップスポーツカーのトヨタMR-Sも2024年には25年ルール解禁だ。生産終了から約16年が経過しているが、中古車は約210台流通し、中古車の価格帯は約40万~363万円となっている。まだ低価格車が多い状況なので、25年ルール解禁による大幅な値上がりに注意だ。
■日産 スカイラインGT-R(BNR34)
過去、低走行のR34GT-Rに8800万円という販売価格がついたことはあるが、そこまでの高騰はないだろう
1990年代国産スポーツカーの値上がり車種のシンボルとなっているのが、R34スカイラインGT-R。現在、約40台の中古車が流通していて、価格帯は約1100万~約4540万円。すでにプレミアム価格となっているので、25年ルールで解禁されてもこれ以上の値上がりはないだろう。
■日産 シルビア(S15)
海外でもドリフトの人気が高いため、ターボモデルであるスペックRは価格高騰の危険性大だ
コンパクトなFR車としてアジアでも人気が高いS15シルビア。生産終了から約21年が経過しているが、中古車は約330台流通し、価格帯は約110万~約1080万円とすでに値上がり傾向は始まっていて、ルール適用後はさらに拍車がかかること間違いなし!
■三菱 ランサーエボリューションVI
過激なチューニングに耐えるベース車として人気のランエボ。値上がりは避けられないか
三菱のWRC黄金期のフィナーレを飾ったのがエボVI(6)。2000年に登場したトミ・マキネンエディションを含めて、中古車は16台流通していて、価格帯は約250万~約950万円。エボVIよりトミ・マキネンエディションが値上がりすることは確実だ。
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