■ランドクルーザー250、中国で新型「プラド」として発表
2023年11月17日に開幕した広州モーターショー2023にて、トヨタは「ランドクルーザー250」の中国仕様車を発表しました。
いったいどのようなクルマなのでしょうか。
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ランドクルーザーはトヨタが世界に誇る本格オフロード車種です。
初代モデルは1951年に警察予備隊(現在の陸上自衛隊)への納入を目指して開発され、結局は三菱ジープに敗れたものの、民間向けのみならず警察車両や消防車などとして1953年より本格的な生産が始まりました。
その72年間の歴史の中でランドクルーザーは世界中の過酷な環境でその強靭さと信頼性が証明され続けており、現在は2021年に販売開始された「ランドクルーザー300」が最新モデルとなります。
また、より乗用領域に舵を切ったライトデューティーモデル「ランドクルーザーワゴン」を1984年に販売、1990年には「ランドクルーザープラド」と改称し、「本家」ランドクルーザーとともに大きな人気を誇る存在となりました。
今まで「プラド」はベースとなるランドクルーザーのフルモデルチェンジと同等のタイミングで1996年、2002年、2009年に次の世代へとバトンを渡してきました。
そして2023年、ランドクルーザー300がベースの新たなモデル「ランドクルーザー250」が「プラド」の実質的な後継モデルとして登場。
その一方でランドクルーザーの世界的な人気は中国でも同様です。
広大な砂漠を有する中国大陸ではオフロード車も人気車種のひとつで、その中でもランドクルーザーは多くの人に支持されているモデルです。
また、中国向けのランドクルーザーは他の仕向地とは異なり、第一汽車との合弁会社「一汽トヨタ」が中国国内で生産しています。そのため、他の外国メーカーが展開するオフロード車と比較しても非常に安価なのが特徴的です。
ですが、中国では2016年に先代ランドクルーザー(J200)が、2019年にランドクルーザープラド(J250)が生産・販売を終えており、後継モデルの中国国内販売が長らく期待されていました。
2022年にはランドクルーザー300のテスト車両と見られる個体が一汽トヨタの工場がある四川省で走行していると大きな話題に。
さらには、並行輸入販売業者がトヨタに先駆けてランドクルーザー300を中国で販売したりと、伝説の復活が待ち望まれていました。
そんな中、トヨタは2023年11月の広州モーターショー2023でランドクルーザー250の中国仕様車を発表しました。
中国での車名はこれまでと同様に「プラド」となりますが、ロゴ自体はランドクルーザーの名前を冠しており、しっかりとランドクルーザーの派生車種であることが認識できます。
中国向け「プラド」は2019年の生産終了以来5年ぶりの復活となり、ブースに展示された実車は多くの来場者からの注目を浴びました。
また、トヨタはランドクルーザー250を中国で販売するだけでなく、中国現地での生産もおこないます。
生産も以前と同じく一汽トヨタが担当し、その販売網で販売されます。
中国向けランドクルーザー250は基本的に他の仕向地と同様のエクステリアとなりますが、パワートレインは北米仕様と同じく「T24A-FTS型2.4リッター直列4気筒ターボハイブリッド+Direct Shift-8AT」を搭載。
この点は「2TR-FE型2.8リッター直列4気筒エンジン+6 Super-ECT」と「1GD-FTV型2.8リッター直列4気筒ディーゼルターボ+Direct Shift-8AT」のを用意する日本市場と異なる点です。
これ以外に、12.3インチセンターディスプレイに携帯電話用無線充電、2400Wの対外電源供給を可能とするACインバーター、JBL製サウンドシステム(14スピーカー)、8-wayパワーシート(ヒーター/ベンチレーター付き)、ハンドルヒーターなどを主要装備としてアピールしています。
中国では2024年の春節(2月10日)以降に予約を受け付けるとしていますが、価格や納車時期などの詳細は明かされませんでした。
一方、発表に先駆けて10月に情報を先出しした一汽トヨタのあるディーラーによると、予約価格は36.28万元(邦貨換算:約742.5万円)からとなり、納車は2024年末から2025年初頭の間より開始するとのこと。
この安さは輸入ではなく現地生産をおこなうからこそ実現できたと言えます。
待ち侘びたランドクルーザーが約5年ぶりに中国で復活するということもあり、期待の声は多方面から聞こえます。
オフロード車ブーム真っ只中の中国市場では中国メーカーがこぞって新たなオフロード車種を販売しています。
長年積み上げてきた歴史と実績を誇るランドクルーザーがそれら車種と比較してどのように受け入れられるかに注目が集まります。
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