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1134万円でもお買い得!! 本場本物の「GT」の真価は?? マセラティレヴァンテGT試乗

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1134万円でもお買い得!! 本場本物の「GT」の真価は?? マセラティレヴァンテGT試乗

 1914年に創業し、100年以上の歴史があるイタリアの高級車ブランド、マセラティ。このマセラティが初のSUVであるレヴァンテを日本市場に導入したのが2016年のこと。

 当初は3L V型6気筒ツインターボエンジンのみだったが、その後3L V型6気筒ディーゼルターボ。そしてGTSとトロフィオには待望の3.8L V型8気筒ツインターボエンジンを搭載した。

1134万円でもお買い得!! 本場本物の「GT」の真価は?? マセラティレヴァンテGT試乗

 最新のレヴァンテのモデルラインアップは、3L V6エンジンを搭載するモデナとモデナS。3.8L V8エンジンを搭載するトロフェオに加えて、2L直列4気筒ガソリンエンジンのマイルドハイブリッドシステムを搭載したGTの合計4グレードを用意。

 今回は最新モデルであるレヴァンテGTに試乗することができたので、インプレッションを紹介する。

文、写真/萩原文博

5人乗れて利便性の高いスポーツカー

レヴァンテGTの走行シーン

 これまで、3LV6ツインターボ、3L V6ディーゼル、3.8LV8ツインターボを搭載したトロフェオ3種類のレヴァンテを試乗する機会があった。

 その中で、最も感動したのはやはり、トロフェオだ。最高出力580ps、最大トルク730Nmを発生する3.8L V型8気筒ツインターボが生み出す走りは、まさに圧巻。約2.3トンもあるレヴァンテを瞬間移動か!と感じるような圧倒的な加速性能を発揮する。

 そんな圧倒的なパフォーマンスを発揮するトロフェオをはじめ、レヴァンテすべてに共通するのはスポーツカーに匹敵する走行性能だ。レヴァンテはSUVというカテゴリーに属するが、走行性能はスポーツカーそのもの。

 これはランボルギーニウルスにも通じることで、後席にも人を乗れて、荷物も積める高い利便性を実現したスポーツカーという彼らの答えなのだ。

 そして、2021年12月にマセラティのSUV、レヴァンテにニューモデルであるGTが追加された。車両本体価格は1,134万円。モデナの1,314万~トロフェオの2,128万円というこれまでのレヴァンテの価格レンジからするとエントリーモデルとなるが、その名前はGTとなっている。マセラティのハイブリッドモデルはギブリに次いでこのレヴァンテGTは2車種目となる。

 レヴァンテGTは2021年4月に開催された上海モーターショーでローンチされた。全長5,020mm×全高1,985mm×全高1,680mmのボディに最高出力330ps、最大トルク450Nmを発生する2L直列4気筒ガソリンターボエンジンに48Vのマイルドハイブリッドシステムを組み合わせている。

 組み合わされるトランスミッションはZF製の8速ATで、最高速度245km/h、0-100km/h加速6.0秒というほかのSUVとは一線を画したパフォーマンスを発揮する。駆動方式は4WDで、セルフロッキング機械式LSDを採用する。

 レヴァンテGTは他のモデルとの差別化として、ハイブリッドモデルを象徴するブルーのアクセントを3連のサイドエアダクト、ブレーキキャリパー、Cピラーのロゴに採用。さらにインテリアでは、同じブルーの色調がシート刺繍に選ぶことができる。

 ギブリのハイブリッドモデルはギブリハイブリッドと呼ぶのに、このレヴァンテのハイブリッドモデルはGTと呼ぶのかはその理由は試乗してわかった。

アドレナリンが出過ぎずクールに乗れるのがレヴァンテGTの魅力

レヴァンテGTのリアスタイル

 レヴェンテGTに搭載する2L直列4気筒ガソリンターボ+マイルドハイブリッドシステムは、モデナに搭載しているV6エンジンに比べると車両重量が軽量になる。その上バッテリーをリアに配置したことにより、車両前後の重量バランスを最適化している。その結果よりスポーティで歓びにあふれたドライブを実現できるという。

 実際、試乗した後にスペック表を見て、2L直4ターボ!と驚いたが、運転しているときは3LV6エンジンと変わらないパフォーマンスを発揮する。加速フィールも約2.3トンあるボディを非常にスムースに軽快に加速させたからだ。

 何と言っても剛性の高いシャシーによって、街乗りや日本の高速道路の法定速度ではビクともしない安定感は抜群だ。アメリカンSUVとはまったく異なり、まさにユーティリティの高いスポーツカーという様相だ。

 トロフェオをはじめとしたこれまでのレヴァンテの走りはハイパワーエンジンを活かした、圧倒的なパフォーマンスというイメージ。しかしこのGTは4気筒エンジンの特性であるフロントの軽さを活かした、軽快なハンドリングも特徴だ。

 競走馬に例えると、これまでのレヴァンテが短距離向けのスプリンター色が強かったがこのレヴァンテGTは長距離向けのステイヤーなので、ロングドライブに出掛けようという気持ちになる。これだけのキャラの違いを1つのモデルでやってしまうことに凄さを感じる。

 また、エンジンパワーよりもシャシー性能が優れているので、長距離ドライブでも疲れにくいだろう。こういった点から、レヴァンテハイブリッドはGTというネーミングになったのだと感じる。

 ハイブリッド感はやや薄味かもしれないが、高い走行安定性によって高いパフォーマンスが魅力のレヴァンテから、方向性の違うモデルが追加されたことは、選択肢の幅が広がるのでユーザーにとってメリットは大きい。

 マセラティレヴァンテも1100万円から手が届くようになると、輸入車SUVの1000万円クラスはこれまで以上に激戦となりそうだ。

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