2020年1月15日にヤマハはセロー250ファイナルエディションを発売。2020年8月現在、すでに生産は終了し、店頭在庫のみとなった。35年間愛され続けたロングセラーモデルを新車で手に入れる本当のラストチャンスがいま訪れている!
文:中村浩史/写真:富樫秀明/ライダー:太田安治、木川田ステラ
ファンに愛され続けたヤマハ・セロー
1985年のデビュー以来、マウンテントレールという独自のジャンルを開拓し、たくさんのファンに愛されてきたセロー。モデル生涯を終えるファイナルエディションが2020年1月に発売された。
生産終了は、新たな排気ガス「令和2年規制」に適合せず、装着が義務付けられたABSも設定されていないため、と言われており、おそらく現行モデルに大掛かりなモディファイを加えるよりは……と考えたのだと思われる。
セローの標榜する「マウンテントレール」とは、オフロードバイクでもトライアルバイクでもない、そのいいところ取り、というニュアンスだった。特に80年代後半は、オフロード熱の高まりもあって、ロードモデル同様、オフロードモデルもどんどん先鋭化し、モトクロッサー的な「レーサーレプリカ」と呼んでもいいようなモデルが増えた中、セローは頑なにオリジナルの立ち位置を守り、ロングセラーとなってきた。いわば、SR400と同じ人気モデルなのだ。
エンジンは初代の225cc版から一貫して20PSの、決して強力とは言い難い空冷単気筒で、高回転のパワーよりも、アイドリングすぐ上からの強力なトルクが持ち味。低いシート、スリムな車体幅、そして切れ角の大きいハンドルを武器に、都会の大渋滞も、山奥の藪漕ぎも苦にしない走破性こそがセローのマウンテントレールたるゆえんだった。
度重なる排ガス&騒音規制をクリアしてきたセローは、他メーカーの同排気量のライバルとは確実に違い、低回転からの力強いトルクが際立つかわりに、高速走行のエンジン静粛性&車体の安定性は今ひとつ。セローが得意なのは、一般道を使用した50~60km/h中心のクルージングで、この意味でもセローはやっぱり特別なモデルだったのだ。
さらに近年ではキャンプツーリング人気も受けて、キャンプ道具を満載してのとことこツーリングが最も似合うモデルだった。たとえダートを走らなくても、突然現れる悪路をものともしない信頼感、これが唯一無二のマウンテントレールたるセローの魅力だったのだ。
ヤマハ「ツーリングセロー」各部装備・ディテール解説
ヤマハ「ツーリングセロー」足つき性・ライディングポジション
シート高:830mm
ライダーの身長・体重:163cm・43kg
シート高は830mmと数字的には高いが、シート幅がスリムで足を降ろしやすく、車体も軽いので、取り回しは苦にならない。
ヤマハ「セロー250ファイナルエディション」主なスペックと価格
※諸元は、セロー250ファイナルエディション
[ 表が省略されました。オリジナルサイトでご覧ください ]
文:中村浩史/写真:富樫秀明/モデル:木川田ステラ
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