「ランボルギーニ買いに」5歳児が運転
text:Kenji Momota(桃田健史)
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「警察官が近寄ると……、運手席にいたのは、なんと5歳児だった」
緊急事態宣言が5月末まで決まったこともあり、静かなゴールデンウイーク最終日となった5月6日。
昼のテレビニュースやネット上で、大きな話題となった。
報道によると、場所はアメリカのユタ州オグデン市内。ユタ州の州都ソルトレイクシティから北へ約60kmにあるオグデン。周辺は雪山登山や夏場のトレッキングなどが盛んな自然豊かな地域だ。
日中、片側4車線のフリーウェイ15号線をパトロールしていた地元警察官は、大きく蛇行する不審な中型SUVを発見。
後方から停止を求め、不審車両を進行方向左側の路肩に停止させた。
警察官がSUVに近づくと窓越しに人の姿が確認できず。ドアを開けると車内には運転席に1人の子どもがいただけ。
印象としては8歳か9歳に見えたそうだが、当人に確認すると5歳だとわかった。
「カリフォルニアにランボルギーニを買いに行く途中だ」という。所持金は3ドル(約319円)だった。
現時点では、処罰対象になっていないが、地元の裁判所などで今後どのような判断が下されるのか?
キーポイントは、走行していたのが公道であることだ。
5歳児、じつは運転に慣れている?
アメリカにおける運転免許証の発行は、各州運輸局のDMV(陸運事務担当部門)が行う。
取得には、日本のマイナンバーに相当するソーシャル・セキュリティ・ナンバーが必要で、筆記試験と実技試験を行う。外国人でも取得は可能だ。
実技試験は公道で行う。しかも車両は受験者の持ち込みだ。親や知り合いが借りて、付き添ってもらう必要がある。
または、国際免許を所持する外国人や、他の州から転居した場合の書き換えで実技試験を必要とすることもあり、そうした場合は自分のクルマを持ち込むことになる。
アメリカには日本のような自動車教習所はほとんどない。そのため、免許証の取得費用は、日本のように数十万円と高額になることはない。
そもそも、広大な土地があるアメリカでは、都市部以外では自宅の広い敷地や畑の中、または所有する山林などで、小さい頃からバイクやクルマを運転しているケースが珍しくない。
筆者(桃田健史)はこれまで約40年間、全米各地で居住し、また仕事で各地を巡ってきたが、そうしたケースを実際に数多く見てきた。
今回の事案でも、この5歳児は日常的にクルマに乗っていた可能性がある。
運転の技量があっても、公道で運転するためには運転免許証という許可証が必要という社会通念上の判断がついていなかったのだと思う。
アメリカで免許が取れる条件とは?
大きく車線変更をするなど無謀な運転だったが、警察官の指示でしっかりと路肩に駐車するなど、基本的な運転操作は行えていた。
とはいえ、一般常識では無免許の、しかも5歳の子どもがクルマを運転してよい訳がない。
では、アメリカでの運転免許証の取得年齢は何歳か?
今回の事案が発生したユタ州では17歳。だたし、夜間の運転ができないとか、18歳以下では最初に6か月間に単独で移動できないなど様々な条件がある。
その他では、ノースダコタ州とサウスダコタ州で運転免許の取得年齢は16歳と最も若く、カリフォルニア州やニューヨーク州は17歳、フロリダ州やテキサス州では18歳と州によって取得年齢が違う。
16~18歳といえば、日本では高校1年生から3年生。身体が大きく成長する時期であり、また社会への対応力を身に着ける重要な時期だ。
むろん、個人差もある。
アメリカでは、日常生活で買い物や通勤・通学でクルマを使う機会が多い、クルマ社会だ。日本のように電車やバスなど公共交通機関が充実していない。
公共バスがあっても、所得格差が大きいアメリカでは、一定の収入以上がある層は公共バスを積極的に使わない。
こうした交通の不便さやセキュリティの側面から、高校生がクルマ通学することが珍しくない。
子どもとクルマと社会 新しい発想を
日本では「U-18(アンダー18)運転予備校」という試みがある。筆者もインストラクターとして参加している。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)が2017年4月から各地の催事場などで開催している。
日本で普通自動車を運転するための普通免許の取得は18歳以上。
一方、U-18運転予備校の参加資格は、普通免許が取れない18歳以下でクルマが運転できる運動能力、視力、聴力があり、身長が150cm以上だ。
身長150cm以上とは、運転席に座った状態で前方が確認できるであろう目安として設定しているだけ。
最近の子どもは身長が高い子が多く、過去の参加者では小学生もけっして珍しくない。
用意しているクルマは自動車メーカー各社が通常はメディアに取材用として貸し出している広報車。
NSXをはじめ、日産「フェアレディZ」、トヨタ「スープラ」、マツダ「ロードスター」など日本を代表する2ドアクーペモデルだ。
開催の趣旨は、大きく2つ。
運転を体験することで、歩行者/自転車の危ない行為を理解してほしい。
そして、若いうちに安全運転を体験し、正しいクルマの扱い方を習得し、クルマの楽しさを知って欲しい。
各方面から賛否両論あるなか始めた、U-18運転予備校。これまで事故もなく、参加者の明るい笑顔が増えている。
子どもとクルマと社会との繋がり、新しい発想が必要な時だと思う。
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みんなのコメント
そうすると小学生時代から無免許運転を始めていたに違いない。
こんな違法行為があるのに「86」を車名にしているトヨタもどうかと思うが。