現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > マツダの直噴ターボ——登場は14年前だった

ここから本文です

マツダの直噴ターボ——登場は14年前だった

掲載 更新
マツダの直噴ターボ——登場は14年前だった

■ L3-VDTシリンダー配列:直列4気筒排気量:2260cc内径×行程:87.5mm×94.0mm圧縮比:9.5最高出力:200kW/5500rpm最大トルク:380Nm/3000rpm給気方式:ターボチャージャーカム配置:DOHCブロック材:アルミ合金吸気弁/排気弁数:2/2バルブ駆動方式:直打燃料噴射方式:DIVVT/VVL:In/×

「ダウンサイジング」という言葉はすでに一般化していて、ご存じの方も多いだろう。エンジン排気量を縮小することでメカニカルロス/ポンピングロスを回復、低下したトルクは過給で補うというコンセプトである。欧米、とくにヨーロッパではもはや常道であるいっぽうで、日本ではハイブリッド技術が進んでいるためにそもそも過給という手段を積極的に選ばない印象がある。とはいうもののダウンサイジングに取り組んでいないのかといえばさにあらず、各社は現有エンジンとして下のような過給エンジンをラインアップしている。

ボッシュ独自の車両テクノロジートレーニングを一般整備工場向けに提供開始

 トヨタ:8NR-FTS、8AR-FTS、V35A-FTS
 日産:HR12DDR、MR16DDT、KR20DDTT、QR25DER、VR30DDTT、VR38DETT
 ホンダ:S07、P10A2、L15B、K20C、JNC
 三菱:3B20、4B40
 SUBARU:FB16DIT、FA20DIT、EJ20
 スズキ:R06A、K10C、K14C
 ダイハツ:KF-DET、1KR-VET

 厳密に言えば、これらの中にはダウンサイジングコンセプトではなくパフォーマンスを狙ったパワーターボとも言うべきエンジンも含まれているが、案外多いなというのが列挙してみた感想である。
 さて、上記に含めていないマツダの話となるとどうだろうか。

 マツダ:SKYACTIV-X、PY-VPTS、L3-VDT

 スカイアクティブXはいいとして、18年秋にCX-5搭載で日本上陸を果たしたSKYACTIV-G 2.5T……もうひとつはなんだろう。このエンジンが本稿の主役である機種である。

L3-VDT型直噴ターボエンジン

 2005年6月の初代アテンザのマイナーチェンジで追加された「マツダスピードアテンザ」に「MZR 2.3 DISI TURBO」のペットネームで初搭載された。DISIとはダイレクト・インジェクション・スパーク・イグニッションの頭字語。2002年5月の初代アテンザに搭載された当時の新規開発・オールアルミブロックのMZRエンジン2.3ℓ版(L3-VE型)をベースに直噴化し、ターボ過給を組み合わせた。

 燃料インジェクタは側方配置で、最高燃料噴射圧は11.5MPa。筒内直接噴射は気化潜熱によって筒内温度を著しく下げられることがメリットのひとつで、これにより耐ノッキング性能を高め、圧縮比を9.5とすることができた。筒内温度の低下は充填効率も高めることにつながり、中低速のトルク向上、タービンへの排気エネルギーの向上というメリットを得ている。
 結果として、L3-VDTのターボチャージャーはシングルスクロール型を採用するに至っている。ツインスクロール型に対して熱容量に優れることから、暖機時間の短縮、低エミッション化にも成功した。

 出力向上にともなって、ブロックとヘッドは自然吸気2.3ℓ版の「コスワース鋳造法」を用いながらさらに改良を加えて高強度化、高強度ライナーの採用とあわせてブロック剛性を高めた。これによりブロックライナー間とヘッドバルブブリッジ間に冷却水路のためのドリル穴を穿つことでき、耐熱性向上などの変更もなされている。なお、エキゾーストバルブシート間にも冷却水路用のドリル穴が施工されている。
 燃焼圧力が高まったことによる振動騒音対策としては、ピストンピンの大径化とフルフロート化、クランクシャフトの鋳造→スチールへの材質変更、コンロッドの高強度綱化、オイルパンの形状見直しなどがトピックである。

 マツダスピードアテンザとマツダスピードアクセラというハイパフォーマンスカー用に仕立てられたL3-VDTだが、その後MPVやCX-7など大型車にも搭載されたことから、日本初のダウンサイジングエンジンと呼ぶにふさわしい存在だった。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

アキュラIMSA車両ドライブしたフェルスタッペン、デイトナ24時間は出ないの?「出るには十分な準備をしたいけど、今は不可能だ」
アキュラIMSA車両ドライブしたフェルスタッペン、デイトナ24時間は出ないの?「出るには十分な準備をしたいけど、今は不可能だ」
motorsport.com 日本版
約183万円! 三菱「新型“5ドア”軽SUV」発表に反響多数! 「走りがいい」「好き」の声!半丸目もカッコイイ「ミニ」が話題に
約183万円! 三菱「新型“5ドア”軽SUV」発表に反響多数! 「走りがいい」「好き」の声!半丸目もカッコイイ「ミニ」が話題に
くるまのニュース
新車99万円! ダイハツ「“最安”ワゴン」どんな人が買う? イチバン安い「国産乗用車」は装備が十分! 超お手頃な「ミライース」支持するユーザー層とは
新車99万円! ダイハツ「“最安”ワゴン」どんな人が買う? イチバン安い「国産乗用車」は装備が十分! 超お手頃な「ミライース」支持するユーザー層とは
くるまのニュース
2025年は赤・黄・黒の3色 スズキ「V-STROM 250SX」2025年モデル発売
2025年は赤・黄・黒の3色 スズキ「V-STROM 250SX」2025年モデル発売
バイクのニュース
「高いのはしゃーない」光岡の55周年記念車『M55』、800万円超の価格もファン納得の理由
「高いのはしゃーない」光岡の55周年記念車『M55』、800万円超の価格もファン納得の理由
レスポンス
KTM1390スーパーデュークGT発表!カテゴリーで最も過激なスポーツツアラーを標榜するGTが1390系エンジンでバージョンアップ
KTM1390スーパーデュークGT発表!カテゴリーで最も過激なスポーツツアラーを標榜するGTが1390系エンジンでバージョンアップ
モーサイ
新しい2.2Lディーゼルエンジンと8速ATを搭載したいすゞ「D-MAX」および「MU-X」がタイでデビュー
新しい2.2Lディーゼルエンジンと8速ATを搭載したいすゞ「D-MAX」および「MU-X」がタイでデビュー
カー・アンド・ドライバー
新型「メルセデスCLA」のプロトタイプに試乗!次世代のメルセデス製電気自動車の実力やいかに?
新型「メルセデスCLA」のプロトタイプに試乗!次世代のメルセデス製電気自動車の実力やいかに?
AutoBild Japan
紀伊半島の「最南端」に大変化!? 無料の高速「串本太地道路」工事進行中! 関西エリアの交通を一変する「巨大ネットワーク計画」とは
紀伊半島の「最南端」に大変化!? 無料の高速「串本太地道路」工事進行中! 関西エリアの交通を一変する「巨大ネットワーク計画」とは
くるまのニュース
ホンダ、栃木県とスポーツ振興協定を締結…ラグビーとソフトボールで地域活性化へ
ホンダ、栃木県とスポーツ振興協定を締結…ラグビーとソフトボールで地域活性化へ
レスポンス
軍用車マニアはたまらない!? 大戦中の1942年に製造された“フォード製ジープ”をオークションで発見 フォード「GPW」ってどんなクルマ?
軍用車マニアはたまらない!? 大戦中の1942年に製造された“フォード製ジープ”をオークションで発見 フォード「GPW」ってどんなクルマ?
VAGUE
ズボラ派にもバス&タクシーにもうってつけ! 洗車後の拭き取りをサボれる純水洗車にメリットしかなかった
ズボラ派にもバス&タクシーにもうってつけ! 洗車後の拭き取りをサボれる純水洗車にメリットしかなかった
WEB CARTOP
スズキが新型「ソリオ」1月発表!? “迫力顔&先進機能”採用!? 既に予約した人も!? 何が変わった? 販売店に寄せられた声とは
スズキが新型「ソリオ」1月発表!? “迫力顔&先進機能”採用!? 既に予約した人も!? 何が変わった? 販売店に寄せられた声とは
くるまのニュース
カワサキ「Z2」エンジン お気楽過ぎる「丸塗り」では後々後悔 可能な限り緻密なマスキングを目指す!! ~日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承~Vol.23
カワサキ「Z2」エンジン お気楽過ぎる「丸塗り」では後々後悔 可能な限り緻密なマスキングを目指す!! ~日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承~Vol.23
バイクのニュース
[DSP大全]「位相」を合わせられれば、“一体感のあるサウンド”を獲得可能!
[DSP大全]「位相」を合わせられれば、“一体感のあるサウンド”を獲得可能!
レスポンス
ノリス、ラスベガス初日は上位タイムも低グリップに手を焼く「市販車の方が速い気がする……」燃料多載での走行にはまだ課題も?
ノリス、ラスベガス初日は上位タイムも低グリップに手を焼く「市販車の方が速い気がする……」燃料多載での走行にはまだ課題も?
motorsport.com 日本版
アドベンチャーツアラー「V-STROM 250SX」が色変更!新設定「ソノマレッドメタリック」の鮮やかな赤が眩しい!   
アドベンチャーツアラー「V-STROM 250SX」が色変更!新設定「ソノマレッドメタリック」の鮮やかな赤が眩しい!   
モーサイ
初代日産リーフは「普通に乗れる」電気自動車だった【10年ひと昔の新車】
初代日産リーフは「普通に乗れる」電気自動車だった【10年ひと昔の新車】
Webモーターマガジン

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

677.3698.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

593.0980.0万円

中古車を検索
ヨーロッパの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

677.3698.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

593.0980.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村