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まだ間に合う?伊達軍曹が選ぶ「買っときゃ良かった…」輸入車BEST5

掲載 更新 33
まだ間に合う?伊達軍曹が選ぶ「買っときゃ良かった…」輸入車BEST5

あくまで「基本的には」ではあるものの、やりたいことだけをやり、会いたい人とだけ会いながら、割と幸せに日々暮らしている不肖筆者である。

それゆえ、これまでは「オレはもういつ死んでもいい! もう十分楽しく生きたので、明日死んでも悔いはない!」ぐらいに思っていた。思っていただけでなく、そういった意味のことを、どこかの商業媒体に書いた記憶もある。

日本車の選択肢がこれだけあるのに、あえて輸入車を選ぶ理由は「○○○○」だ!

だが新型コロナウイルス感染症ことCOVID-19の脅威が他人事ではなく割と眼前まで迫ってくると、つまり「まぁ確率的にたぶん大丈夫だとは思うけど、下手すりゃ3週間後ぐらいに死んでも特に不思議ではない」という状況にいざ直面すると、前言は思いっきり、華麗に、撤回された。

「もしも明日死んだら“悔いだらけ”である!」というのが、今の筆者の偽らざる心境だ。

さまざまな悔いが、ある。

オンナのこと。カネのこと。ぶっちゃけもっと権力や名声が欲しかったかもということ……等々もあるわけだが、こう見えて不肖筆者も自動車愛好家の端くれであることに間違いはないため、クルマに関する後悔も、当然ながらある。

「嗚呼。こんなことなら、生きてるうちにアレを買っておけば良かった……」と思ってしまういくつかの輸入車たちについて、ここで少々述べてみることにしよう。

以下は、あくまでわたし個人の考えというか欲望に基づく「乗らないと悔いが残る輸入車BEST5」だが、わたし以外の人にとっても、いくばくかの参考になるはずだとは思っている。

●買っときゃ良かった第5位|ミニ(BMW製じゃなくて英国製のほう)


いつかは買わねばと思いながら、今日にいたるまで自分の中で「先送り」され続けたのがコレだ。不徳の致すところである。

元祖ミニを「買わねば!」と思ったのは、当時『ENGINE』誌の編集長だった鈴木正文さん(現GQ日本版編集長)に、とある案件でインタビューしたときだった。

インタビューの主題も会話の文脈もすべて忘れたが、スズキさんはおおむね以下のようなことをおっしゃった。

「やっぱりね、人は名車に乗らないとダメだよ」

ダ、ダメですか? とうろたえる筆者に、スズキさんは重ねていった。

「うん、ダメだね。名車はね、人間の心と身体にものすごくいい影響を与えるんだ。ダメなクルマは、その逆の影響を与える。とにかくね、値段の高低じゃなくて“いいクルマ”に乗るべきなんだよ、人は」

なにせ15年ぐらい前のインタビューゆえ詳細は記憶しておらず、上記は一語一句そのまま正確な発言ではなく「大意要約」であることをお断りしておく。だがスズキさんはとにかくそのようなことをおっしゃった。そして、「例えば名車とはどれのことですか?」という筆者の問いに対して挙げたのが、クラシックミニだった。

「あんなに元気になれるクルマはないよ。一度はアレに乗らないとダメだね」

無論、わたしも取材でクラシックミニに試乗した経験はある。だが所有したことはない。「いつかはスズキさんの教えに従ってミニを……」と思っていたが、「いつかは」と漠然と思っているうちに中高年となってしまい、そしてCOVID-19が“来日”してしまった。不徳の致すところである。

●買っときゃ良かった第4位|シトロエン 2CV


これは「買っときゃ良かった」ではなく、実際に購入し、しばらく乗った。素晴らしいクルマだったが、これも先のインタビューでスズキさんが「心と身体に良き影響を与える名車」のひとつとして挙げたものだ。

「似たようなカタチのルノー4は買わなくても構わないけど、2CVは、クルマが好きなら一度は買わないとダメだね」という主旨のスズキさん発言に、これについてはなぜか素直に従い、2011年の3月に購入した。

契約したのが例の震災の直前で、納車となったのは、信号機の灯が軒並み消えていた震災直後のある日だった。

シトロエン2CVは、「人間、起きて半畳寝て一畳、天下取っても二合半」ということを心底わからせてくれる素晴らしい実用車であり、運転快楽製造マシンだった。昨今はネオクラシックブームの影響で相場が上がってしまっているが、それでも、ぜひ多くの人に乗っていただきたい名車である。

●買っときゃ良かった第3位|フォルクスワーゲン ゴルフ カブリオ クラシックライン


ご存じのとおり、初代ゴルフ カブリオにII型ゴルフのコンポーネント各種をミックスして作られた最終限定車である。これはスズキ編集長がらみではなく自身の取材を通じて試乗し、「うおおおおおお! 素晴らしい! 買わねば!!!」と思ったのだが、その後10年以上「思ってるだけ」で時が過ぎてしまい、いつしか中高年になってしまった。

このクルマは、なんというかアコースティック楽器を多摩川とかの河原で弾いたり吹いたりするような、そんなニュアンスの快楽があるクルマだ。

小ぶりなボディは運転席から四隅に手が届くかのようであり(実際は届かないが)、3速AT+やや非力なSOHCエンジンは古くさいのだが、屋根を開け放ったうえでその「ぶおおおおおおっ」というのどかなフィールを堪能していると、日が落ちるちょっと前の時間帯の河原でアコースティックギターをつま弾いているような、あるいはトランペットを吹いているような、そんな気分になってくる。

なぜわたしは、あんなにも素晴らしいオープンカーを今の今まで買わないまま過ごしてきたのだろうか? 不徳の致すところにも程がある。COVID-19の世界を無事生き延びたあかつきには、今度こそ買うつもりだ。いや、買わねばならないのだ。

●買っときゃ良かった第2位|アルファロメオ アルファGTV


これは「買っときゃ良かった」ではなく「売らなきゃ良かった」という感じだろうか? とにかく、わたしは一時期00年式のアルファロメオ アルファGTV 3.0 V6 24Vというイタリア車に乗っていた。要するに中期型のV6 GTVである。

素晴らしいエンジンだった。最小回転半径がやたらとデカいため運転はしづらく、エンジンオイルも3000kmごとぐらいに交換しないとダメという難儀なクルマだったが、それを補って余りある快楽が、あのV6 DOHCエンジンにはあった。

その後、わたしはランチア デルタ HFインテグラーレ エボルツィオーネIIというクルマに乗り替え、多くの人に「いいですね、エボ2!」と称賛された。

だがわたしの内心は、「エンジンに関してはGTVのほうが5億倍はいいな……」と常に思っていた。

V6のアルファGTVは、燃費は悪く、前述のとおり小回りは利かないのだが、市場から絶滅する前にぜひご購入いただきたい名車である。というか名エンジンである。

そういう意味ではアルファGTVにこだわらず、V6のアルファ156やそのGTA、あるいはアルファ147GTAでもいいのだろう。とにかく男は黙って(いや、できれば女性も)昔のアルファのV6である。これはもう間違いない。

●買っときゃ良かった第1位|ポルシェ911カレラ2(タイプ964)


これも「買っときゃ良かった」ではなく「売らなきゃ良かった」で、売却してしまったことをいつも後悔している。1日24時間のうち8時間寝てるとして、残る16時間の10時間ぐらいは、カレラ2に関する後悔とともに生きていると言っても過言ではない。

素晴らしいクルマだった。現代の基準で言えば特に速いクルマではないのだが、そんなことはどうでもよくなるほど、あのビートと音、そしてクルマ全体の「戦車感」は最高だった。

わたしはなぜ、964型カレラ2を売却してしまったのだろうか?

脳ミソのスペックが低いため詳しいことは忘れてしまったのだが、とにかく、わたしはカレラ2を売却した。今日のような「空冷ブーム」が起こる直前だったため、そんなに高く売れたわけではない。

そしてその直後、空冷ブームが沸き起こって相場は数倍になったわけだが、わたしは「高く売れなかったこと」を悔いているわけではない。……や、正直に申し上げるとそこも少しは後悔しているが、決してメインではない。

あのクルマが、本当に好きだったのだ。

そして、その後のブームにより964型の中古車相場は大気圏外まで上昇してしまい、「いつかはまた……」とは簡単に思えなくなった点を、悲しんでいるのだ。

だが、それでも「いつかはまた空冷911に」とは思っている。ここ外車SOKENで山ほどの原稿を書き、その稿料を頭金に超長期ローンを組んでこましたろうと計画しているのだ。

以上、ひとりの中高年の「後悔の記録」である。お若い諸君らにおかれてはこのような後悔のドツボにハマることがないよう、「生きている今」を大切にしてほしいと願っている。

説教くさいことは極力言わないようにしているのだが、本当にそう思うのだ。

[ライター/伊達軍曹]

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