80年代後半に日産から、数々の名車が誕生しました。その頂点と呼べるのが、8代目スカイラインで復活した「GT-R」でしょう。
R32型 スカイライン GT-Rは登場から30年以上の時が経とうとしていますが、人気は衰える事を知らず、中古車市場では2500万円を超えるプライシングがされているモデルがあるようです。
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ほかにも、フェアレディ、レパード、シルビアなど、各車の中古車価格が高値となっている、そんな〝令和の日産旧車事情〟をご紹介します。
R32型 スカイライン GT-Rは450万円~2500万円前後!
1989年8月に登場した、8代目スカイライン「GT-R」。
BNR32型という形式から〝R32〟と呼ばれる同シリーズのGT-Rは、専用設計された2.6L直列6気筒DOHC ツインターボエンジンを搭載。最高出力は当時の自主規制値とされた280馬力を発生しました。
駆動方式はFRベースの4WDで、サスペンションは新開発の前後マルチリンク方式を採用。優れた運動性能を実現しました。
R32型スカイライン GT-Rは、グループAカテゴリーから全日本選手権に参戦。1990年3月に行われた全日本選手権開幕戦で、見事レースデビューを果たし、グループAによる全日本選手権が終了した1993年10月までの4年間で負けなしの29連勝という大記録を打ち立てました。
上下画像の車両は550馬力の大出力で1990年のシリーズチャンピオンに輝いた、カルソニック・スカイラインチーム(星野一義選手/鈴木利男選手)のレース車両です。
伝説の車両となったR32型スカイライン GT-Rは、現代車両に匹敵する高性能により、今でも高い人気を誇っています。
大手中古車販売サイトで中古車価格を確認したところ、R32型スカイライン GT-Rは安いモデルの車両本体価格が450万円前後から。R32型の最終モデルとなるVスペックIIのノーマル車両は何と、車両本体価格が2640万円超! 走行距離が7000kmで整備記録簿付き、人気のホワイトということもありますが、驚きの高値をつけています。
Z32型フェアレディは60万円から900万円!
スカイライン(GT-R)と並び、日産のスポーツカーを代表するフェアレディですが、1989年7月にGCZ32型という型式から〝Z32〟と呼ばれる4代目Z32型がデビューしました。
下の写真は同シリーズの最上級グレードとなる、2by2 300ZX ツインターボです。3LのV型6気筒DOHC ツインターボエンジンは280馬力を発生。グレードによっては自然吸気も選べました。
また、2by2という4人乗りモデルと2シーターの2種類から選べ、前後マルチリンク方式のサスペンションやスーパーHICASといった、日産の技術の粋を集めた車両になっています。
そして、1800mmの全幅に対して全高は1255mmとワイド&ロープロポーションを実現。60度の超スラントヘッドランプなど、日本車離れした美しいデザインが自慢です。ほかにもコンバーチブルモデルもラインアップし、人気となりました。
大手中古車販売サイトで中古車価格を確認したところ、Z32型フェアレディは安いモデルの車両本体価格が60万円前後からとなりますが、300万円超のモデルが増えており、1994年式で走行距離95kmという奇跡の2by2 300ZX ツインターボ Tバールーフのワンオーナー車は、車両本体価格881万円というビッグプライスでした!
この車両は低走行距離の希な車両とは思いますが、それでも500万円超のモデルも増えてきており、今後はさらに価格上昇の可能性が高いと予測されます。コンディションが良い低価格のモデルは少なくなっているので、購入希望の場合は早めにチェックした方がよいかもしれませんね。
R31型 スカイライン GTS-Rは360万円~800万円前後
R32型 スカイライン GT-R以前に全日本選手権グループAで活躍したのが、HR31という型式から〝R31〟と呼ばれた、7代目スカイライン「GTS-R」です。
RB20DET-R型、2.0L直列6気筒DOHC ターボエンジンは210馬力を発生。フロントストラット/リアセミトレーリングアーム(独立)サスペンションのFRレイアウトを採用。グループAレース用のホモロゲーションモデルとして800台限定で1987年に発売されました。
下の写真は長谷見昌弘選手/A.オロフソン選手がドライブし、1989年の全日本選手権グループAシリーズタイトルに輝いたリーボック・スカイラインです。最高出力は400馬力と言われています。
限定800台のR31型 スカイライン GTS-Rは今でも高い人気を誇り、大手中古車販売サイトで中古車価格を確認したところ、安いモデルの車両本体価格が360万円前後。1987年式で走行距離5万3000kmのモデルは何と、車両本体価格が789万円! いずれ1000万円超となっていくのは時間の問題かもしれません……。
F31型 レパードは130万円~360万円前後
1986年2月に発売された2代目レパード。GF31型という型式から〝F31〟と呼ばれたF31型 レパードは、40歳以上の世代には、舘ひろしと柴田恭兵が主演した刑事ドラマ「あぶない刑事」で使われた車両という印象が強いかもしれませんね。
F31型 レパードは発売当初、V型6気筒OHC、2LのVG20E型、同2LターボのVG20ET型、3LのVG30DE型の3タイプを設定。
最上位の「アルティマ」には、超音波ソナーを利用する「スーパーソニックサスペンション」が設定されていました。
大手中古車販売サイトで中古車価格を確認したところ、安いモデルの車両本体価格が130万円前後。最高値のモデルは1988年式で走行距離6.9万kmの2.0 XS-IIが358万円ほどとなっています。
S13型 シルビアは170万円~340万円前後
〝デートカー〟と呼ばれ、トヨタ「ソアラ」やホンダ「ブレリュード」などと共に人気のクーペが、1988年5月に発売された、5代目シルビアです(写真は初期型のK’s)
型式がS13型のため、〝S13〟と呼ばれることが多いS13型 シルビアは、発売当時は全車1.8L直列4気筒DOHCのCA18型を搭載。J’s(ジェイズ)とQ’s(キューズ)が自然吸気で135馬力、K’s(ケーズ)がターボ付きで175psを搭載しました。1991年にマイナーチェンジをして、エンジンは2L直列4気筒のSR20型に変更されています。
フロントストラット/リアマルチリンクのサスペンションによるFR車で、クーペらしい優美なスタイリングから大ヒット。通産省選定グッドデザインと日本カーオブザイヤーを受賞しました。
同車はその後、軽量な後輪駆動車のためチューニングされる車両が増え、中古車市場でもチューニングカーが多く見られます。大手中古車販売サイトで中古車価格を確認したところ、安いモデルの車両本体価格は167万円前後。最高値のモデルでは340万円前後となっています。
発売から30年以上となり中古車市場での台数は減少。高値更新が見込まれる!?
ここまで日産が80年代後期に登場させた2ドアスポーツを振り返り、その中古車相場をチェックしてきました。
発売から30年以上を経過する、いずれもビンテージカーとなっており、中古車市場でのタマ数は減る一方。また、映画「ワイルド・スピード」シリーズのヒットのおかげで、北米で日本車人気が爆発し、GT-Rをはじめ多くの旧車がアメリカに渡っています。
1999年1月にデビューしたR34型 スカイライン GT-Rの一部車両では、中古車価格が8000万円! といった驚愕のプライシングになっている模様です。(下写真は2002年に登場したR34型 スカイライン GT-R M・スペック Nür)
もし、「若い頃に乗りたかった旧車を買いたいなぁ~」なんて思っていて、それが80年代~90年代のモデルならば、コンディションが良ければ早めに購入する方が良いかもしれないですね。
取材・文/中馬幹弘
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