アルピナ・ブランドならでなの魅力は保たれるのか!? 小川フミオが考えた。
驚きのニュース
新型インテグラの全貌が明らかになった! ホンダ車とは異なる“高級感”とは?
BMWアルピナといえば、BMW車をベースにすばらしいスポーティモデルを仕立てあげることで、日本でも人気の高いブランドだ。ファンには衝撃的なニュースが、2022年3月10日に発表された。BMWグループ(本社)が、アルピナの商標権を獲得したのだ。
「車両開発と生産は、今まで同様、2025年末までドイツのブッフローエで継続される」と、日本でアルピナの代理店を務めているニコルオートモビルズは、アルピナ本社が発表したニュースを紹介。べつの言い方をすると、2025年をもって、現在のアルピナ車の生産と供給は中止される。
BMW・3シリーズをベースにした「B3」「D3S」、5シリーズの「B5」「D5S」、SUVではX3ベースの「XD3」、X4の「XD4」、また8シリーズをチューンナップした「B8」など、このところ私が乗るチャンスを得たアルピナ車はどれも、まさに目がさめるほど素晴らしいドライビング体験を提供してくれた。
BMW車に輪をかけたようにウルトラ的にスムーズにまわるエンジン、しっかりとしたコーナリング性能をもっているいっぽう空とぶじゅうたんに乗ったらこうかなと思えるぐらい快適な乗り心地。アルピナは、自動車好きにとって高い存在価値を感じられるメーカーなのだ。
アルピナの歴史
アルピナのスタートは、1962年。当時のBMW「1500」というセダンのために、自分たちでチューニングしたウェバー社のカーブレターを開発した。その性能ぶりにすぐに着目したBMWでは、たんなるアウトソーシングのチューナー(市販車に自分たちで開発した部品などを装着するのを生業とする会社)でなく、本社の性能を与えたのだった。
ブルカルト、アンドレアスおよびフロリアン・ボーフェンジーペンの家族所有となるアルピナ・ブルカルト・ボーフェンジーペン有限&合資会社が設立されたのは、ビジネスが軌道に乗るのをみてとった1965年。
当初は、レースをはじめより速いBMWを求めるひとたちのために、チューニングを施したカーブレターとクランクシャフトを販売。それがアルピナ社の社標にいまも描かれている。私は、1970年代、ボンネットとトランクリッドとショルダー部分だけ黒く塗り分けたアルピナチューンのBMW「2002」がレースで走っている写真を雑誌で見ては、なんだかカッコいいなぁと思ったものだ。
そののちは、いまに続く車体側面を飾るサイドストライプがアルピナ車の目印に。派手だと敬遠する向きもあるようだけれど、グリーンとブルーなど、車体色に合わせたストライプは、アルピナ車の高品質ぶりの象徴のようで、私ももし買ったら、オプションのストライプを注文しそうだ。
アルピナらしさは残るのか?
「(アルピナの買収は)ラグジュアリー・セグメントにおける多様性をより拡大します」
BMW本社はホームページで、今回の商標権獲得について言及。EVのiシリーズのラインナップを拡張していくいっぽう、内燃機関搭載で洗練された走りを持つスポーツモデルもまた、当面は同社にとって必要なのだろう。
すぐに思い浮かぶのは、AMGを吸収したメルセデス・ベンツだ。当初はチューナーとしてスタートしたAMGは、1999年にメルセデス・ベンツ傘下に入り、2014年にメルセデスAMGというブランドがスタート。「GT」などの高性能車を手がけている。
ファンとして気になるのは、クルマづくりのポリシーの変更についてだ。AMGをみると、当初は“ワンマン・ワンエンジン”のポリシーを守り、ひとりのクラフツマンが1基のエンジンを組み上げる方針を守ってきた。
そのあと、メルセデスAMGブランドが拡大するにつれ、比較的排気量の小さなエンジンは、手づくりでなく工場のラインで生産されるように。だからよくなくなったというわけではないけれど、アルピナも同様だ。
熟練職人が組み上げていくのをセリングポイントにしてきたアルピナ車が、同様のわだちを踏んだら、その結果、いままでの芸術的ともいえるドライブフィールが薄まったらもったいないなぁと、はやくも危惧してしまう。杞憂に終わることを祈るが。
「内燃機関と電気自動車の両分野において、数十年もの年月で培われたエンジニアリングと開発ノウハウは、BMWグループ以外の自動車メーカーへも提供される予定です」と、アルピナ。
電気自動車の自動車を迎えてからも、アルピナチューンが残るとしたら、どんなクルマが出来るのだろう? それはそれで楽しみである。
現在まで、そしてこのあともしばらく販売されるアルピナ車に関しては、純正交換部品やアクセサリーといったものの提供は保証されているとのことだ。
文・小川フミオ
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みんなのコメント
これからは、電池とモーター組み合わせの味気ない電化製品同士でどんぐりの背比べ。
ようは、ブランド勝負でハイブランド・ネームだけは確保しておきたいというだけの話ですね。