クルマの買い時は難しい。新型が登場するとわかっていてモデル末期車を買って損したくないけど、新型が出るからこその大幅値引きは魅力的。
基本的には新型車を買うほうがいいことは間違いないのだが、買ってもいい、または買うことを検討するに値するクルマというものもある。
【日本車の日本離れ!??】日本市場を大事にするクルマ あまり大事にしないクルマ
クルマの売買に詳しい渡辺陽一郎氏が、具体的な車名を挙げて、モデル末期車のなかで買っていいクルマとダメなクルマを明らかにしていく。
文:渡辺陽一郎/写真:TOYOTA、NISSAN、HONDA、MAZDA、SUBARU、SUZUKI、平野学、中里慎一郎、ベストカー編集部
【画像ギャラリー】渡辺陽一郎氏お薦めのモデル末期や設計が古くても購入検討に値するクルマ
新型車の進化は昔の比ではないくらい大きい
まず基本的な話をすると、フルモデルチェンジが近付いたモデル末期車はなるべく避けて、新型を待つほうがいい。今は以前に比べてフルモデルチェンジを行うサイクルが6年以上と長く、新型はさまざまな機能を大幅に進化させるからだ。
昔はデザインを大きく変えながら中身の進化が乏しいフルモデルチェンジもあったが、今は考えられない。
カローラシリーズはプラットフォーム、エンジン、ハイブリッドシステムなどすべて一新して登場したように、モデルチェンジサイクルが長くっていることにより、フルモデルチェンジした時の進化度合いは昔の比ではないくらい大きい
特に最近のフルモデルチェンジでは、安全性が進化する。歩行者や車両を対象とした緊急自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)が注目されるが、急ブレーキを作動させながら障害物を避ける性能、衝突時の安全性なども向上している。
交通事故はクルマにとって最大の欠点だから、安全性能の進化は重要だ。従ってフルモデルチェンジが迫っている車種では、なるべく次期型を選んで欲しい。
ただし車種による程度の違いもある。発売から時間を経過していても、マイナーチェンジや改良を頻繁に行い、安全装備、走行安定性、乗り心地、内装の質などを高めていれば、モデル末期でも商品力が相応に保たれている。
最近の傾向としてデザインの変更はなくても、燃費や安全装備の充実、アップグレードなどが行われているので変更履歴を要チェック(写真はN-BOX)
逆に改良をほとんど受けずに時間を経過した車種は、選ぶ価値も下がる。安全装備の内容、改良の履歴などをチェックして、選ぶ価値があるか否かを見極めたい。
今はメーカーのホームページが充実しているから、改良の履歴も分かりやすい。ホームページにアクセスして「企業・IR情報」を開くと「ニュースリリース」という報道資料を閲覧できる。その車種がいつ発売され、どのような改良を受けてきたのか、履歴を調べられる。
ハスラーはモデル末期ながら検討する価値あり
また先ごろ開催された第46回東京モーターショー2019には、2019年の末から2020年に発売されるプロトタイプ(試作車)も出品された。外観だけで詳細のわかりにくい車種も多いが、モデル末期の現行型を買うか、新型を待つかの判断材料にはなるだろう。
キープコンセプトかつ軽枠が決まっているためボディサイズもほぼ同じ新型ハスラー。しかしこの手のモデルチェンジは旧型がより古く見える傾向にあることもお忘れなく
モデル末期でも選ぶ価値のある車種として、具体的には、次期型のプロトタイプが東京モーターショーに出展されたハスラーが挙げられる。次期型は居住性や安全装備を進化させるが、2014年に発売された現行型も車内は十分に広い。
歩行者と車両を検知可能なデュアルカメラブレーキサポートも採用している。外観デザインを含めて、次期型は進化の度合いは小さい。
ユーティリティ面でも安全性能でも十分なポテンシャルを持っているため、現行のモデル末期車も検討の余地がある。ただ、新型を見た後に中古で買うのもあり
大幅改良後のモデルは古くても魅力的
またノートは現行型の発売が2012年だから7年以上を経過した。それでも2016年に、ハイブリッドのe-POWERを加えて緊急自動ブレーキや運転支援機能も採用している。今でも古さはあまり感じない。
デリカD:5も選ぶ価値が高い。現行型の発売は2007年だから12年を経過するが、2019年にクリーンディーゼルターボ搭載車を大幅に改良した。フロントマスクが大きく変わり、ディーゼルエンジンの動力性能とクリーン性能、走行安定性、乗り心地、内装のデザインと質感まで、フルモデルチェンジと思わせるほど手を加えている。
デビュー12年目でディーゼルエンジンの刷新、エクステリアデザインの大胆変更もあり、古いが魅力的な三菱デリカD:5
ノートはe-POWER、デリカD:5は国産ミニバンで唯一のクリーンディーゼルターボという具合に、明確な個性を備えて安全装備を進化させた車種は古さを感じにくい。
左右非対称のボディを採用するポルテ&スペイドも、売れ行きは低調だが、2012年の発売ながら独特の魅力を備える。安全装備も充実させた。
タンク/ルーミー、シエンタにユーザーを奪われ販売面で苦戦し、次期モデルが存在しないという噂もあるポルテ/スペイドは気にっていれば熟成されていて買って損はない
綿密な改良という意味では、マツダが注目される。車種数とメカニズムの種類を抑えたので、新型車が新しい機能を採用すると、時間を置かず既存の車種も装着できるようになった。常にバージョンアップしているから、発売から時間を経過しても機能が古くなりにくい。
マツダ6(旧アテンザ)は2012年、マツダ2(旧デミオ)も2014年に発売されたが、大幅な改良を受けていて装備は設計の新しいマツダ車と比べてほとんど見劣りしない。
アテンザ改めマツダ6は、マツダの流儀に則って年次改良、大規模マイチェンにより常にクルマが進化しているため、いつ買っても損はない
古くても魅力的なモデルは買い
カテゴリー別の傾向もある。スポーツカーやオフロードSUVは、全般的に販売台数が少ないので、フルモデルチェンジを行う周期が長い。そのためにモデル末期ではなくても、発売から長い期間を経過した車種が増えて、頻繁に改良を施すケースも多い。
例えばGT-Rの発売は2007年だから、デリカD:5と同じで12年を経過する。それでもほぼ毎年改良を行い、動力性能、走行安定性、乗り心地、操舵感、ノイズ、振動などを進化させてきた。緊急自動ブレーキの非装着を除けば、今でも古さを感じない。走行性能は依然として国産スポーツカーの最高峰だ。
2020年にフルモデルチェンジするという情報もあるランドクルーザーだが、現行モデルの魅力も捨てがたい。このモデルが気にっているなら買いだ
オフロードSUVのランドクルーザーは2007年、ランドクルーザープラドも2009年の登場だが、これも古さを感じない。パジェロは国内販売を終えて、今では後輪駆動をベースにしたオフロードSUVが、この2車種とレクサスLX、ジムニー&シエラのみになったこともある。
ランドクルーザーとプラドの悪路走破力は、GT-Rのスポーツ性能と同様、今でも十分に高い。歩行者を検知できる緊急自動ブレーキの採用など、安全装備も進化させた。比較されるライバル車が存在しないこともあり、今でも選ぶ価値が高い。
ヴィッツ買うなら断然ヤリス
これまで紹介した車種を除くと、設計の古いモデル末期車は選ぶ価値が低い。
2010年に発売されたヴィッツを買うなら、後継車種のヤリスがいい。ヤリスでは後席と荷室がヴィッツよりも狭まるから注意を要するが、プラットフォームやエンジンを刷新して走行性能と乗り心地を向上させ、内装の質も高まる。
ボディサイズは現行ヴィッツとほぼ同じながら塊感のあるデザインで存在感抜群の新型ヤリス。2月から販売するが、かなり魅力的で大ヒットの予感アリアリ
ヤリスにはアイドリングストップが装着されないが、1.5Lモデルの燃費は向上する。車間距離を自動制御できるクルーズコントロールの採用など、ヴィッツよりも商品力は高い。
2014年に発売されたデイズルークスとeKスペースも同様だ。現行型はノーマルエンジンの動力性能が低いが、次期型はデイズ&eKシリーズと同じエンジンが搭載されて不満を解消する。運転支援機能のプロパイロットも用意する。
東京モーターショーの三菱ブースには、次期型になるeKスペースクロスのプロトタイプが出展され、市販版もこのデザインになる。モデル末期の現行型は避けて、次期型を待ちたい。
迷走を続けた感が強い現行ヴィッツは都合3タイプのフロントマスクが存在。ハイブリッドの完成度などすべてにわたり大幅進化した新型のヤリスが魅力的
フィットはハイブリッドなら迷わず新型
フィットは2013年の発売ながら現行型も魅力的で、安全装備や運転支援機能も相応に充実する。
いっぽう、東京モーターショーに出展された次期型のプロトタイプは、外観と内装が個性的だ。これなら「現行型を大幅値引きで買う」判断も成り立つだろう。2019年11月中旬時点で、現行型の在庫も残っている。
ただしハイブリッドは次期型が高機能だ。i-MMDの発展型で、エンジンは発電、モーターが駆動を受け持つため、加速が滑らかで動力性能も高まり、燃費効率も優れている。
東京モーターショー2015で世界初公開されたフィットのプロトタイプ。コンセプト、エクステリアデザインは大幅にチェンジし、ハイブリッドは特に超絶進化
新型のデザインがどうしてもいや、という人は旧型を検討する価値はあるが、ハイブリッドを購入するなら迷うことなく新型をお薦めする
モデルチェンジするとわかっているクルマは避ける
東京モーターショー2019で世界初公開されたレヴォーグコンセプト。エッジの効いたデザインは今後のスバルのデザイントレンドを纏っていて新しさを感じさせる
レヴォーグも東京モーターショーに次期型のプロトタイプが登場した。発売は2020年後半だ。
居住空間や荷室の広さは、2014年に発売された現行型とあまり変わらないが、プラットフォームの刷新で走行安定性と乗り心地は大幅に向上する。エンジンも新開発の水平対向4気筒1.8Lターボを搭載する。
レヴォーグのような趣味性の強いワゴンでは、デザインや設計の新しさも大切だから、フルモデルチェンジすることがわかっているなら現行型は避けて次期型を選びたい。
2014年にデビューした現行レヴォーグは熟成されてはいるが、新型の魅力には勝てない。新しいデザインは大きな魅力だ
このほかセダンであればフーガ(発売は2009年)やプレミオ&アリオン(2007年)、ミニバン&ワゴンならプリウスα(2011年)やエルグランド(2010年)などは、漠然と販売を続けているだけだ。選ぶ価値が乏しくなった。
2017年にビッグマイチェンされた日産フーガだが、販売しているだけという状態が長く続いているため魅力が薄くなっていることは否定できない
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