■どうなる? 2024年の新型車
“今年のクルマ”を決める「2023-2024日本・カー・オブ・ザ・イヤー」に選出されたトヨタ「プリウス」は素晴らしいクルマだと思うのですが、その一方で、圧倒的な得票差になった理由を挙げると「2023年は関心を集めたクルマが少なかった」ということになります。
では、2024年はどうなるのでしょう。自動車メーカーの開発状況や商品計画を見ると、意外に寂しいことになりそうです。
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その理由はふたつ。ひとつはカーボンニュートラル、もうひとつは日本市場の特殊性によるものです。
カーボンニュートラルについては日本だけでなく世界的な流れ。何のかんの言っても2030年代の中頃に日米欧でエンジン搭載車の販売が大きく減少することは間違いない状況になりました。
代替燃料より電気の方がエネルギーコストとして圧倒的に安価で、2050年の先進国において乗用車は“ほぼ”電気自動車になるだろう。というか2050年からガソリンの入手は事実上できなくなる可能性が高い。
逆算すると、2040年にエンジン搭載車を買っても10年しか乗れないということ。10年間で減価償却しようとしたら、その時点で電気自動車のほうが安くなってしまう。
以上のような理由で早くもエンジン車を新規開発しようという自動車メーカーは、新興国を除き、世界規模でなくなりつつある。新型車の開発にお金を使うのなら、エンジン車じゃなく電気自動車だ。
ふたつ目に挙げた日本市場の特殊性だけれど、欧米用に開発したクルマは円安の日本で販売しようとすると高額になってしまう。かといって安価な新興国用のクルマは衝突安全性などの基準が違うため、大幅な変更を必要とする。
加えて日本市場のニーズは軽自動車、コンパクトカー、ミニバン、ミドルサイズのSUVという特殊性を持つため、日本専用車が必要ながら、台数が見込めないと作れず。
そんなバックボーンがあることを考えながら、2024年の新車動向について読んでもらえればと思う。
まずはトヨタとレクサス。今や一人勝ち状態のトヨタながら、前述の状況が100%当てはまる。漏れ伝わる直近の開発現場の話を聞くと、2026年に発売を予定している次世代電気自動車に注力しているようだ。
本来なら、2018年に発売された「カローラシリーズ」が6年目を迎えるため、2024年はモデルチェンジがおこなわれるべきタイミングなのだが、その話は出てこない。また、ダイハツに開発を委託している小型モデルについていえば、今回の不正問題で導入が遅れそう。
そんなトヨタの新型車は、すでに公開されている「ランドクルーザー250」と「クラウンエステート」、同じく存在を発表している「アルファード/ヴェルファイア」のPHEVくらいだと考えて良いと思う。
あとは、タイで発表された「ハイラックス」のベーシックモデルとなる「ハイラックス・チャンプ」が2024年に日本で発売される可能性はあるかもしれません。
レクサスもメイン車種はすべて発表済み。輸入車のような小改良を加えた「2025年モデル」(2024年に発売するモデルは2025年モデルと呼ぶのが輸入車業界の慣例)をいくつか出してくるだろう。レクサスも次世代電気自動車待ちです。
■SUVの新型車が多く登場する模様
日産は、フルモデルチェンジをおこなうとすれば、2016年にデビューして8年目を迎えるコンパクトSUVの「キックス」しかない。
キックスは基本的に新興国向けで、現行モデルも日本発売前に海外で発表されている。新型キックスは未だに発表されていないため、2024年の日本発売はないかもしれません。
ただ新興国はカーボンニュートラルまでタイムラグがあるだろうから、新型の登場は期待して良いと思う。
マイナーチェンジは「ノート」に続き「ノートオーラ」と「エクストレイル」が控えているが、いずれもパワーユニットなどの変更をおこなう予定はなく、主にフロントフェイスのデザインを変える程度。
ただし、2023年12月に発表されたノートのデザイン変更はあまり評判が良くなく、同じようなデザインだとしたら、ノートオーラとエクストレイルも改悪になるかもしれません。
なお「リーフ」の追加車種と噂されている「リーフSUV」の日本発売は未確定とのこと。
ホンダのフルモデルチェンジは、コンパクトミニバンの「フリード」のみ。ホンダの売れ筋車種とあって、悩んでいると聞く。
というのも、2020年登場の「フィット」以後、「ヴェゼル」を除きホンダで発売される車種は、すべてデザインが不評で売れ行きを落としてしまっている。売れ筋の「N-BOX」ですら、2023年10月登場の3代目は厳しいというのだから深刻だ。
フリードもデザインのせいで売れなくなるとすれば、ホンダにとって大きな痛手となるだろう。
海外ですでに発表されている「アコード」と「CR-V」の燃料電池PHEVも日本導入されるようだが、どちらも日本でたくさん売れるとは思えないため、「赤字にならなければ…」ということらしい。
そのほかにホンダは、209万8000円からという価格を重視したコンパクトSUVの「WR-V」と、軽商用車の電気自動として「N-VAN e:」を発売します。
スバルは2023年11月にアメリカで世界初公開された「フォレスター」を日本にも導入する予定。
フォードの「エクスプローラー」に似ているともわれるデザインだが、日本でも売れると思います。
課題はスバルに共通することながら、優れたパワーユニットを搭載できないこと。トヨタの基本アーキテクチャーを使ったストロングハイブリッドも予定されるが、2024年の発売は間に合わないかもしれない。
マツダは、「出る出る」といわれ続けてきた3列シートSUVの「CX-80」が2024年に発売されることは間違いないと思う。ただし、すでに発売済みの2列シート版「CX-60」の完成度があまり高くなく、CX-80は大幅な見直しをしているようだ。
変速ショックに代表されるパワーユニットの品質に問題を抱えているらしく難航中。
それ以外のマツダ車は、新体制になって抜本的な商品計画の見直しを受けており、スケジュールだけでなく車種展開も読みにくくなっているのが現状です。
スズキは本来なら「ワゴンR」や「アルトラパン」、「エスクード」がフルモデルチェンジする時期ながら、情報はなし。軽自動車用フルハイブリッドの開発もおこなっていると思うので、もしかすると年内に登場するかもしれない。
期待されている「ジムニーシエラ」の5ドアモデルは、今でもジムニーシリーズの工場がフル稼働状況ということを考えたら、このタイミングでの日本導入は厳しいかもしれません。
ダイハツは、昨今の不正問題を受け、新型車の計画がことごとく変わることが確実になってきた。
遅れている新型「ムーヴ」は2024年3月期までに型式指定が交付されないと、次世代のCAN(通信プロトコル)を導入しなければならなので、電気系の全面的な見直しが必要となり、さらに発売時期が伸びるだろう。
ジャパンモビリティショー2023で公開された軽商用EV車も同じで、2024年3月までに認証されなければ、2024年内の販売は不可能になることが予想されます。
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みんなのコメント
実用性を考えると無茶な考えですが、やはり2シーターのバランスの良さ、シルエットなど車に寄せる趣味嗜好を満足させてくれます。ただ車は総じて「移動手段」になってしまうんでしょうね。
すぐに注文の受付停止になりそう。
日産はデザインの改悪くらいか。
ホンダは売れないアコード等の導入で
販売店の負担を増やすという嫌がらせ。
望みはフリードの新型とWR-V。
三菱は特になし
マツダは売れない大型車を導入。
そんな事より店員の再教育を。
車自体は決して悪くないのだが
店員の接客が素人すぎてね。
スズキはダイハツの客をごっそり
奪うチャンス。ワゴンRの新型へ
ムーヴの客が乗りかえるだろう。
スバルは今以上に売れない路線へ。
北米ばかり見て国内はどうでもいい
ようなので販売店は一層苦しくなる。