■実用性もある!? 「変わり種」ラゲッジスペースを持つクルマ
近年のクルマ選びおいて、ラゲッジスペースは日常での使い勝手を左右する重要な要素となっていますが、そのほとんどはリア部分に配置されています。
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しかし、なかには例外的に、エンジンの配置やデザインの関係から、リアにラゲッジスペースがないモデルが存在。そして、想像もつかないような場所にラゲッジスペースが配置されていることがあります。どのような事例があるのでしょうか。
現行モデルでユニークな荷室の配置となっているクルマのひとつが、ポルシェ「911」です。
1960年代から現在に至るまで、数あるスポーツモデルのなかでもポルシェのアイコンともいえるのが911で、水平対向6気筒エンジンをリアに搭載する、生粋のスポーツカーです。
現行の911は8代目の「992型」で、3リッターの水平対向6気筒ターボを搭載しています。
ラゲッジスペースは2か所に配置されていますが、ひとつ目は多くの車種と同様、リアにあります。
スポーツカーは2シーター車も多いですが、911は2+2と呼ばれる4シーターとなっているため、リアシートのシートバックを倒すことによって荷室容量の拡大も可能。大きめのスーツケースやベビーカーも積み込むこともできます。
そしてもうひとつのラゲッジスペースは、フロントボンネットのなかにあります。小サイズから中サイズ程度のスーツケースも収納可能なため、大物はリアで小物はフロントと、振り分け方次第でより多くの荷物を積むことが可能です。
この位置にトランクが存在するのは、リアエンジン・リアドライブという独特の機構をもつ911ならではといえるでしょう。
ひと目でポルシェと分かる流線型のボディを持ちながら、可能な限り使い勝手も高めるという妥協のなさは、911が多くのドライバーを魅了する要因のひとつといえます。
※ ※ ※
世界には、1000万円を超える「スーパーカー」よりもさらに上、1億円以上という「ハイパーカー」も存在します。
ランボルギーニのデザイナーであったオラチオ・パガーニ氏が創業した「パガーニ」は、ハイパーカーメーカーのひとつですが、パガーニが初めて市販車として世に送り出した「ゾンダ」は、独特のラゲッジスペースを持つクルマとしても知られています。
そもそもゾンダは、1999年から2010年まで通常モデルが生産され、現在はワンオフモデルのみの製造となっています。
ちなみに、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」の創業者として知られ、近年はさまざまな業界から注目を集める前澤友作氏も、オーダーメイドした「ゾンダZOZO」を所有しています。
肝心のラゲッジスペースですが、リアを見るとAMG製V型12気筒エンジンが鎮座しており、トランクの類は見つかりません。
ゾンダは、ボディの後ろ側にあたる「リアカウル」を跳ね上げることができますが、ラゲッジスペースはこのリアカウルの下に隠されています。
とはいえ、クルマの性質からしてほとんど実用性はなく、ごく限られたスペースです。
わざわざ車体の中央近くに配置する理由はいくつか考えられますが、サーキット向けの車体だけに重量バランスを最適化するための配置ともいわれています。
■荷室が意外な場所にあったクルマ、昔も存在した?
1970年代のスーパーカーブームで大ヒットしたスポーツカーが、ロータスの「ヨーロッパ」です。漫画「サーキットの狼」の主人公の愛車としても知られています。
現代のスポーツカーのように電子制御部品や快適機能が搭載されているわけではないため、空きスペースは多めです。
ラゲッジスペースは、先述のポルシェ911のように、フロントとリアに配置されています。
フロント側は高さがないものの、手提げカバンほどであれば乗せることができるようです。
特徴的なのは、エンジンルームの後ろ側に配置されたリア側のラゲッジスペースで、こちらは比較的深さがあり、より荷物を乗せる
ただし、ラゲッジスペースのすぐ横がエンジンルームであり、マフラーにも近く遮熱板もないため、熱に弱いものを載せるのには向きません。
また、フロント・リアともに防水性がないため、雨の日に走る用途には一切向かないのも気を付けなければいけません。
晴れの日に楽しめる旧車として、割り切って使用するのがおすすめでしょう。
※ ※ ※
近年ではスポーツカーでも一定の実用性が重視されるため、極端にラゲッジスペースが小さいクルマは少ないようです。
ラゲッジスペースをはじめ、それぞれの車種ごとの微妙な違いに注目してみるのも、クルマごとに持つ「性格」を知るカギとなるでしょう。
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みんなのコメント
S660は頑張れなかったみたいで残念です。ボンネットのボックス見るたびにホンダZの記憶が蘇る。