「とにかくいい!!」と評判のスズキ新型「スイフト」。2023年12月6日より発売となった新型スイフトは、コンパクトなボディと優れたシャシー性能、新開発の3気筒エンジン+CVTの仕上がりのよさ、そして税込172万円からという価格の安さが魅力。しかしながら、そういわれてもピンとこない、という人も少なくないだろう。自らも「いい!!」と評した筆者が、新型スイフトのどこがどういいのか、ご紹介しよう。
文:吉川賢一
写真:SUZUKI
「スイフトがいい!」ってクルマ好きは言うけど本当にいいの?どこがいいの?
コスパのよさがレベチ
新型スイフトはとにかくコスパのよさが異次元。ヤリス(税込150万円~ガソリン2WD X)やマツダ2(154万円~ガソリン2WD 15C)、ルーミー(156万円~2WD X)、ソリオ(164万円~、2WD G)などもコスパがいいクルマとしてしばしば挙げられるが、新型スイフトは、これらライバルたちよりも一歩も二歩も抜きんでている。
新型スイフトのエクステリアデザインは、垢ぬけたデザインとカラー、そして端正な顔立ちが魅力的で、時間が経っても古く感じさせないタイムレスなデザイン。どことなくMINIのようにもみえるが、驚くべきは内装だ。樹脂素材ではあるのだが、色使いや模様、スイッチのレイアウトなどが上手く、見た目のクオリティが驚くほど高い。日産の「ノートオーラ」並みにも感じられ、相当頑張ったと思う。
燃費性能も驚愕だ。新開発の高効率3気筒エンジン(Z12E)と新CVTによって、CVT車で24.5km/L、5速MT車では最高値の25.4km/Lにもなり、他社製のストロングハイブリッド車も真っ青のレベル。5ナンバーサイズのコンパクトカーでも総額200万円オーバーが当たり前の令和の時代において、このレベルのクルマが200万円をきる価格で購入できるというのだから驚くしかない。
新型スイフト。進化したポイントは、デザイン、燃費/走行性能、安全装備、そして快適装備/パッケージングの4つ
時間が経っても古く感じさせないタイムレスなデザインを採用。リア周りのデザインもスッキリとした印象だ
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運転がとにかく気楽で楽チン
新型スイフトは、爽快な加速が味わえるハイパワーエンジンや強力なモーター、ハイグリップなタイヤなどを装備しているわけではないが、クルマ本体が軽量であることで、ハンドルを操作した通りにキビキビと曲がり、ドライバーの意のままに操ることができる。「意のままに操る」ことができれば、運転による疲労も少なくなる。また、5ナンバーサイズに収めたコンパクトなボディサイズは、何処へ出かけるのも億劫に感じない。軽量ボディによる運転のしやすさと、コンパクトサイズによる気楽さによって、クルマの醍醐味でもある運転の楽しさを味わうことができる。これがスイフト最大のいいところだと思う。
もちろん大きなクルマのほうが、パワートレインやタイヤグリップに余力があるので、力強い走りを体感できるし、車重は重たいほうが乗り心地はより安定するので、「上質なクルマ」に感じられるだろう。ただそれだと、快適性や満足感は上がるかもしれないが、そのかわり車両コストは上がってしまう。
新型スイフトのインテリア。樹脂素材ではあるのだが、色使いや模様、スイッチのレイアウトなどが上手く、見た目のクオリティが驚くほど高い
外観のコンパクトさとは対照的に、4人の大人が快適に過ごせる空間が確保されている
このクラスでは最高の選択肢
「価格の安さ」と「運転が気楽で楽チン」というコンパクトカーの魅力にとにかく特化した新型スイフトは、まさにコンパクトカーのお手本のようなクルマ。今作ではデザインも垢ぬけた雰囲気となったことで、若い人にも人気が出るだろう。
ちなみにこれまでスイフトは、2代目、3代目、4代目と、フルモデルチェンジの度に、RJCカーオブザイヤーの大賞を受賞している。5代目となる今回のスイフトも、カーオブザイヤーの候補に上がることは間違いない。最大のメリットであるボディサイズを踏襲し、奇をてらわないタイムレスなデザインをまとい、先進運転支援を強化したうえでコスト上昇も抑え込んだ新型スイフト。このクラスでは最高の選択肢になったといえ、「いいクルマ」だといわざるをえないクルマなのだ。
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