現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > チョイ悪初代&イチャつき御用達の2代目! マジメなトヨタがハメを外した「bB」はやっぱり異端児だった

ここから本文です

チョイ悪初代&イチャつき御用達の2代目! マジメなトヨタがハメを外した「bB」はやっぱり異端児だった

掲載 12
チョイ悪初代&イチャつき御用達の2代目! マジメなトヨタがハメを外した「bB」はやっぱり異端児だった

ゼロ年代の若者たちにヒットした「ちょい悪」コンパクトカー

 英数大文字小文字を組み合わせた、まるでパスワードのような車名というと最近ではEVの「bZ4X」があるが、今を遡ること22年前、2000年1月に同じトヨタから登場したのが「bB」だった。デビュー当時のトヨタのニュースリリースには、少し長いが引用すると「“bB”は未知の可能性を秘めた箱“ブラックボックス”のイニシャルからネーミングしており、ひと目でわかる存在感のあるトールボックスデザインと、若者のさまざまな使い方をサポートできる広く快適な室内空間を特長とする新コンパクトカーである。」と記載されていた。

まさに「走るラブホ」だった「S-MX」! メーカー自ら「恋愛仕様」と謳う「究極の車中泊カー」だった

 1999年1月に日本デビューをはたした、初代「ヴィッツ」などと同じプラットフォーム(NBC=ニュー・ベーシック・コンパクト)をベースに生まれた派生車の一員。順序的には、1999年8月登場のファンカーゴ、プラッツ(ヴィッツの4ドアノッチバックセダン版)に次いでの登場だった。

ターゲットを20代独身男子に特化

 ところで初代bB発表当時のプレス向け広報資料には、「“bB”は、ターゲットを20代独身男性に特化させ、これまでのトヨタ車にない新しいデザインの創造を目指して開発したクルマ」と明記されていた。ポイントは、強い個性、使いやすさ、抑えた価格の3点で、とくにデザインに関しては「かなり激しいデザインスケッチからスタート」し、「デザイン審査時の“われわれが云々するクルマではない”との役員発言」もあったのだという。

 当時ホンダS-MX(1996年)、日産キューブ(1998年)が相次いで登場、市場で評価を得ていたところで、それらへの対抗馬を立てようとしたトヨタの意気込みは並々ならぬものだったようだ。

攻めたカスタム仕様をメーカー純正でラインアップ

 登場時、今はなき池袋・アムラックス、お台場・メガウェブでは「CAL LOOK Selection」、「Super V Selection」などの用品装着車だけでなく、発売前月の東京オートサロンに出展されたショップ、ドレスアップメーカーのカスタマイズカーまで展示したほどの力の入れようだった。

 CAL LOOK Selection、Super V Selectionはドレスアップの推奨モデルとしてカタログでもページが割かれていて、火の玉ロック風(?)のボディサイドのデカール、専用バンパー、ビレットグリルやメッキのオーバーフェンダーなど、ディーラーオプションとはいえメーカー純正のドレスアップカーとしてはなかなかの攻め具合。インテリアについてもシート、フロアマットのみならずステアリング、インパネまで統一感を持たせた仕様になっていた。当時初めてこのページを見て「ずいぶんヤルなぁ」の印象をもった覚えがある。

アフターマーケットでもカスタムが流行

 ちなみに初代bBは登場後、中古車として市場に出回るようになってもなかなかの人気ぶりだったらしい。関東のとあるエリアで、実際に中古車販売の現場でスタッフとして携わっていたさる関係者の話によれば、「2代目bB登場後の2007年ごろ、初代bBは手ごろな2桁万円台前半からタマがあり、新社会人とか免許とりたての20歳前後の若いお客さんの引きあいが多かった。社外エアロ付きもよく売れた。ヤンチャ成分多めの人ならS-MX、女性なら初代キューブ、bBはちょい悪なノリの30歳前くらいの若い人に人気があった」とのこと。

 たしかにノーマルで乗るユーザーよりも、エアロパーツを装着したり車高を落とすなどして楽しみながら乗っている、そういうユーザーを街なかで多く見かけたような印象がある。

北米市場では「サイオンxB」として展開

 また、初代bBは北米市場にも、現地で当時の「ジェネレーションY」と言われた若いユーザーをターゲットにトヨタが展開した販売チャネル、「サイオン」の1車種(現地名=「xB」)として投入された。同様のモデルに「クライスラーPTクルーザー」があったが、あのレトロ調だったPTクルーザーは「特定の車種ではなく、とある時代のイメージを再現したクルマ」で、姿形は違ってはいたが何となく同じニオイがあったのは、ターゲットが共通していたからかもしれない。

 なお初代bBのカタログは、レトロな30cmアナログLPの紙ジャケットを模したサイズとデザインで、当時いち早く無害なペプラを使ったバッグに入ってくるというこだわった仕様だった(経年劣化でお見苦しいが、写真はそのバッグとカタログ)。

2代目は音と光が売りのイチャつきカーに変貌

 bBは2005年12月に2代目にモデルチェンジされた。この2代目はパッソ/ブーンのプラットフォームから生まれ、ダイハツ版として兄弟車のクーが設定され、さらにスバルとのアライアンスから、スバル版のデックスも登場した。

 この2代目は「ミュージックプレーヤーbB」をコンセプトに、センターコンソールにパワードサブウーファーを組み込んだ9スピーカー構成。音に連動してイルミネーションが光ったり、センターアームレスト部にコントローラーを備えるなど、エンターテイメント性の高いオーディオシステムが投入されていた点が売りだった。

 また「マッタリモードポジション」と呼ぶ、前席(ベンチシート)を85mm後ろにスライドさせると高さが80mm低くなる機能も搭載。カタログも、オトコだけだった初代からカップルが登場するようになり、クルマも人も進化したんだぁ……と思わせられる雰囲気に変わったのだった。

関連タグ

こんな記事も読まれています

長く愛してほしいジープ ラングラー
長く愛してほしいジープ ラングラー
グーネット
メッキマシマシ、これぞプロ仕様! 大型トラック「スーパーグレート」公道デビュー目前モデルの存在感がスゴイ! 三菱ふそう
メッキマシマシ、これぞプロ仕様! 大型トラック「スーパーグレート」公道デビュー目前モデルの存在感がスゴイ! 三菱ふそう
乗りものニュース
レッドブルはもはや”絶対的優位”な立場にはいない……フェラーリのバスール代表ほくそ笑む「我々が少しでも前進できれば、対等に戦える」
レッドブルはもはや”絶対的優位”な立場にはいない……フェラーリのバスール代表ほくそ笑む「我々が少しでも前進できれば、対等に戦える」
motorsport.com 日本版
よりスポーティーな走りを楽しめる!トヨタ「ヤリス」改良モデルの進化を検証
よりスポーティーな走りを楽しめる!トヨタ「ヤリス」改良モデルの進化を検証
@DIME
マジ!? マツダが「次期CX-5」開発を明言!決算会見で明らかに!? 売上&営業利益は過去最高
マジ!? マツダが「次期CX-5」開発を明言!決算会見で明らかに!? 売上&営業利益は過去最高
くるまのニュース
【MotoGP】ホンダはライダーの墓場? ジョアン・ミル「来たときより良くなった人がいない」と爆弾発言
【MotoGP】ホンダはライダーの墓場? ジョアン・ミル「来たときより良くなった人がいない」と爆弾発言
motorsport.com 日本版
アルピーヌ、今季初のハイパーポール進出。ミレッシ「散々だった前戦イモラの”癒やし”になったよ」
アルピーヌ、今季初のハイパーポール進出。ミレッシ「散々だった前戦イモラの”癒やし”になったよ」
motorsport.com 日本版
日産「新型エルグランド」登場! ド迫力の「超ワイドグリル顔」に反響あり! 進化する次期型「キング・オブ・ミニバン」のデザインどうなる!
日産「新型エルグランド」登場! ド迫力の「超ワイドグリル顔」に反響あり! 進化する次期型「キング・オブ・ミニバン」のデザインどうなる!
くるまのニュース
マツダCX-5級だから「日本にジャストサイズ」 BMWの新型「X2」は“クーペSUVらしく”カッコいい! ゆとりの室内&力強い走りも魅力的
マツダCX-5級だから「日本にジャストサイズ」 BMWの新型「X2」は“クーペSUVらしく”カッコいい! ゆとりの室内&力強い走りも魅力的
VAGUE
ご飯がススム「かつ鍋」に大満足!! 夜の首都高「大黒PA」
ご飯がススム「かつ鍋」に大満足!! 夜の首都高「大黒PA」
バイクのニュース
「アバルト595」の柔と剛を使い分け!? トライアルのストリート仕様とサーキット仕様を乗り比べました【デモカー試乗】
「アバルト595」の柔と剛を使い分け!? トライアルのストリート仕様とサーキット仕様を乗り比べました【デモカー試乗】
Auto Messe Web
トラック好きじゃなくても圧倒される展示内容! ジャパントラックショー2024は激熱車両だらけだった
トラック好きじゃなくても圧倒される展示内容! ジャパントラックショー2024は激熱車両だらけだった
WEB CARTOP
至極のラグジュアリースポーツ「グラントゥーリズモ」にオープンスーパースポーツの「MC20」も! マセラティ出展情報【ル・ボラン カーズ・ミート2024 横浜】
至極のラグジュアリースポーツ「グラントゥーリズモ」にオープンスーパースポーツの「MC20」も! マセラティ出展情報【ル・ボラン カーズ・ミート2024 横浜】
LE VOLANT CARSMEET WEB
【映画】F1界の帝王を描く「フェラーリ」の場面写真などが解禁に。公開は2024年7月5日!
【映画】F1界の帝王を描く「フェラーリ」の場面写真などが解禁に。公開は2024年7月5日!
Webモーターマガジン
新コースレコード樹立のマルティンPP獲得。マルケス、Q1敗退の13番手|MotoGPフランスGP予選
新コースレコード樹立のマルティンPP獲得。マルケス、Q1敗退の13番手|MotoGPフランスGP予選
motorsport.com 日本版
マツダ『CX-5』次期型に、マツダ製ハイブリッド搭載へ
マツダ『CX-5』次期型に、マツダ製ハイブリッド搭載へ
レスポンス
マツダ、好調な業績を発表:2024年3月期決算
マツダ、好調な業績を発表:2024年3月期決算
レスポンス
ホンダ「過去最高」の営業利益1.4兆円! 2020年後半に向けて電動化追及へ
ホンダ「過去最高」の営業利益1.4兆円! 2020年後半に向けて電動化追及へ
くるまのニュース

みんなのコメント

12件
  • ターゲットユーザーに媚びすぎた悪い例。

    初代bBはシンプルなデザインや視界のよさから若者以外の支持もあったが、2代目でそれを帳消しにして押し付けがましい感じになったうえ、ダイハツの設計に変わって格下感も出てしまった。
  • アルファード以前に煽り運転の筆頭株主。
    特に黒いヤツはドキューン
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

160.5193.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

10.0185.9万円

中古車を検索
bBの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

160.5193.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

10.0185.9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村