■どんなクルマ?
トヨタ・ハリアー これまでの歩み
トヨタ、全固体電池EV 2022年導入へ 満充電、1時間未満
世界に先駆けて「高級クロスオーバーSUV」という新ジャンルを開拓した、とトヨタが胸をはるエポックメイキングな1台。
「WILD BUT FORMAL(ワイルド・バット・フォーマル)」のキャッチコピーで国内に登場したのはいまから20年前の1997年。海外ではレクサスのバッヂを付け、RX名で販売された。
なにが受けたかって、ようするにカムリのプラットフォームを使って、快適性重視のSUV風乗用車をつくったことにある。ハリアー以前のSUVは、「ワイルド・アンド・ワイルド」で、高級SUVといえどもラダーフレームにリジッドサスペンションが当たり前だった。
4WDファンからすれば、ハリアーのようなクロスオーバーは驚天動地のトンデモないシロモノだったけれど、20世紀の終盤、もはやアメリカだってフロンティアは開拓され尽くしていたのだから、フツーの人にとってはなんの差し支えもなかった。
2013年に発売となった現行3代目ハリアーは、レクサスの主力モデルであり続けているRXとは縁を切り、国内専用モデルとして開発された。
3代目ハリアー 2017年型、どう違う?
国内専用モデルとして開発されたかわり、弟分のNXと共用部分を多くしているわけだけれど、それはさておき、今回のマイナーチェンジのテーマは「『ハリアーネス』を確固たるものとするべく開発した」とされている。
「ハリアーネス」とは、「高級/先進/洗練」を軸とするハリアーブランドの総称だそうだ。
3代目ハリアーは、発売以来3年もたっているのに、昨2016年度の国内の車名別販売台数で18位に入っているほどの人気で、この人気がトヨタ開発陣をして「ハリアーっぽさ」という自信に満ちた造語をつくらしめた。300~400万円台の高級車が月販4000台をキープしているのだ。まさにトヨタのドル箱と呼ぶにふさわしい。
前置きが長くなりました。外観の変更点は、ヘッドライト、グリル、大きくなったロワーグリルなどである。とはいえ、一見して新型かどうか、素人が見極めるのはむずかしい。
決め手のひとつは、ハイブリッドとガソリンNAの「ELEGANCE」グレードを除く全モデルに標準装備されるLEDのシーケンシャルターンランプだ。
右左折の際、ウィンカーが内側から外側に流れるように点滅したら、まちがいなく3代目後期型ということになる。
■どんな感じ?
「スポーティさに欠けている」という声に
「スポーティさに欠けている」という声に応え、2ℓ直噴ターボ・モデルが新たに加わった。ようするにレクサスNX200tのパワーユニットを持ってきた。NX200tより最高出力が若干低められているのは自社プレミアムブランドへの気づかいということだろう。
最高出力は231ps/5200~5600rpm、最大トルクは35.7kg-m/1650~4000rpm。ぶ厚いトルクは同一で、車重1.7トンクラスgを走らせるのに不足はない。
駆動方式はFWDと電子制御の4WDの2種類ある。今回試乗したのはFWDモデルで、FWDにパワフルなターボ・エンジンのため、FWDならではのフィールが色濃い。ターボ過給によるトルク変動がもたらすステアリングへの影響だったり、急加速時のスナッチだったり……。
「パフォーマンスダンパー」なる、ボディの振動、変形を抑えるヤマハ製のパーツを前後に採用し、足回りも固められている。タイヤはハイブリッドと同じ235/55R18のBSエコピアなのに、乗り心地ははっきり硬い。
2.5ℓ+電気モーターのハイブリッドの印象は?
キビキビ感のある中型FWD車、ととらえられなくもないけれど、もしこれをホントにスポーティに走らせようとするならば(そういう需要があるかどうかは別にして)、レクサスNXの電子制御4WDシステムをもってくる必要がある、と思った。
2.5ℓ+電気モーターのハイブリッドは、パワーバンド・フィールの改善が図られている。なるほど、アクセル開度に対するリニア感が向上しており、内燃機関とモーターとの連携がよりスムーズになっていて、ブレーキのフィールを含め、ハイブリッドの違和感が薄まっている。
新型カムリ用に開発された新世代ではなくて、旧世代のハイブリッドだけれど、高回転まで回したときのエンジンの回り方に若干雑味があるぐらいで、特に不満というものが見出せない。
しなやかな乗り心地、やや高所からの視界のよさ、大人4人がゆったり乗れる居住空間と広い荷室、と初代以来20年も続いている美点はいまも色あせていない。
■「買い」か?
「ベントレーではないですか!」
試乗したダークブルーメタリックのPROGRESS(グレード名)E-Four、つまりハイブリッドにはFWDと電気式4WDがあって、後者の4WDだったわけだけれど、そのクルマから降りて室内を振り返った際、筆者は思わず笑ってしまった。ベントレーではないですか!
「ダークサドルタン」と呼ばれるインテリアを選ぶと、シートの座面と背面にダイヤモンド柄のキルティングが用いられるこちらになる。だけどこれ、ベントレー・ベンテイガとは異なり、合成皮革なんである。
でもって、車両本体価格は4,604,040円。レクサスNXのハイブリッドAWDが454万円からだから、細かい装備の違いはさておき、トヨタ・ハリアーのハイブリッドはプレミアムブランドよりも高いのだ。もちろん、ベンテイガの2,739万円にはおよびませんが。
それだったらレクサスの方がいいんじゃないの、エバリが利いて。と私なんぞは思うわけだけれど、エバリが利かない方がいい、という控えめな考えかたをされる消費者というのも世の中には存在していることもまた確かである。
かつてジャガーはベントレーの3分の1の価格で、ベントレーもかくやのスタイリングを実現し、立身出世を成し遂げた。
ハリアーはベントレーの6分の1の価格で、しかしこの分野のオリジナルとして日本国内の中間層にアピールする。ああ、わが沈みゆくニッポンのしぼみゆく中間層……。
もしいま、あなたの財布に何がしかのお金があり、中型のファミリーカーをご所望とあれば、ハリアーはその実用性においてきっとあなたを満足させるだろう。
そして、自動車の歴史についてあれこれ考える上でも、なかなか興味深い買い物となるに違いない。
トヨタ・ハリアー・ハイブリッドPROGRESS(4WD)
■価格 4,604,040円
■全長×全幅×全高 4720×1835×1690mm
■最高速度 –
■0-100km/h加速 –
■燃費 21.4km/ℓ
■CO2排出量 108g/km
■乾燥重量 1800kg
■エンジン 直列4気筒2493cc
■最高出力:エンジン 152ps/5700rpm
■最大トルク:エンジン 21.0kg-m/4400-4800rpm
■最高出力:モーター(前) 143ps/3185-8000rpm
■最大トルク:モーター(前) 27.5kg-m
■最高出力:モーター(後) 68ps/3185-8000rpm
■最大トルク:モーター(後) 14.2kg-m
■ギアボックス シングルスピード
トヨタ・ハリアーPROGRESS(2.0ℓターボ/FF)
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