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ランボルギーニ創立60周年、トラクター生産時代からの歴史をひもとく

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ランボルギーニ創立60周年、トラクター生産時代からの歴史をひもとく

アウトモビリ・ランボルギーニ社が2023年5月に創立60周年を迎える。その歴史は60年前に遡り、1963年5月7日、「アウトモビリ・フェルッチオ・ランボルギーニS.a.s.」が設立された。この社名がゼロから出発して自動車産業に新たな革命をもたらすベンチャー企業の最初の名前であった。カーデザインのアイコンを生み出し、今日の世界的に有名な企業「アウトモビリ・ランボルギーニS.p.A.」へと進化。現在は2000人以上の従業員を抱え、2022年には9233台を販売している。

アウトモビリ・ランボルギーニは創立60周年を記念して、数多くの国際的なイベントを計画している。それぞれのイベントの特長は異なるが、オーナーとそのランボルギーニ、オフィシャル・ランボルギーニ・クラブ、ディーラー、そして世界中のファンを巻き込むという目的は共通したものになっている。

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現在のランボルギーニ社国際的な祝賀プログラムは、1月にサンタアガタ・ボロニェーゼにある新装のランボルギーニ・ミュージアムの落成式と「The Future Began In 1963」展で始まった。その後、鈴鹿サーキットで開催された「ランボルギーニ・デイ・ジャパン – 60th Anniversary」と、4月29日にシルバーストーン・サーキットに380台以上のランボルギーニが集結した「ランボルギーニ・デイ・UK – 60th Anniversary」という2つの大イベントが開催されている。

そして5月24日にはイタリアで「ジロ60周年記念」ツアーが開催され、5月28日にはボローニャのマッジョーレ広場で一般公開されるコンクール・デレガンスで、150台以上のランボルギーニが参加する予定になっている。

■ ランボルギーニの歴史
創業者のフェルッチオ・ランボルギーニは1948年に、イタリアのフェラーラ県チェントで敗戦後の混乱の中、当時必要とされていたトラクターの生産を目的として設立した。当初は旧式の軍用車両を改造したトラクターを生産し、1959年にはボイラーやエアコンなどの生産も拡大した。

1963年、フェルッチオ・ランボルギーニはスポーツカーを製造するためにアウトモビリ・ランボルギーニ社を設立し、ブランドシンボルとして24本の槍で突かれならが生き延び、その後恩赦を受けた伝説の闘牛、ムルシエラゴを強さの象徴として選定。そしてスポーツカーの開発が始まった。

フルッチョ・ランボルギーニと2+2の「ハラマ」、そして本業のトラクターもともとスポーツカーの愛好家であったフェルッチオ・ランボルギーニと、エンツォ・フェラーリとの間で起こった論争がきっかけで独自のスポーツカー生産を決意したという説がよく知られている。

ランボルギーニは購入したフェラーリの調子が悪く、フェラーリの社長であるエンツォ・フェラーリにクレームをつけ論争になった。そこでランボルギーニは自分でスポーツカーを作ると宣言したが、エンツォ・フェラーリは、ランボルギーニはトラクターしかまともに作れないからスポーツカーは作れないと答えたという。

ランボルギーニは自社で、より速いスポーツカーを作ろうと決意。ただし他の説では、フェルッチオ・ランボルギーニはエンツォ・フェラーリに直接会ったことはなく、スポーツカー製作を始めたのは主に自分のトラクター会社を宣伝するためであったとされている。

1963年、ランボルギーニ製のスポーツカーの最初のプロトタイプである「ランボルギーニ350GTV」が発表された。このプロトタイプは量産に至っておらず、市販化が始まる前にエンジンとボディともに変更された。

ミウラ P400そして1964年、ついに350GTモデルの最初の生産がスタート。12気筒エンジンの性能は、明らかにフェラーリを凌駕していた。その後、ランボルギーニは1966年に発表されたミウラで大きな話題となり、世界中にその名を轟かせることになった。

ミウラは、ランボルギーニの当時のチーフエンジニアであったジャン・パオロ・ダラーラが企画・開発を担当。ミウラのボディは、当時27歳だったベルトーネ社のマルチェロ・ガンディーニがデザインを担当した。

プラットフォーム・フレームに搭載される横置きのミッドシップ・エンジンはシートの真後ろに配置され、量配分、コンパクトなボディサイズという点では優れているが、室内の騒音レベルも高いのが特長だ。4.0LのV12エンジンは350ps、車重980kg、最高速度300km/hとされていた。ディファレンシャルと一体化された5速ギヤボックスは、エンジンに直接結合されている。4輪ダブルウイッシュボーン式サスペンションで、ステアリングはラック&ピニオン。4輪ディスクブレーキはサーボなし。

ミウラは全長4.37m、全幅1.76m、車高はわずか1.05mというスポーツカーの典型的なプロポーションで、最も全高の低いスポーツカーの1つである。最後のシリーズであるミウラSVは、わずかにボディがワイド化された。ミウラは1965年11月にトリノで発表され、翌年3月のジュネーブモーターショーでの発表で、来場者を熱狂させた。

生産されるミウラとV12エンジンミウラP400とその後継モデルであるミウラS、ミウラSV(スピント=駆動、ヴェローチェ=高速)、ミウラSVJが生産された。市販モデルのボディはベルトーネ社が製作を担当。ミウラは1966年から1970年まで合計474台が生産され、ロードスターを含めると475台となる。ミウラSの生産期間は1968年から1971年までで、140台が生産された。最後の1台は1975年4月に出荷されている。

ミウラ以降、ほとんどのスポーツカー・モデルがスペインの有名な闘牛種や闘牛の名前を冠しており、新型の全輪駆動モデルであるムルシエラゴやガヤルドもその例に倣っている。例外はカウンタック、シルエット、エスパーダ、そして2019年のシアンという4台だけである。

カウンタック LP400 (1号車)カウンタックが完成した後、それにふさわしい闘牛の名称が思い付かなかった。伝説によると、カウンタックが工場の庭に置かれ従業員が招集された。従業員の一人が、そのクルマを見て「カウンタック」(ドイツ語では「ドンナーヴェッター」)と呼んだことから、そのクルマに名前が付けられたという。なお、カウンタックで初めてシザースドア(跳ね上げ式ドア)が採用され、その後もこの特長は継承されている。

カウンタック LP500S(1985年)闘牛の伝統から逸脱したモデル名のシルエットは、1976年から1980年にかけて開催された市販スポーツカーによるFIAグループ5選手権「フォーミュラ・シルエット」から、エスパーダはマタドールの突き刺す剣から名づけられた。多くのモデル名に含まれる追加呼称「LP」は、longitudinale posteriore(=「リヤ縦置き」)の略で、縦置きのエンジンの搭載位置を意味している。

1970年代初め、ランボルギーニはモデルレンジを拡大した。4人乗りのエスパーダと2+2のハラマは、最も高価なイタリアのスポーツカーのひとつとなった。同時に、ポルシェ911に対抗することを目的としたウラッコのような小型のV型8気筒モデルで新しい顧客層を獲得しようとしたが、この計画は失敗に終わった。

ランボルギーニが開発に多額の資金を投入したウラッコは、計画通りの台数を販売することができなかった。このためとオイルショックの影響もあり、1972年にランボルギーニは経営難に陥ってしまう。フェルッチオ・ランボルギーニはついにトラクター部門を売却し、引退した。

スポーツカー部門は、1970年代以降は何度も経営が変遷し、1972年から1977年まではスイスの企業家ジョルジュ・アンリ・ロセッティとルネ・ライマーがオーナーとなった。彼はウラッコの生産を再開し、アメリカ軍との開発契約に基づく前衛的なオフロード・モデルのLM002を発表した。1987年、アメリカの量産メーカーであるクライスラーがランボルギーニ社を買収した。1994年まで続いたこの時代には、ランボルギーニがF1に参戦した。1994年から1998年まで、ランボルギーニはインドネシアのメガテックグループに所属していた。

ウラカン EVOその後、1998年にフォルクスワーゲン・グループのアウディAGが買収して現在に至り、再び幅広いモデルをラインアップしている。

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