マリオ高野&井元貴幸の『歴代レガシィ』を探る!! <我ら好き好きレガシィ団(初代~2代目編)>
1989年の初代登場以降、「SUBARU」ブランドの繁栄とともに歩んできたといっても過言ではない『レガシィ』。最近でこそ、国内ではその存在感が薄れてきたとはいえ、みんなが愛する「SUBARU」のフラッグシップであることに変わりはない。 そこで今回は各世代の再取材を敢行。改めて、その魅力を探ってみたい。
【知ってる?】インタークーラーで空気を冷やしてパワーアップ!
【初代レガシィ(BC型・セダン/BF型・ワゴン)】
「SUBARU」の誇るフラッグシップの魅力を再認識!!
プロフィール 経営危機に陥っていた当時の富士重工が社運をかけ、エンジン、シャーシ、ボディなど、すべてを新設計したフラッグシップモデル。『レガシィ』は、伝承物の意をもつ。その初代モデルとなるBC/BF型は1989年に登場。セダンは10万km世界速度記録の樹立やWRCへの参戦など輝かしい栄光を手にし、ワゴンは登場から数カ月後に追加されたDOHCターボエンジンを搭載する”GT”が登場時からライバル不在で大ヒットした。
主なグレード構成
2.2ℓ……ブライトン220 2ℓターボ……RS(セダンのみ)/GT 2ℓ……VZ/TZ/ブライトン 1.8ℓ……Ti/Mi/Ei
★主要諸元 ※【 】内はMT車
「SUBARU」の危機を救った革命的モデル
[マリオと井元のプチインプレ]
マリオ(以下、マ)BC型のRSタイプRAと比較すると、GTはなんだかユルいですね。 井元(以下、井)ステアリングの重さを切り替えても変わりませんか? マ) “ユルユル”が”ユルい”になるくらいですかね~(笑)。RAが良すぎたのかもしれないなぁ。 井)初代『インプレッサ』のオーナー目線で見ると、初代『レガシィ』ってどうですか? マ)『インプレッサ』(GC型)を基準で見ると、やっぱり車格が上の大人のクルマだなと。GC型と初代『レガシィ』って使っているパーツも同じものが多くて、昔はほぼ同じクルマかのように思っていましたが、やっぱり乗ると差別化がしっかりされていると感じますよね。 井)例えばどんなところが? マ)コイントレイに「TRAY」ってちゃんと文字が書いてあったり、エアコンの操作系にも高級感ありますよね。リアシートも広いし。 井)世代的にはBC/BF型のほうが古いけど、『インプレッサ』より車格が上な分、装備も高級感ありますよね。『レガシィ』派からすると、4代目までは「MOMO」製ステアリングを採用していますよね? 一方でGC型はナルディ製を採用していましたが、そのあたりはどうなのか気になっていましたが。 マ)この初代の「MOMO」製のステアリングに関してはグリップが細めじゃないですか? 僕のGC型に近い感じですね。スポークの数は違うけど握り心地の違和感はないです。ただ、レガシィは操舵感が軽めなので、手汗をかいても滑らない。GC型はステアリングが重いので手汗対策にグローブは必需品です! 井)ステアリングを重いほうのモードにしてもGC型より軽いですか? マ)全然軽いですよ! 井)ステアリングの重さの違いなんかもレガシィはロングツーリング向けで軽めにしていたのかもしれませんね。GTでも乗り心地もいいし。 マ)そういった意味では、『インプレッサ』乗りからするとダルく感じちゃうかもしれないですよ。ただ、RAは重めで操舵のレスポンスもよかったですけど。当時としては『インプレッサ』も『レガシィ』も同じターボで価格帯が同じでしたが、『レガシィ』は大人が乗るクルマという印象でしたね。 井)私が20歳のときは全然買えない価格のクルマでしたから。 マ)憧れのクルマでしたよね。 井)本当に欲しかった! 今でも欲しい1台です。
辰己さんが仕上げた極上の走り!!
当時の開発責任者・中村担当部長が「今回のクルマは社外に出してさまざまな道路を走り込む。それをひとりのドライバーに集中させる」と決め、白羽の矢が立ったのが、当時、車両実験第4課にいた辰己さん。「過渡的なフィーリングや操縦性に気を配りました。またRSはある程度遊べるように味付けしました」とコメントしている。
マ)この時代って、ボンネットのインテークはインタークーラーを冷やすためのものではないんですよね。 井)水冷インタークーラーですしね。 マ)GC型の前期もそうですけど、ボンネットの中に煙突みたいのがあって、インテークから入った風でタービンを冷やしてたんです。 井)水冷インタークーラーもこのGTは黒ですけど、RSタイプRAは専用のゴールド塗装だった。 マ)エンジンも“元祖”手組みバランス取りがされていて、フィーリングも全然違いますね。 井)でも個人的にはグランドツアラー要素の強いGT系のほうが好きかもしれない。 マ)RAはどちらかというとインプレッサの前身にあたるクルマで、もっとスポーツ色が強いですね。
初代『レガシィ』は・・・ 「インプレッサとしっかり差別化されている(マリオ)」 「本当にほしかった憧れのクルマ(井元)」
ビッグマイナーチェンジ後
現在のtSの元祖!?ワゴンベースの『STIコンプリート』 全国200台限定受注生産モデルとして登場したワゴンSTI。実はATのみの設定だった。
井元貴幸が選ぶマニアックポイント
【2代目レガシィ(BD型・セダン)/BG型(ワゴン)
爆発的な人気を博した「SUBARU」珠玉の名作
プロフィール
初代のヒットを受け、エクステリアはキープコンセプトとしながら正常進化といえるフルモデルチェンジを果たした2代目。パワーユニットは2ステージツインターボの採用で250㎰を発生。AT車のセンターデフにはSVXに搭載されたVTD方式をレガシィとして初採用。96年のビッグマイナーチェンジではMT車が2ℓ車で国産車初の280㎰を達成した。 そして、白の”GT-B”が街にあふれるほどの爆発的大ヒットとなったのである。
主なグレード構成
2.5ℓ……250T/グランドワゴン 2.2ℓ……ブライトン220(ワゴンのみ) 2ℓターボ……RS(セダンのみ)/GT/GT Bスペック(ワゴンのみ)/GT-B(ワゴンのみ) 2ℓ……TS/TSタイプR/TX/TSタイプS/ブライトン 1.8ℓ……LX
★主要諸元 ※【 】内はMT車
スポーツワゴンとしての資質が備わった2代目『レガシィ』
[マリオと井元のプチインプレ]
マリオ(以下、マ)2代目はもう、シートに座った瞬間からスポーツですね! 井元(以下、井)GT-Bはスポーツシートで、サイドサポートも張り出していますからね。 マ)この短い区間の試乗だと、ツインターボのトルクの谷間は感じない。 井)今回はMTですが、ATだと、マニュアルシフトしたときやキックダウンしたときに、ある一定の回転域に落ち込んじゃうと加速しないんですよ。でも走り出しは軽いですね! マ)こっちのほうが初代よりGC型に近い気がしますね~。 井)シフトのストロークなんかはGC型より全然長いですけどね。このクルマはC型のGT-B Limitedというのもありますが、私が乗っていた前期より、内装も高級感ありますね。前期はエアコングリルの周りとかもっとチープでした(笑)。 マ) ツインターボって当時からトルクの谷間を指摘されていましたが、『インプレッサ』のシングルターボと比べると、微低速のトルクは『レガシィ』のほうが余裕ありますね。やっぱりプライマリータービンが低回転から利いている感じです。GCや初代『レガシィ』のRAも、低回転域のトルクはこれに比べると細い! 井)この当時のスバル車って全体的に低回転のトルクは細いですよね。 マ)このクルマは後期型で、先ほど乗った初代の前期とは時代がかなり離れていますけど、それを差し引いても、初代と2代目の差ってだいぶ大きいですよね。一気にスポーツカーになった感があります。
ガーニッシュが強調された2代目は、リアビューもより乗用車っぽい仕上がりに。
ビルシュタインサスが垂涎の的に! 後期型GT-Bに採用されたビルシュタインダンパーはフロントに倒立式を採用。『レガシィ』の装備として象徴的なアイテムとなった。 井)初代と比べるとメカニズムなどにコストがかかった影響なのか、装備的には初代から継承されなかったものも多いですけどね。バニティミラーの照明とか、車速検知式集中ドアロックとか。マップランプはVABのB型まで使われてきた名作ですけど(笑)。 マ)2代目は井元さん初のスバル車で、初の『レガシィ』ですよね? 満足度からするとどうでした? 井)めちゃめちゃ高かったですよ! クルマ好きの友人たちからも注目されました。 マ)そうですよね。当時はすごい人気で、”お前すごいクルマ買ったな!”という感じですよね。”250㎰かよ!”とか言われませんでした? 井)ちなみに女子ウケもめっちゃよかったです(笑)。 マ)そうでしょ? 当時付き合っていた女のコが、私のGC型に乗るときはすごい嫌な顔をして乗ってたのに、車検の代車で2代目『レガシィGT』が来たときはスゴイ喜んで”レガシィ・ツーリングワゴンや!”ってとても目を輝かせてましたから(涙)。”普段も大して変わらんクルマに乗ってんのに、なんでそんなに違うんだよ!” って当時は思いましたけど(笑)。レガシィ・ツーリングワゴンのブランド力を、マジマジと実感しましたね。
2代目『レガシィ』は・・・ 「初代よりもGC型に近いものを感じる(マリオ)」 「トルクの谷間はあるけど走り出しは軽快(井元)」
ビッグマイナーチェンジ前
ワゴン部門の世界速度記録樹立!2代目ではワゴンが米国ボンネビルで1kmの区間平均速度249.981kkm/hを達成し世界記録を樹立。
注目グレードはコレ!!
最終型に追加されたGT-Bリミテッドには大型フォグランプやウッド・レザーのコンビステアリング、ウッドシフトノブを採用。 井元貴幸が選ぶマニアックポイント
「我ら好き好きレガシィ団」。次回は3代目と4代目を紹介しまーす!
[リポート:マリオ高野/井元貴幸]
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