スイス→リヒテンシュタイン→イタリア
ドイツの南西、リンダウへ移動してポルシェ・タイカンを再び充電。駆動用バッテリーを95%まで回復させ、この先は約320kmを一息で走る。スイスのアルプス山脈を抜けながら、オーストリアとイタリアの国境、ブレンナー峠を越える。
【画像】現在は3スタイル展開 ポルシェ・タイカン 兄弟モデル アウディeトロン GTも 全100枚
小さなリヒテンシュタインを10分たらずで通過し、タイトなカーブが続くワインディングを進む。勾配がきつく、航続距離は当初の想定値からみるみる短くなる。イタリアへは翌日の3時25分に入国。駆動用バッテリーの残量は10%だった。
イタリアの北端、ブレンネロの町に設置された急速充電器では、今回のグランドツアーで最速となる262kWの充電スピードが得られた。完了を待っている間、タイカン・クロスツーリスモで旅行帰りだというドライバーと話すこともできた。
彼らはイタリア半島のアマルフィ海岸で休暇を楽しんだ後、フィレンツェでブランド品を買い、深夜の空いた道でドイツ・ハンブルクへ戻る途中だという。普段はどんな仕事をしている人なのだろう。
イタリア→オーストリア→スロベニア
イタリア北部からオーストリア南部を抜ける道すがら、ワインディングで現在のBEVとしてベストといえるタイカンのドライビング体験に浸る。ステアリングは極めて正確で感触が豊か。ブレーキは安定していて、ペダルの踏み心地も見事だ。
300kmほど続くアルプス山脈沿いのルートで、存分にポルシェを堪能することができた。運転する喜びが、そこにはあった。
しかも、オーストリアからスロベニアへ向けては下り坂。タイカンは知的なアダプティブ回生ブレーキの能力をいかんなく発揮し、位置エネルギーを電気エネルギーに変換していく。ここまでの行程で、予定から遅れていた30分を取り戻すこともできた。
夜の道は空いていて、巡航速度も理想的だった。国境警備隊はパスポートを殆ど見ずに通過を許可し、7時30分にスロベニアへ入国。駆動用バッテリーには50%も電気が残っていた。
北部のラドブリツァという町での充電は、30分も必要とせず再出発できたほど。あっという間に休憩時間が終わったことに、助手席の同僚が残念そうに話す。「今回の旅の充電行程は、ドライバーに容赦ありませんね」
次の充電ポイント、スロベニア南東部のスメドニクまでは132kmと比較的短距離。ふと広域の地図を見ると、自分でも驚くほどのペースで遠くへ到達していることに感心してしまった。平均の移動速度は、当初の計画よりかなり速い。
スロベニア→クロアチア→ハンガリー
予定ではクロアチアを通過し、ボスニア・ヘルツェゴビナからセルビアへ向かう予定だったが、時間に余裕が生まれたため、1度ハンガリーへ立ち寄ることに。計画より多い国境をまたぐことができる。
たとえ時間切れでセルビアにたどり着けなくても、予定通り13か国は回れるだろう。クロアチアには交通量の少ない高速道路が敷設されており、ハンガリーとの国境には1時間半で到着。われわれもまだ元気だ。
厳しい面持ちの国境警備隊が、ブレグジットによりEUではなくなった英国のパスポートをちらりと確認し、検査を待つよう指示をする。ところが、スタンプを押してもらうまでに45分もかかってしまった。
ゲートを抜けると、クロアチアへ戻ろうとするクルマの列が目に飛び込む。想定外に時間が奪われることは明らかだったため、道を間違えたことを理由に引き返すことに。幸い、国境警備隊は同情してくれ、列の先頭からクロアチアへ再び入国することができた。
ハンガリー→クロアチア→ボスニア・ヘルツェゴビナ→セルビア
ハンガリーへの入国はほんの数分。クロアチア・ザグレブへ急ぐ。時間が押してしまったため、アイオニティ社の急速充電器には23分だけつないだ。駆動用バッテリーは80%まで回復した。
これから先は、ボスニア・ヘルツェゴビナとセルビアを回り、再びクロアチアの急速充電器に戻る予定。短い休憩も済ませ、13時10分にザグレブを出発。少し気持ちが高ぶっているのを自覚しつつ、ボスニア・ヘルツェゴビナまでは90分ほどで到着した。
サヴァ川をまたぐ国境は、滞ることなく通過。16時までの残り時間はわずか。入国してすぐにUターン。ボスニア・ヘルツェゴビナの滞在も数分で終え、三度クロアチアへ。
もし再入国で引っかかっていたら、今回のグランドツアーの目標は達成できなかっただろう。セルビアの国境までは、ナビによると75分。現在は14時半。駆動用バッテリーを温存するためエアコンをオフにし、先を急ぐことにする。
オランダを出発してから23時間53分が経過した15時53分、無事にセルビアへ入国。ポルシェ・タイカンは、当初の予定より長い1930kmを7回の充電で走破した。平均速度は98km/hとなった。
ルクセンブルクでの渋滞やハンガリー国境での検査など、予定外に時間を消費する場面もあったが、24時間で14か国を訪れることに成功した。駆動用バッテリーの残量はセルビアへの入国時点で、残り20kmぶんしかなかったのだが。
さて、これから家路が待っている。
ポルシェ・タイカン・パフォーマンスバッテリー・プラス(英国仕様)のスペック
英国価格:7万9549ポンド(約1312万円)
全長:4963mm
全幅:1966mm
全高:1395mm
最高速度:230km/h
0-100km/h加速:5.4秒
航続距離:505km
電費:4.8km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2130kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
バッテリー:83.7kWh(実容量)
最高出力:475ps(オーバーブースト時)
最大トルク:36.2kg-m(オーバーブースト時)
ギアボックス:2速オートマティック
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
緊急避難なら駐車違反が罰せられないなら「腹痛で路駐してトイレに駆け込んだ」ってあり? 違反が免除されるケースとは
一般車両侵入でSS12中止のラリージャパン、主催者に約800万円の罰金! 執行猶予付き1600万円の追加罰金も
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
レクサス新型「小型スポーツカー」がスゴい! “テンロクターボ”×初の6速MTを搭載! 最小SUV「LBX MORIZO RR」どんなモデル?
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?