「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、クリーンディーゼルを搭載した三菱 パジェロだ。
三菱 パジェロ(2010年:一部改良)
「ポスト新長期規制」の高いハードルを、パジェロがついに乗り越えた。免税措置とともにクリーンディーゼル導入補助金まで受けることのできる、立派なエコカーとして生まれ変わった。しかも、パワーとトルクを大幅に向上。エコでもエゴでも、見事な革新を遂げたことになる。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
3.2L 直4 DOHCのコモンレール式ディーゼルターボエンジン「4M41型」は、インジェクターの応答性を高めるとともに、シリンダーヘッドの吸気ポート形状を変更。さらにVG(可変ノズル)ターボチャージャーのコンプレッサーホイールやハウジングの形状を最適化するなどといった改良によって、高出力化を実現している。
同時に、NOxトラップ触媒やEGRクーラーを改良することで、ポスト新長期規制に対処した。これにAT伝達効率、燃焼効率の向上、タイヤの転がり抵抗低減、減速エネルギー回生システムの新採用といった変更を加えることで、先代に比べて約0.4km/Lほど燃費を向上させている。
スペック上は最高出力で12%、最大トルクで19%もの性能アップを果たした。とくに、わずか2000rpmから発揮される最大トルクは、なんと45.0kgm! 今回は、その圧倒的な大トルクをタフなオフロードコースでたっぷり満喫することができた。
ツキの良さが魅力のビッグトルクエンジン
とくに驚かされたのが、急角度でしかもラフな登坂シーンだ。インストラクターの指示どおりに坂の手前で一時停止。目の前の坂は歩いて上るのもキツそうな急勾配だが、パジェロはそこからアクセルをゆっくりと踏み込めば、スルスルと見事に登り始める。
「坂の途中で止まってもOKです」と言われて、おそるおそる停止。斜めに傾いたままでアクセルを開けると、何事もなかったかのように再び登り始める。各種電子制御デバイスの助けはもちろんあるのだが、やはり低回転から生み出される豊かなトルクの支えがあるからこそ、涼しい顔でハードなコースを乗り越えることができる。
加えて、この改良されたディーゼルターボエンジンは、実にツキがいい。アクセルのオン/オフにリニアに反応し、シチュエーションごとに期待するとおりのトルクをレスポンス良く発揮してくれる。わずかな幅しかない二本の丸木橋を、タイヤを落とさないようにそろそろと乗り越える難所があったが、ここでも加減速のコントロール性の高さを実感できた。
トルクフルでしかもツキがいいから、ストレートでスピードのノリもいい。2トン超もある巨体を、スポーティに振り回すこともできる。エンジンサウンドには、いかにもディーゼルらしい「ガラガラ音」は残っているが、総じてなかなかスポーティな印象さえ感じさせる改良だ。
今回はクローズドのオフロードコースだけの試乗だったが、いずれあらためてターマックでの運動性能や、長距離ドライブでグランドツーリングカーとしての才能についてもチェックしてみたいものだ。
■三菱 パジェロ ロング スーパーエクシード 3.2 ディーゼルターボ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4900×1875×1870mm
●ホイールベース:2780mm
●車両重量:2290kg
●エンジン種類:直4 DOHCディーゼルターボ
●排気量:3200cc
●最高出力:140kW<190ps>/3500rpm
●最大トルク:441Nm<45.0kgm>/2000rpm
●トランスミッション:5速AT
●駆動方式:フロント縦置きパートタイム4WD
●10・15モード燃費:10.2km/L
●タイヤ:265/60R18
●当時の価格<税込み>:476万7000円
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みんなのコメント
走行距離は150,000㎞。
この間、パジェロは家族の夢や希望を載せて、目的地へ運び
笑いあり、涙あり、感動ありの10年をパジェロは家族を温かく見守り、包んでくれた感じで一杯です。
クリーンディーゼル車への交換も考えたのですが、震災後の燃料高もあってか”エコ”を考えだした時期、時代がクリーンカ-に流れはじめアウトランダーPHEVへ。
今でもパジェロが復活したら乗りたいと思っています。
ドライブしても無音で眠たくなる
装備も快適すぎて、全く面白くない
むしろ今は昔の車の方が魅力的です