現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 日産ダットサン・フェアレディ2000(昭和42/1967年3月発売・SR311型)【昭和の名車・完全版ダイジェスト036】

ここから本文です

日産ダットサン・フェアレディ2000(昭和42/1967年3月発売・SR311型)【昭和の名車・完全版ダイジェスト036】

掲載
日産ダットサン・フェアレディ2000(昭和42/1967年3月発売・SR311型)【昭和の名車・完全版ダイジェスト036】

この連載では、昭和30年~55年(1955年~1980年)までに発売され、名車と呼ばれるクルマたちを詳細に紹介しよう。その第36回目は、日産フェアレディZのルーツとなったフェアレディ2000の登場だ。(現在販売中のMOOK「昭和の名車・完全版Volume.1」より)

豪快にして痛快! 最後の硬派クラシックスポーツカー
フェアレディの源流は、昭和34(1959)年6月にデビューしたS211(ダットサン・スポーツ1000)だが、「フェアレディ」の名を冠した(※ただし当時の表記は「フェアレデー」)最初のクルマは、翌昭和35 (1960)年1月に登場したSPL212(フェアレデー1200)だった。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

このモデルでスポーツカーの基礎を築いたフェアレディは、昭和37(1962)年10月にはSP310(フェアレディ1500)へと変身、それがSP311(フェアレディ1600)へと強化された後、オープン・フェアレディの真打ちとして登場するのが、スパルタンに徹した「フェアレディ2000」である。

型式名は「SR311」だ。1967(昭和42)年3月に発表され、その走りと費用対効果の高さで一躍センセーションを巻き起こした。

シャシはSP311と同じくラダーフレームを持ち、前輪はダブルウイッシュボーン/コイル独立懸架、後輪は半楕円リーフ/リジッドアクスルの組み合わせとなっていたが、高出力化に対応して、リアのリーフにトルクロッドを組み合わせ、スタート時や制動時のスプリングのワインドアップを防ぐようになっていた。

エンジンはセドリックに積まれていたH型4気筒OHVをベースにシリンダーヘッドを一新するなど、大幅な改良を施したU20型4気筒SOHC。フェアレディ初のSOHCユニットで、5ベアリング支持構造やウエッジ型燃焼室などを特徴とする。

標準装着の燃料供給装置は、レースユースを意識したツインチョークのソレックス44PHHキャブレターで、これを2連装した。最高出力は145ps/6000rpm、最大トルクは18.0kgm/4800 rpm。ベースのH型が92ps&16.0kgmだから、いかに大幅なパワーアップが実施されたかがよくわかる。

ミッションはオーバードライブを加えた、ポルシェタイプ・セルフサーボシンクロ機構付きの5速マニュアルだ。車両重量は910kgだったから、パワーウェイトレシオは6.28kg/psというレーシングカー並みの優れた数値だった。

当然ながら動力性能は当時の国産トップレベルで、最高速度のメーカー計測値は200km/hの大台を超える205km/hと発表されている。さらに驚異的なのは0-400m加速で、国産車として当時の最高タイム15.4秒を叩き出している。なんと、同時期に登場したトヨタ2000GTやコスモスポーツより速いのである。最高速も205km/hと、カタログデータだが日本車として初めて200km/hの大台を超えた。

この強烈なパワーを裏付けに、フェアレディ2000はサーキットでも群を抜く速さを見せつける。どう手当をしてもハンドリングの向上はこれ以上望めないと言われながらも、走るたびにコースレコードを更新していった。

SR311はマイナーチェンジを受け、安全装備を充実させた。ウインドシールドを25mm高くし、シートにはヘッドレストが追加されている。また、インパネ表面を厚いソフトパッドで覆ったものに換えると同時に、衝撃吸収(コラプシブル)ステアリングも採用された。ガソリンタンクも安全なものに変更されている。

こうした変更は、フェアレディは日本よりも海外市場での販売比率が高かったため、安全装備に関しては積極的な取り組みを見せていたからなのだ。

昭和43(1968)年11月、SR311はライセンスランプやメーターの書体変更という最後のマイナーチェンジを行なう。翌昭和44(1969)年秋には後継のフェアレディZに主役の座を譲るから、これがフェアレディとして最後の変更となったわけだ。

しかし、フェアレディは北米を中心に人気が高かったため、しばらくは併売の形で販売が続けられた。最終モデルは70年式だ。

SP310の登場から9年間に5万台近いSP&SRが世に送り出された。オープンスポーツカーの素晴らしさを人々に伝え、スポーツカーの文化を日本に根付かせたのが、60年代のフェアレディだ。

そのスポーツ・スピリットは、後継となるフェアレディZに脈々と受け継がれ、スポーツカーファンの期待をになっていくことになる。

MOTORSPORT
SR311はレースでも大活躍。昭和42(1967)年 の 第4回 日 本GPのGTクラスでは、見事に1 ~ 3位を独占している。この時の優勝は黒澤元治選手だった。

日産ダットサン・フェアレディ2000(SR311型)諸元
●全長×全幅×全高:3910×1495×1300(1325)mm
●ホイールベース:2280mm
●車両重量:910(930)kg
●エンジン型式・種類:U20型・直4SOHC
●排気量:1982cc
●最高出力:145ps/6000rpm
●最大トルク:18.0kgm/4800rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:5.60-14 4P
●新車価格:88万円(91万円、後に改訂で86万円)
*()内は後期型

[ アルバム : 日産ダットサン・フェアレディ2000 はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

夏のキャンプに快適な「夏用封筒型シュラフ」が VASTLAND から発売!
夏のキャンプに快適な「夏用封筒型シュラフ」が VASTLAND から発売!
バイクブロス
斬新”開くライト”採用の新型「スーパーカー」実車公開! ホンダ「NSX」デザインな「1000馬力超えマシン」! NYに登場した「KAVEYA」に反響も
斬新”開くライト”採用の新型「スーパーカー」実車公開! ホンダ「NSX」デザインな「1000馬力超えマシン」! NYに登場した「KAVEYA」に反響も
くるまのニュース
[15秒でわかる]高速道路料金に「変動制」導入?…渋滞緩和へ
[15秒でわかる]高速道路料金に「変動制」導入?…渋滞緩和へ
レスポンス
クルマと離れていても愛車を感じられる……ハズ! 愛車と合わせて楽しみたい自動車メーカーが手がけた香水4選
クルマと離れていても愛車を感じられる……ハズ! 愛車と合わせて楽しみたい自動車メーカーが手がけた香水4選
WEB CARTOP
ロータス伝統のライトウエイトスポーツカーの系譜を継承する「エミーラ」と次世代を担う「エレトレ」を展示! ロータス出展情報【ル・ボラン カーズ・ミート2024 横浜】
ロータス伝統のライトウエイトスポーツカーの系譜を継承する「エミーラ」と次世代を担う「エレトレ」を展示! ロータス出展情報【ル・ボラン カーズ・ミート2024 横浜】
LE VOLANT CARSMEET WEB
【全ドライバー独自採点&ベスト5/F1第6戦】運だけでなく実力で初優勝のノリス。メルセデスの間に割って入った角田
【全ドライバー独自採点&ベスト5/F1第6戦】運だけでなく実力で初優勝のノリス。メルセデスの間に割って入った角田
AUTOSPORT web
アルファロメオ『ジュニア』...コンパクトカーでもアルフィスタは満足[詳細画像]
アルファロメオ『ジュニア』...コンパクトカーでもアルフィスタは満足[詳細画像]
レスポンス
モータリストがアクセサリーメーカー「LEXIN(レシン)」の取り扱いをスタート!
モータリストがアクセサリーメーカー「LEXIN(レシン)」の取り扱いをスタート!
バイクブロス
新車価格154万円って最高すぎる!! MTだけなのがアツすぎ! 今が狙い目[走り]のマーチ12SR
新車価格154万円って最高すぎる!! MTだけなのがアツすぎ! 今が狙い目[走り]のマーチ12SR
ベストカーWeb
【MotoGP】マルティン&マルケスそして俺……フランスGPは今季のMotoGPタイトル争いを暗示? 3位バニャイヤ「だいたいこんな感じで進むだろう」
【MotoGP】マルティン&マルケスそして俺……フランスGPは今季のMotoGPタイトル争いを暗示? 3位バニャイヤ「だいたいこんな感じで進むだろう」
motorsport.com 日本版
ラダーフレームって古い構造感あるけど……いまでも最新クロカンSUVにラダーフレームが人気なワケ
ラダーフレームって古い構造感あるけど……いまでも最新クロカンSUVにラダーフレームが人気なワケ
WEB CARTOP
海の香りを感じるゴルフ練習場へ行こう! 神奈川・七里ヶ浜に「Pacific GOLF CLUB」がオープン【新着ドライブスポット】
海の香りを感じるゴルフ練習場へ行こう! 神奈川・七里ヶ浜に「Pacific GOLF CLUB」がオープン【新着ドライブスポット】
くるくら
ポルシェが「フォーミュラE」のセーフティカー「タイカン・ターボGT」2台を発表
ポルシェが「フォーミュラE」のセーフティカー「タイカン・ターボGT」2台を発表
LE VOLANT CARSMEET WEB
【フォーミュラEシーズン10 】第10戦ドイツ・ベルリン 課題が見えてきた決勝でダ・コスタがポルシェの母国優勝を果たす
【フォーミュラEシーズン10 】第10戦ドイツ・ベルリン 課題が見えてきた決勝でダ・コスタがポルシェの母国優勝を果たす
Auto Prove
最高出力750psを誇るスーパースポーツの「750Sスパイダー」がご覧になれます! マクラーレン出展情報【ル・ボラン カーズ・ミート2024 横浜】
最高出力750psを誇るスーパースポーツの「750Sスパイダー」がご覧になれます! マクラーレン出展情報【ル・ボラン カーズ・ミート2024 横浜】
LE VOLANT CARSMEET WEB
F1マイアミGPのバトルをより面白くするには“長いDRS区間”が必要? マクラーレン代表指摘「手前の低速区間のロスを補えない」
F1マイアミGPのバトルをより面白くするには“長いDRS区間”が必要? マクラーレン代表指摘「手前の低速区間のロスを補えない」
motorsport.com 日本版
「ここが巨大道路の終点…」今はまだ“畑”だけ 今後どうなる? 25年開通「東埼玉道路」延伸部
「ここが巨大道路の終点…」今はまだ“畑”だけ 今後どうなる? 25年開通「東埼玉道路」延伸部
乗りものニュース
世界初公開された第3の“新世代ミニ”は4.1mのクロスオーバー! 新型「ミニ・エースマン」へのSNSでの反応とは
世界初公開された第3の“新世代ミニ”は4.1mのクロスオーバー! 新型「ミニ・エースマン」へのSNSでの反応とは
VAGUE

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

539.9920.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.03300.0万円

中古車を検索
フェアレディZの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

539.9920.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.03300.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村