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【既存ユーザーへ望ましい進化】ホンダ・フィット e:HEVハイブリッドへ英国試乗

掲載 更新 2
【既存ユーザーへ望ましい進化】ホンダ・フィット e:HEVハイブリッドへ英国試乗

英国ではハイブリッドのみとなった4代目

text:Mark Tisshaw(マーク・ティショー)

【画像】ホンダ・フィットと欧州のライバル 全185枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


ここ数ヶ月の間に、英国でも生活様式は大きく様変わりした。だが、ホンダ・ジャズ(フィット)は、以前と変わらないようで安心した。

日本と同様に、英国でも新型がリリース。3代目にかわって、新しい4代目の発売が始まっている。英国のフィット・ユーザーは、モデルチェンジしてもしっかりフィットらしさが残っていることを、喜んでいるようだ。

見た目も、クルマの内容を表しているように思う。先代同様、広々とした車内を実現していることは明らか。安全性も高く、扱いやすいピープルムーバーでもある。すべての人が、大きな変化を好むわけではない。

もちろん、新型へとモデルチェンジしたことで、変化は得ている。そこにあるのは、価値を高めるという考え方のようだ。

新しいフィットには快適なシートを装備。運転席からの視認性が良くなっている点も見逃せない。英国ではハイブリッドのみのラインナップとなったことも、大きいだろう。

1.5Lのガソリンエンジンに、2基のモーターとCVTをドッキング。前輪を駆動するセットアップだ。ハンドリングを向上させるため、ボディ剛性は高められている。

ボディの見た目は、眺めるほどに先代との違いに気付くと思うが、インテリアデザインは新鮮味がある。特に水平貴重のダッシュボードは、新しい純EVのホンダeから影響を受けていることは明らか。

好印象なステアリング感やインテリア

車内はとても整ったデザインで、スッキリとまとまっている。主要な操作系は適切にレイアウトされており、手に届きやすい位置にある。

ダッシュボード中央のインフォテインメント・システムは、タッチモニターを採用。便利なショートカット・ボタンが残されているのが良い。

ホンダ・フィットらしく、広々とした車内の開放感はとても印象的。グラスエリアは広く、Aピラーも設計が見直された。斜め前方の視界向上に大きく貢献している。

新しいシートは、運転席に数時間座っていても、お尻や背中が痛くなることがなくなった。クルマとしての価値が、要所要所で高められている。

一方で、乗り心地はさほど良くなっていない。低速域では安定性に乏しい。高速域では見違えて優れた姿勢制御を示すから、対照的とさえいえる。フィットのオーナーは、多くの時間を速度域の低い市街地での運転に費やすはずだから、少し残念だ。

走行性能について、ホンダはドライバーを惹きつける、という言葉を用いているようだが、筆者は予測のしやすさや直感的という表現の方が合っているように感じた。英国のドライバーの多くが、興味を持つ部分だと思う。

フィット・ユーザーにとって望ましい進化

コンパクト・ハッチバックとしては珍しく、ホンダ・フィットは可変レシオ・ステアリングを採用している。運転に活発さや軽快感といった楽しさを求めるドライバーにとって、ステアリングホイールで感じる重さやフィーリングが好ましい。

英国版ホンダ・フィットのすべてに採用されるのが、e:HEVというツインモーター式のハイブリッド。ちなみに、日本では1.3L版のガソリン車も選べる。組み合わされるCVTは、従来のように加速時のぼやけた印象が薄らいだことが喜ばしい。

サウンド面では大きな違いはないようだ。平穏に走っていたいなら、アクセルペダルは半分以上は踏み込まない方が良い。それ以上倒すと、エンジンのうるささが目立ってしまう。

加速時には回したなりのノイズを発するものの、フィットは驚くほど活発に走る。発進時でも中間加速でも、よく回るエンジンとモーターのトルクが融合し、力強い。街の中をキビキビと走れるだろう。加えて、実世界での燃費も優れている。

リアシートは、英国ではマジック・シートと呼ばれる。素早くフラットに倒して荷室容量を広げたり、座面を立ち上げ、背の高い荷物を立てて乗せることもできる。

例によって車内には、沢山の小物入れも用意されている。荷室の床下にも空間があり、グローブボックスは2つもある。この実用性の高さも、従来どおりフィットらしい部分。

フィット・ユーザーにとって望ましい進化

複雑なハイブリッド・システムを、フィットらしい広々とした車内を犠牲にすることなく、巧みにパッケージングしている。ホンダの技術力を称賛したい。

総合的には、目立った驚きがあるとはいえない、4代目ホンダ・フィット。見方によっては、先代の枠を越えていないようにも思える。イノベーションではなく、3代目の強みを良いカタチで高めた、といった印象だ。

新型ホンダ・フィットが、新規顧客をどれだけ多く獲得できるか疑問ではある。だが多くの従来のフィット・ユーザーは、望ましいカタチでの進化だと感じるはずだ。

ホンダ・ジャズ(フィット)1.5 i-MMDハイブリッド(英国仕様)のスペック

価格:2万1385ポンド(282万円)
全長:3995mm
全幅:1695mm
全高:1515mm
最高速度:173km/h
0-100km/h加速:9.5秒
燃費:21.7km/L
CO2排出量:104g/km
乾燥重量:1228kg
パワートレイン:直列4気筒1498cc+ツイン電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:108ps(システム総合)
最大トルク:25.8kg-m(システム総合)
ギアボックス:CVT

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みんなのコメント

2件
  • 軽を買うかこれを買うか迷っている、走る分には普通車なんだけど使い勝手はNBOXでいいんだよなー
    NBOXのマイチェン待ってみるかな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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