実はアメリカ、中国などの地域では、通算5世代目のホンダ新型CR-Vは、とっくに販売されている。しかしながらここ日本では、先代が2016年に販売を終了して以降、SUV市場ではひと回りコンパクトなヴェゼルが孤軍奮闘し、ホンダのラインナップのなかでは空白地帯となっていた。
待たされること2年余り。そんなCR-Vが遂に日本で“再デビュー”の運びとなった。この空白には理由があって、実は日本、そして欧州への導入に際しては、走りがあらためて鍛え直されたのだという。強力なライバルが続々と投入されてくる中、そのままの内容では戦えないと、当初の世界共通企画という計画を捨てて進化版としてのリリースとなったのだ。
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対面したのはオーストリア屈指のスキーリゾートにして、夏場には避暑地として賑わうキッズビュール。陽光の下で映えるギラギラとした顔つきが印象的な、全体に印象濃いめのスタイリングをまとったボディは、全長4600mmとこのクラスにしては小さめで、実は先代に対して1mmも伸ばされていないという。世界的なベストセラーのモデルチェンジだけに、使い勝手に悪影響を及ぼすような変更は可能な限り排されたのだろう。
それでも、ホイールベースの30mm延長、ワイドな全幅、そしてフードを長く見せるべくAピラーが手前に引かれていることなどが相まって、まるでサイズアップしたかのように存在感は強い。
驚くのは、それでいてCR-Vでは初めての3列シート仕様の設定を実現したことだ。実は2列シート仕様でも前後乗員間の距離が50mm拡大されているなど、室内は広さを増している。薄型燃料タンクの採用などパッケージングはとことん吟味されており、それに2列目のロングスライド機構を組み合わせることによって、3列シート化を実現しているのだ。
しかも、ただ乗ることができというのではなく、2列目シートをワンタッチで前倒しできたり、リアドアの開口部が拡大されていたりと、乗降性もきめ細やかに配慮されている。実際、アクセスは思ったほど難儀ではなく、しかも一旦座ってしまえばスペースも想像以上に確保されていて、大人の男が2人並ぶことになっても問題はなさそうである。
ラゲッジスペースも、後席使用時で561リッターという大容量を誇る。後席を倒せばフルフラットで、且つ最大荷室長1830mmという空間が生まれる。低いところから大きく開くリアゲートのおかげもあり、使い勝手は非常に良さそう。この室内スペースのパッケージングは見事と言うほかない。
※先代モデルとのサイズ比較は、欧州向けの先代後期型(日本未導入)と比較した数値である。
走りの質は想像以上に高かった
1.5リッター直列4気筒のダウンサイジングターボエンジンと、「i-MMD」と呼ばれるホンダ独自の2モーターハイブリッドのふたつのパワートレーンのうち、今回ステアリングを握ることができたのは前者。
ステップワゴンやシビックなどと比べ、増加している車重に対応するため、専用のターボチャージャーを使うなどしてCVT仕様で最高出力を193ps、最大トルクを243Nmまで引き上げている。
室内に入ると、明らかに先代よりもクオリティが高まっているのを実感できた。ダッシュボードの素材はようやくソフトパッド化され、デジタルメーター、CarPlayやAndroid Autoにも対応するセンターの大型ディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ等々によって、先進的な雰囲気もよく演出されている。ハンドバックまで入るというセンターコンソールをはじめ、収納が充実しているのも嬉しい。
走り出すと、まずはその静粛性の高さに好印象を抱いた。特にロードノイズなど下まわりからの音がよく抑えられているのは、ドア回りの幾重にも施したシーリングのおかげだろう。剛性感の高いボディを土台に、低周波と高周波、両方の入力をうまく受け止める振幅感応式ダンパーがしっとりとストロークする乗り心地と相まって、快適性は上々と言える。
乗り心地が良いだけでなく、操る歓びもしっかり味わえる。当たりは柔らかく感じられるのに、煽られても揺り返したりせず常にフラットな姿勢が維持されるから安心感が高いし、ステアリングは直進時の据わり感が良く、そこから切り込んでいった時の反応にも優れていて、ワインディングロードでも、はたまた狭い市街地でも変わらず、意のままに動いてくれる。急速に走りの質を高めている最近のホンダ車らしい、上質な気持ち良さがある。
1.5リッター直列4気筒ターボエンジンは回せば力強く、従来の2.4リッター直列4気筒エンジンに何ら遜色無いところを見せるが、CVTとのマッチングのせいか日常使用域ではアクセルを意識的に多目に踏み込まないと反応が鈍いなど、ドライバビリティはもう一歩。あるいは加速時のうなるようなエンジン音も、そんな印象に繋がっているのかもしれない。快音なら多少ボリュームが大きくてもいいのだけれど……。現状だと、日本の使用環境では、電気モーターでの走行距離が長く、滑らかな走りが可能なハイブリッドの方が好まれそうだ。
チーフエンジニアによれば、世界中で支持されているモデルなのでコンセプトはそのままに、全方位に進化させたという新型CR-Vは、実際には走りの質も使い勝手も、従来の枠を打ち破る仕上がりとなっている。鍛え直した成果でもあるのだろう。多くのライバル達と比較されたとしても、十分戦える実力がある。
強いて言えば、圧倒的な個性や面白みは薄い。しかし、道具として見ればそれもアリ。徹底的に使い倒すために選ぶSUVとしてはこの新型CR-V、なかなか魅力的な存在となりそうである。
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