世界的にブレークしているSUVに興味があり、悪路を走行する機会もある。しかし、ステーションワゴンの持つ機能や全高の低さも譲れない・・・・そんなアクティブ派ユーザーにとって今、最善の選択と言えるのが、2008年に新しいボルボ車の交通事故による死亡者や重傷者を2020年までにゼロにするという「Vision 2020」を発表した、ボルボ最新の1台となるV60 Cross Country。
SUVとワゴンを融合させたボルボ伝統のCross Countryモデルであり、プレミアム・ミッドサイズ・ステーションワゴンV60をベースに、駆動方式をAWDとし、最低地上高を本格クロスカントリーSUVに匹敵する210mmまで高め、専用となるチャコールカラーのフェンダーエクステンションや前後&サイドシル下のボディーパーツを与えた、高いオフロード性能を誇るクロスオーバーモデルである。車幅は足元を力強く演出するフェンダーエクステンションによって1895mmに達するものの、ミラー・トゥ・ミラーの幅は、実は、車幅1850mmのV60と変わらない。
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ドライブモードスイッチに「オフロード」モードを追加、ヒルディセントコントロールを装備
北欧家具に囲まれたようなスカンジナビアデザインが際立つセンスのいい、前席マッサージ機能&ベンチレーション機能(いずれもProのみ)完備のナッパレザーシートを備えたインテリアや16種類以上の世界最高レベルの先進安全・運転支援技術「INTELLI SAFE」(ボルボ初搭載の対向車対応機能、衝突回避・被害軽減ブレーキ機能付きCTA クロストラフィックアラートを含む)を標準装備するあたりは、ほぼV60と変わらないものの、クロスオーバーモデルとしてドライブモードスイッチに「オフロード」モードが加わり、ヒルディセントコントロールを装備。タイヤもV60ではオプションとなる19インチの235/45R19サイズ(Pro)が組み合わされる。
愛犬家にとって、まさに理想的なオールラウンダー
正直言って、ボルボV60 Cross Countryは多くのアウトドア好き、愛犬家にとって、まさに理想的なオールラウンダーと断言できる。アウトドアや愛犬とのドライブシーンでは、ラゲッジルームの地上高が気になるものだ。そう、重い荷物を出し入れし、大型犬などを乗降させる際、本格SUVの平均値、約730mmでは高すぎると感じることがある。
しかしボルボV60 Cross Countryの529~1441Lもの容量を持つラゲッジルームの、段差のない開口部地上高はなんと実測約680mm。V60の約640mmに対して40mmほどしか違わないのである。これならちょっと高めのステーションワゴン感覚で荷物を出し入れでき、愛犬を乗降させられる。そのラゲッジルームにはハンズフリーパワーテールゲート機能、ラゲッジスペースを前後に仕切れるグロサリーバックホルダー、床下収納、サイドの荷物固定用ベルトなども用意されるから、便利この上ない。
望めば、キャビンとラゲッジルームを強固に仕切れ、荷物や愛犬のキャビンへの飛び出しを防ぐ、純正のアクセサリー「スチールガードネット」も装着することができるのだ。
1000キロ近く走っても、運転は快適そのもの
今回、ボルボV60 Cross Countryで伊豆や軽井沢などを往復。その走行距離は1000キロ近いものだったが、運転は快適そのもの。運転のしやすさ、ACC(アダプティブクルーズコントロール)やパイロット・アシスト、16種類以上の世界最高レベルの先進安全・運転支援技術「INTELLI SAFE」がもたらしてくれる、運転にかかわるストレスのなさ&安心感、そしてシートのかけ心地の良さ、かんぺきな4ゾーンフルオートマチックエアコンの心地よさ、車内、シートが熱くなっている状況でも、すぐにシート回りの温度を下げてくれるシートベンチレーション機能などによって、本当に疲れ知らずのドライブを堪能できたのである。
大径19インチタイヤを履いていても、乗り心地はしなやかかつソフト
意外なのは乗り心地。主要グレードで18インチタイヤを履くV60はスポーティーワゴン的な操縦性と、硬めの乗り心地を示すのだが、こちらのV60 Cross CountryはAWDで大径19インチタイヤを履いていても、乗り心地はしなやかかつソフトで、路面、段差などに左右されない心地良い乗り心地と、最低地上高210mmを感じさせない鉄壁の安定感、前後左右の姿勢変化の少なさに支えられた超快適感を味あわせてくれたのだ。
V60 Cross CountryのパワーユニットはDRIVE-E、2L直4 、直噴ガソリンターボ、254ps、35.7kg-m+8ATの組み合わせのみになるが、ドライブモードスイッチがノーマルではもちろん、もっともエコな走りに制御されるエコモードでも十二分な動力性能を発揮。静かさ極まる高速走行はもちろん、山道の登坂でもグイグイと登っていく頼りがいを披露してくれたのである。
しかも、高速、山道、一般道を含むおよそ1000キロ近い走行での実燃費は、カタログ値のJC08モード11.6km/Lを上回る12km/L台を記録。ハイオク仕様とはいえ、経済性、燃費性能も、この車格として抜群と言っていい。
グレードはV60 Cross Country T5 AWDの549万円と、このV60 Cross Country T5 AWD Proの649万円の2タイプとなるが、世界最高レベルの先進安全・運転支援技術「INTELLI SAFE」は全車共通なものの、ライバルにもなかなかないロングドライブでの運転をサポートするフロントシートベンチレーション機能、マッサージ機能、およびヘッドアップディスプレー、そして駐車時の安心安全につながる360度ビューカメラ、ナッパレザーシート、600W/サブウーハー付き14スピーカーのハーマンガードン・プレミアムサウンドオーディオシステム、迫力の19インチタイヤ&アルミホイールなどを備えるProグレードを推奨する。
最後にもう一度、言おう。ボルボV60 Cross Country T5 AWDは、高いオールロード性能を求めても、車高まで高める必要はない・・・という実用性を具現化した、アウトドア派や愛犬家にとって、理想かつ究極のオールラウンダー(ドッグフレンドリーカー)そのものである。付け加えれば、日本の高級旅館の和の世界にも驚くほど似合っていた。
ボルボV60 Cross Country
https://www.volvocars.com/jp/cars/new-models/v60-cross-country
文/青山尚暉
モータージャーナリスト。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。自動車専門誌の編集を経て、現在、モータージャーナリスト、愛犬との快適安心なカーライフを提案するドッグライフプロデューサーのふたつの肩書を持つ。小学館PETomorrowでも「わんこと行くクルマ旅」を連載中。最新刊に「愛犬と乗るクルマ」がある。
写真/福永仲秋
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