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この中身が「デルタHFインテグラーレ」ってマジか! 「激軽」でデルタよりも高性能だった「ハイエナ・ザガート」の正体とは

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この中身が「デルタHFインテグラーレ」ってマジか! 「激軽」でデルタよりも高性能だった「ハイエナ・ザガート」の正体とは

 この記事をまとめると

■ザガートはランチア・デルタHFインテグラーレをベースに「ハイエナ・ザガート」を製作

こんな「男臭い」アストンマーティンがあったのか! ボンネットの膨らみがヤバすぎる「V8ヴァンテージ・ザガート」って何者?

■4WDシステムはそのままにノスタルジックなクーペスタイルにモディファイ

■75台の生産を予定したが実際には約25台ほどで生産が終了している

 デルタHFインテグラーレがザガートによって大変身

 そのコンパクトなクーペモデルの限定生産を企画し、ランチアに提案したのは、実業家で自動車販売業を営んでいたポール・クートという人物だった。だがランチアは、それを生産してもコスト的に割が合わないとして、この提案を却下。結局、クート氏は芸術家であるナーニ・デデスキー氏の描いたスケッチとともに、カロッツェリア・ザガートを訪れ、その生産を依頼することになる。

 実際のデザインはチェントロ・スティーレ・ザガートのマルコ・ペドラチーニによって手直しされ、1992年にザガートの創立75周年を記念して、75台の限定車として発表された。

 ハイエナ・ザガートの企画は、ザガートがその製作を行うことになっても、フィアットからの了承を得ることはできなかったため、ザガートはベースとなるランチア・デルタHFインテグラーレを、ドナーカーとして一台一台購入する必要があった。

 デルタの4WDシステムをそのまま継承しつつもホイールベースを短縮。

 さらに徹底的な軽量化のためにボディワークとキャビンの両方にきわめて軽量なコンポジット素材を使用することが決定された。

 見た目だけでなく運動性能もデルタHFインテグラーレを上まわる

 たとえばボンネットフードや前後のバンパーはFRP製に。そのほかのボディパネルはオールアルミ製となり、ベースとなったデルタと比較して、じつに150kgもの軽量化が施されていたのだ。

 キャビンはAピラーをはじめフルカーボン製で、こちらもその17kgもの重量があったデルタのダッシュボードが、わずかに2.5kgとなるなど、そのストイックな軽量化はハイエナの大きな特長だった。

 ボディデザインは、斬新さのなかにもランチアの伝統を感じさせるノスタルジックな雰囲気が醸し出されている。かつてザガートが製作したランチアのフルビア・スポルト・ザガートやアッピア・ザガートをも彷彿させるボディワークは、完全にベースとなったデルタとは異なるシルエットとなった。

 フロントエンドにはクラッシックなランチア・グリルが装着されているが、こちらもボディと同色とすることで、ハイエナのスポーティなキャラクターを引き立てている。グリルの右側にはそれがランチアの作をベースとしていることを示す「HF」のロゴが、またボディサイドにはザガートのトレードマークである「Z」のエンブレムが取り付けられている。「Hyena」のエンブレムはリヤホイール横の下部にそれを見ることが可能だ。

 ハイエナのメカニズムは、基本的にはデルタHFインテグラーレのそれと同様。ホイールベースが短縮されたことは前で触れたが、ほかには前後のマクファーソン式ストラットのサスペンション、搭載される2リッターの直列4気筒ターボをギャレット製のT3型ターボに変更したほか、空冷式インタークーラーの大型化、さらには点火やインジェクションタイミング、ターボプレッシャーなどの見直しによって、最高出力をベースの210馬力から250馬力にまで向上させることに成功していた。

 ハイエナ・ザガートは、残念ながら75台のすべてを生産することなく、25台ほどが完成されたのみでその生産が終了したが、そのスポーティなデザインに敬意を表して名づけられたというハイエナの名は、これからもカーエンスージアストの間で忘れられることはないだろう。

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