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アイシン精機、人工知能の基盤技術開発を担う台場開発センターを始動

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アイシン精機、人工知能の基盤技術開発を担う台場開発センターを始動

総合自動車部品メーカー(サプライヤー)のアイシン精機は5月9日、これまで東京都港区に置いていた主に半導体の要素技術を開発するオフィスをお台場へ移転・拡張し、新たに「台場開発センター」として始動させた。

台場開発センターでは、産学官やベンチャー企業とも連携しながら、次世代成長領域である「ゼロエミッション」「自動運転」「コネクテッド」に関連する人工知能の基盤技術開発に注力。人工知能によるアルゴリズム開発や、それを具現化するハードウェア開発に取り組むという。既に多様な得意分野をもつアイシングループ各社(アイシン・エィ・ダブリュ、アドヴィックス、アイシン・エーアイ)が集まり、ワーキンググループとして開発を進めている。

開所式では台場開発センターの取り組みとして、自動運転レベル3(人の関与なしに自動運転可能だが、緊急時などはドライバーによる操作が必要)を想定した「以心伝心行動ナビサービス」と、人と行動を共にするパートナーモビリティ「ILY-Ai(アイリーエーアイ)」のデモが行われた。

まず、以心伝心行動ナビサービスを体験できるスマートコックピットからデモを開始。運転席に座るとドライバーの頭の動きや表情がカメラとセンサーで検知され、どんな状況にあるかが把握される。レベル3ということで、もちろん居眠りはNG。目を閉じて少し経つとシートがブルブルと振動して起こされた。高速道路に入ると少しシートが寝かされてリラックスモードに。追越しや前方に落下物がある際の車線変更では、シートのわき腹付近を車線変更方向に押すことで唐突感を軽減している。

これは「おもてなしサービスコンセプト」と呼ばれる取り組みの一例で、他にも乗員数や赤ちゃん連れなどの状況に応じて自動でシートアレンジを行ったり、乗降の際に隣のクルマや壁との距離を測ってドアの開き具合を調整するなど、人の行動に寄り添う「おもてなし」技術を具現化していくという。

もうひとつは、近未来のパーソナルモビリティを提案する「ILY-Ai(アイリーエーアイ)」。ビークル、キックスクーター、カート、キャリーの4つの形態に変化する1人乗りの電動小型モビリティで、フロントにカメラと3Dライダー、リヤに2Dライダーを備える。画像と音声により持ち主を認識し、呼ぶと近くにくる「自律走行」、前を歩くとついてくる「追従走行」、危険や障害物を察知して止まる「障害物検知自動速度制御」などが可能。耐荷重は230kg、時速5kmで1時間の走行が可能だという(最高速度は6km/h)。いろいろなシーンでの活用が想定されるが、約30kgという総重量や航続距離、より簡便な操作性などいくつかの課題もありそうだ。

※写真1、2はスマートコックピット、写真3~5はILY-Ai(アイリーエーアイ)、写真6は台場開発センター開所式の様子

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