日本導入を控えるレクサスの新型「GX」に、島下泰久がアメリカで乗った! 期待のオフローダーの完成度をリポートする。
THE PREMIUM OFFROADER
マジメなコンパクトカーは好感度“大”──新型スズキ スイフト試乗記
昨年9月に日本で開催された「LEXUS SHOWCASE」にて日本導入が発表された新型GXの試乗チャンスがようやく巡ってきた。舞台はアメリカ・アリゾナだ。
アメリカ中西部らしく、冬でも強い陽光の下で再会した新型GXの存在感の強さにはあらためて唸らされた。レクサスの主流である「RX」、「NX」といったいわゆるクロスオーバーSUVとは一線を画す、直線基調でフロントウインドウが立った角張ったフォルムは、機能性あるいは道具感といったものが強調されている。それがレクサスの個性であるシグネチャーライトやグリル、一文字のテールランプといったディテールとうまく溶け合っていて、とにかく目をひくのである。
開発コンセプトはずばり「THE PREMIUM OFFROADER」。実際、兄貴分に当たる「LX」と同様にフレーム構造のGA-Fプラットフォーム、リヤリジッド式サスペンションなどを用いて生み出された新型GXは、果たしてレクサス車らしい質の高さと、高い走破性をどのように両立、あるいは融合しているのだろうか。一般道、そしてオフロードでじっくり確かめた。
メインで試乗したのはGX550“OVERTRAIL”。エクステンションの追加で拡幅したボディに、ゴツいブロックパターンを持つ18インチのオールテレインタイヤを収め、前後スタビライザーを電子制御するE-KDSSや電子制御ダンパーのAVSなどを装備した、言わば新型GXを象徴する存在だ。
パワーユニットは全グレード共通でV型6気筒3.5リッターツインターボエンジンを積む。最高出力354ps、最大トルク650Nmを発生する。将来的には直列4気筒エンジンに電気モーターを1基組み合わせたハイブリッドも用意されるというが、現時点で選択できるのはこれだけである。
ドライバーの意を汲んでくれるクルマ車体は大きく、そして軽くもないが、これだけのスペックを誇るだけに走りは痛痒を感じさせることはない。おなじエンジンはLXにも積まれているが、新型GX用はターボチャージャーを小径化して低負荷時のレスポンスを高めており、アクセル操作に忠実に力を引き出すことができる。
この加速、さらに新型ユニットを使ったというブレーキの操作のしやすさは開発時に力を入れたところという。これが加減速を緻密にコントロールしたいオフロード走行時はもちろん、日常域でも扱いやすさに繋がっているのだ。
乗り心地はとてもしなやか。サスペンションがよく動いて、路面の凸凹などをきれいにいなしてくれる。タイヤのゴツゴツ感こそ無くはないが、十分快適と言っていい。
驚くのは、それでいて直進性に優れ、操舵応答性が正確なこと。操舵フィーリングも澄んでいて手応えは心地良い。フレーム構造の車体は大抵、操作と実際の挙動にズレが生じがちだし、ブルブル、ワナワナという細かな振動からも逃れにくいが、新型GXはこれらを見事払拭して、すっきり爽快な走行感覚を実現している。まるで今までの常識が覆されたという感覚。加減速のしやすさと相まって、ドライバーの意を汲んでくれるクルマに仕上がっている。
続いてはオフロードへ。特設コースに設定されたモーグル、32度という急角度のバンク、急勾配の下りと上りなどのセクションは、いずれも普段こうした試乗で見るものより明らかに深く、急で、険しい。実際、1輪を穴に落とすと対角線上のタイヤが浮き上がり、横に傾けば本当に転がり落ちそう、そして上りでは空しか見えないような状況だったが、新型GXはこれらを難無く通過してみせた。このコース、乗用車派生の、つまり世の多くのSUVでは、絶対に走破は叶わなかったはずである。
これはボディ剛性の高さ、サスペンションストロークの大きさ、ローレンジの設定などにくわえて、E-KDSSやAVS、更には微低速をキープしての走行を可能にするクロールコントロールなどの最新デバイスの巧みな連携のおかげ。正直、これほど険しいオフロード体験は初めてだった。
しかも、大きな入力時にもガツンと突き上げてこないなど、こうした場面でも良好な乗り心地には舌を巻いた。まるで地面に、毛足の長い絨毯でも敷き詰めたかのよう。場面を問わず、あくまで走りはレクサスというわけだ。
購入を決意ほかのグレードにも試乗した。3列シートを備え、シャシーにはAVSを装着。22インチのオールシーズンタイヤを組み合わせたGX550“LUXURY+”は、高扁平率タイヤのおかげでワインディングロードなどでは一層切れ味の良い走りを実現していた。オンロード性能の進化を、もっとも体感しやすいモデルとも言えそうである。
そしてGX550“PREMIUM+”は、AVSが備わらず、オールシーズンタイヤも20インチに留めた、言わば素のGX。しかしながらコレがめっけもんで、電子制御の無いシャシーはナチュラルな反応が心地良く、乗り心地も穏やか。走りもスッキリとしていて、まさに生成りのような質感に仕上がっていた。いずれにせよ新型GXの走りの良さは、基本性能の向上によるところが大きいということだろう。
まさにコンセプト通り、オフローダーとしての資質を徹底的に追求していながら、それらをちゃんとレクサスらしい洗練度の下にまとめ上げ、唯一無二の乗り味、存在感を実現していたというのが、新型GXの試乗を終えての実感だ。実は私、発表の時点でこのGXにホレてしまっていたが、実際にステアリングを握って、ちょっと気が早いが購入を決意した次第。GX550“OVERTRAIL”で、ボディ色はチタニウムカーバイドグレー、もしくは新色のムーンデザートだろうか?
ただし、日本仕様の詳細は価格を含めてまだ未定。参考までに、今回乗った北米仕様のGX550“OVERTRAIL”のスペックにはオプションを含まず7万5900ドル(約1114万円)と記されていた。
為替の話もあるので直接当てはめられないが、さてどのぐらいの価格となるのかは気になるところだ。
※1ドル=146.8円で計算(編集部調べ)
文・島下泰久 編集・稲垣邦康(GQ)
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