510psのスープラ 誕生の可能性は?
BMW M部門のマルクス・フラシュ代表取締役は、同社の高性能な直列6気筒エンジンを供給する可能性について、完全にドアを閉ざしているわけではないという意思を示した。
次期型BMW M4(カブリオレ)を撮影 ファブリックルーフ/4本出しエグゾースト
つまり、2020年に登場する次期型M3とM4に搭載される最高出力510psのS58型エンジンが、新型トヨタ・スープラのさらなる高性能バージョンに使われる可能性もあるということだ。
この最新世代の直列6気筒は、これまでのところ高性能SUVのX3 MコンペティションとX4 Mコンペティションのみに搭載されているが、今後はM2クーペをはじめ次世代のBMW M製高性能コンパクト・モデルに採用される予定だ。さらに従来の因習を打ち破り、スープラのハイパフォーマンス・バージョンにも搭載される可能性さえある。
ただし今のところ、トヨタは興味を示していないとフラシュは言う。しかし、もし実現すれば、マクラーレンF1のS70型V12エンジン以来初めて、BMW M製エンジンが他社のクルマに供給されることになる。
AUTOCARの取材において、フラシュは次のように語った。「われわれがトヨタにエンジンの供給を提案したことはありませんし、わたしが知る限り、トヨタから要請を受けたこともありません。興味深いアイディアですが、今のところそんな可能性は薄いでしょう。ただ、絶対にないとは言えません」
当然、優先するのはBMW車
GRスープラは現在、B58型3.0ℓ直列6気筒を搭載している。S58型はこのB58型をベースに開発された高性能ユニットだが、共有する部品は10%しかない。GRスープラが発売された際、5万ポンドのクルマとしては他と比べてパワーが足りないという批判も、トヨタには浴びせられた。
BMW MのS58型エンジンがトヨタに供給されれば、スープラの最高出力は500ps前後に向上する可能性が生まれる。このエンジンはおそらくスープラの車体に簡単に搭載することができるだろう。
「原則として、われわれはBMW M製エンジンを他社に供給することはありません。なぜなら、エンジンはわれわれのクルマにとって、強みの1つであると考えているからです」と、フラシュは続けた。
「もし、それを受け入れるとしたら、チームにとって苦渋の決断ということになるでしょう。特にS58型はまだ新しいエンジンですから。まだ、われわれ自身の計画しているすべてのクルマに搭載してもいないのに、他社に売るなんてことは考えられません」しかし、フラシュが言うように、絶対にないとは言えない。
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