■なぜ流れるウインカー(シーケンシャルウインカー)は減っている?
数年前まで新たなトレンドになるかも知れないと言われた「流れるウインカー(シーケンシャルウインカー)」。
一時的に採用モデルは増えたものの直近の販売モデルでは採用していないモデルも存在しますが、今後トレンド化することはないのでしょうか。
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クルマの定番装備などは時代に合わせてトレンドがあります。
最近では、見た目で言うとリアコンビネーションランプを横一文字化したデザインが高級志向のモデルに採用例が増えています。
内装で言えばUSB電源が「タイプA」から「タイプC」に変わつつあり、スマートフォンの「置くだけ充電」も定番化しました。
そうした中で、数年前まで各モデルに採用されつつあったのが流れるウインカー(シーケンシャルウインカー)です。
シーケンシャルとは「連続して起こる」という意味があり、その名の通りウインカーが内側から外側へと連続して、高輝度LEDをフラッシャーという装置で連続的に点滅させています。
日本では、2014年の道路運送車両法の改正から「連鎖式点灯方向指示器」として正式に認可されるようになりました。
当初の採用例としては、2014年にアウディ「A8」が初採用した後、レクサス、トヨタ、ホンダという順番に導入。
なかでもトヨタ/レクサスでは、「C-HR」や「クラウン」、「ハリアー」、「アルファード/ヴェルファイア」、「NX」、「RX」、「ES」などをはじめとする多くのモデルに採用されていました。
ホンダでは、2017年に登場した人気軽自動車「N-BOX Custom」のフロントライトに「流れるウインカー」を採用。
また日産では「アリア」「ノートオーラ」「エクストレイル」などに採用しています。
この流れるウインカーは連鎖点灯によって曲がる方向を表現するため、どちらに曲がるかがわかりやすいというメリットがある他、高級モデルなどから採用されたという経緯から、高級感を感じるといったユーザーも多いようです。
しかし現在、流れるウインカーを搭載した車種は減少傾向にあるようです。
レクサスでは前述のNX、RX、ESがフルモデルチェンジやマイナーチェンジで廃止されており、現在では「LS」のみとなっております。
とある自動車メーカーの開発担当者は次のように話しています。
「流れるウインカーが無くなった理由には様々な理由がありますが、最近ではデイライトの標準化に伴うデザイン面での要件などがから一体化することが定番となっています。
また流れるウインカーはかつてほど先進性が感じられないという部分もあるのかもしれません」
また別の自動車メーカーの担当者は次のように話しています。
「流れるウインカーはある程度の長さが無いとデザイン的にも機能的にもメリットがありません。
また点滅を制御する関係からコスト面も影響することから、最近ではあまり採用するという話は聞かないです」
またユーザー側の需要について実際にレクサスの販売店では次のように話しています。
「流れるウインカーは、例えば初代NXのマイナーチェンジ後から採用されていましたが、フルモデルチェンジした2代目NXでは廃止されています。
そのため初代から2代目に乗り換えられるお客様などは、流れるウインカーが無くなったことを気にされますが、他のお客様からはあまり気にされないようです」
※ ※ ※
また流れるウインカーとは別にマツダでは、「CX-30」などに「ディミングターンシグナル」が採用されています。
これは、ウインカーがパッと点灯して柔らかく消えといった光る特徴をもので、同社は「マツダらしいウインカーの表現をしたいという考えにはじまり、生き物の鼓動をイメージさせるような演出から生まれた」と説明しています。
このようにLEDが採用されてからクルマのフロントデザイン表現は多様化しており、今後も新たなトレンドが誕生するかもしれません。
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