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【昭和の名車 115】プリンス グロリア スーパー6は国産初のSOHCエンジンを搭載した

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【昭和の名車 115】プリンス グロリア スーパー6は国産初のSOHCエンジンを搭載した

以前に連載した「昭和の名車」では、紹介しきれなかったクルマはまだ数多くある。そこで、1960年代以降の隠れた名車を順次紹介していこう。今回は「プリンス グロリア スーパー6」だ。

プリンス グロリア スーパー6(S41D-1型):昭和38年(1963年)6月発売
プリンス グロリアは初代(ALSI型)スカイラインをベースに開発された上級モデルで、スカイラインとは1.9Lエンジンと上質な内装で差別化が図られていた。しかし1961年、同じエンジンを積むスカイライン1900が登場すると、両車の差は艤装のみ。そこでプリンスはグロリアをフルモデルチェンジし、社内のヒエラルキーの明確化を図る。

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1962年に登場したS40型グロリアはフラットデッキスタイルで大いに注目されたが、さらに一段上の国産最高級車の座を狙い、同年の第9回全日本自動車ショーに2.5L 直6エンジン搭載車を参考出品した。しかし3ナンバー車は時期尚早と見たプリンスは、翌1963年6月に排気量を2Lに落とした「グロリア スーパー6(シックス)」として発売する。国産初の直6搭載車という意味では、日産セドリックスペシャル(2.8L)に4カ月遅れをとったが、スーパー6に搭載されたG7型エンジンは2Lクラス初の直6であると同時に、国産初のSOHCでもあった。トヨタM型、日産L20型の搭載開始が1965年だから、この時点でプリンスは2年先行していたともいえる。

G7型エンジンはブロック、ヘッドともに鋳鉄製だが、2ステージ ダブルローラーチェーン駆動のカムシャフトがロッカーアームを介して吸排気バルブを作動させるカウンターフローSOHC機構を採用。多気筒化によるトルク変動の少ないスムーズな回転と高速化で4気筒を圧倒した。圧縮時8.8と2バレルキャブレター装着で最高出力は105psを発生。最高速度も4気筒の145km/hから155k/hに向上している。モーターマガジン誌による加速テストでは0→400m:19.5秒、0→100km/h:18.0秒。常用域の0→60km/hは7.7秒で走りきる俊足ぶりを発揮している。最高速度の向上よりトルクアップによる加速感の向上や、回転の滑らかさ、静かさによるフィーリングの向上や、6気筒ならではの乗り味の良さが好評だった。

車体はサイドメンバートレー式と呼ぶフレームにボディを架装する方式だ。これは5本のクロスメンバーで結合されるサイドメンバーの中に、フロアと一体になった太いバックボーンが通った形で、高剛性化しやすいのが特徴だという。サスペンションはリアに先代譲りのド・ディオン アクスルを継承するが、スプリングを3枚リーフからロングスパンの2枚リーフに変更して乗り心地とロードホールディングを向上させている。ハンドリングも、50km/h程度で回るコーナーでのロールは少なく、タイヤのグリップも強力でアンダーステアを維持する、スーパー6の車格に相応しい落ち着いた走行性能だった。

これだけの性能を備えたスーパー6の価格は119万円。同じグロリアのDX(4気筒モデル)が112万円なのだから、抜群のコストパフォーマンスといって良いだろう。1964年にはスーパー6をベースに2.5L直6 SOHCエンジンを搭載したグランドグロリアを追加する。G11型は4バレルキャブレターを装着して130psを発生。最高速度170km/h(カタログ値)を誇った。しかし2年後の1966年8月にプリンス自動車は日産の傘下に入り、次の3代目は「ニッサン グロリア」となる運命にあった。



プリンス グロリア スーパー6 主要諸元
●全長×全幅×全高:4650×1695×1480mm
●ホイールベース:2680mm
●重量:1320kg
●エンジン型式・種類:G7型・直6 SOHC
●排気量:1988cc
●最高出力:105ps/5200rpm
●最大トルク:16.0kgm/3600rpm
●トランスミッション:OD付き3速コラムMT
●タイヤサイズ:7.00-13 4P(チューブレス)
●価格:119万円(エアコン付きは138万円)

[ アルバム : グロリア スーパー6 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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1件
  • 日産が潰れてしまう?外国メーカーになってしまう?前に、“プリンス自動車”の復活を切に願います。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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