■直線基調のシャープなデザインのハッチバック車を振り返る
クルマのデザインには、流行があります。なかでも1970年代の終わりから直線基調のデザインのクルマが増えはじめ、1980年代なかばにピークを迎えました。
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ボディも角ばっていて、キャラクターラインも折り目がついた直線的なものがデザイントレンドとなっていた時代です。
そこで、昭和の時代に誕生したシャープなデザインのハッチバック車を5車種ピックアップして紹介します。
●トヨタ「カローラリフトバック」
かつてトヨタ「カローラ」はセダンを基本として、2ドアハードトップ、3ドアクーペ、バン、ステーションワゴンと幅広いボディバリエーションを展開していました。
なかでもユニークなモデルとして、クーペと似た外観ながらルーフを伸ばし、なだらかな傾斜角のバックドアを持つ「カローラリフトバック」がありました。
1979年に発売された4代目カローラは、先代までの丸みを帯びたデザインから直線基調でシャープな外観に一新されますが、引き続きリフトバックをラインナップ。
リフトバックは欧州の「シューティングブレーク」のようなフォルムで、荷物の積載能力が優れており、レジャー用途にも使えるモデルでした。
人気の方は、セダンや2ドアハードトップ、3ドアクーペが好評だったのに対し、リフトバックのデザインを好む人は少数でしたが、現在のスポーツワゴンの先駆け的存在だったといえます。
●スバル「レオーネRX/II」
1971年にデビューしたスバル「レオーネ」は、水平対向4気筒エンジンを搭載したFFの2ドアクーペから始まり、後に、FFのメリットを活かした広い室内のセダンやステーションワゴンがラインナップされました。
1984年には4ドアセダンが3代目にモデルチェンジされ、流行を取り入れた直線基調のシャープな外観となります。
そして1985年に、なだらかな傾斜角が与えられたバックドアを採用する「レオーネクーペ」が登場。
1986年には1.8リッター水平対向4気筒ターボエンジンと、オンロードでのスポーツドライビングを重視した、スバル初のフルタイム4WDシステムを搭載した「レオーネRX/II」が追加ラインナップされました。
前後駆動力配分は50:50で、低重心の水平対向エンジンと強化された専用サスペンションとの組み合わせで、高いコーナーリング性能を発揮。
外観もフロントスポイラーやリアスポイラーなどのエアロパーツを標準装備することで、質実剛健な4WDセダン/ステーションワゴンのイメージが強かったレオーネを、スポーティに演出しました。
●日産「サニーRZ-1」
1985年に登場した日産6代目「サニー」は、やや中途半端な印象が否めなかった先代からデザインを大きく変え、直線基調の外観が採用されました。
6代目サニーはセダンと2BOXのハッチバックというボディバリエーショでしたが、1986年にスラントノーズとウェッジシェイプが強調されたシャープなデザインの3ドアクーペ「サニーRZ-1(アールズィー・ワン)」を追加。
当初、搭載されたエンジンは、自然吸気とターボの1.5リッター直列4気筒SOHCで、発売から数か月遅れて、1.6リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載した、スポーティグレードもラインナップされました。
サニーRZ-1は個性的なルックスで若者から人気となっただけでなく、セダン、ハッチバックもNISMOグレードを展開するなど、一気に若いユーザーの獲得に成功。
1990年に7代目が登場するとバリエーションの整理がおこなわれてセダンのみとなり、サニーRZ-1は一代限りで生産を終えました。
■誕生から終焉までシャープなデザインのままだったモデルとは!?
●ホンダ「クイントインテグラ」
ホンダ「クイント」の後継として、1985年に「クイントインテグラ」を発売。全車DOHCエンジン搭載した3ドアハッチバックとなり、スタイリング、居住性、走りなど、全てが一新されました。
クイントインテグラは、1982年に登場した2代目「プレリュード」と同様に、リトラクタブルヘッドライトを採用したショートノーズ・低ボンネットが特徴です。
また、サイドに少し回り込んだラップラウンド・リアウインドウとハイデッキを採用することで若々しいスタイルとなっています。
数か月遅れで追加された4ドアセダンと5ドアハッチバックも基本的なフォルムは3ドアハッチバックと同様で、空気抵抗を推し量る値であるCd値は、クーペ並みの0.34を実現。
高性能かつスタイリッシュなクイントインテグラは、同時期に発売された「シビックSi」と人気を二分することになります。
●三菱「スタリオン」
1982年に、三菱は世界のスポーツカー市場へ参入することを目的に、2ドアクーペの「ギャランラムダ」の後継車である「スタリオン」を発売。
北米ではスタイリッシュなルックスとハイパワーなエンジンを搭載したことで人気となり、ポルシェ「924ターボ」のライバルと評されます。
ボディは3ドアハッチバックのみで、直線基調のデザインはスマートかつ、スピード感あふれる印象です。
1983年には2リッター直列4気筒SOHCターボエンジンにインタークーラーを装着し、175馬力(グロス)にパワーアップされると、1984年には最高出力200馬力(グロス)まで向上し、他メーカーとのパワー競争に参戦します。
そして、1987年には輸出用のブリスターフェンダーボディに2リッターエンジンを搭載した限定車「GSR-VR」を発売。
さらに1988年には、これに2.6リッターエンジンを搭載し、国内初の50扁平タイヤ(リアタイヤのみ)標準装着車となったカタログモデルのGSR-VRが登場します。
しかしスタリオンは、北米での人気はキープしていましたが、日本では販売が低迷。1990年に「GTO」が後継車となり、フルモデルチェンジすることなく生産が終了となりました。
※ ※ ※
1980年代は各メーカーで空力性能の向上が図られた時代であり、なかでも1985年に発売されたスバル「アルシオーネ」は、国産車で初のCd値0.3を下まわる0.29を達成したことで、大いに話題となりました。
ちなみに、現行型のトヨタ「プリウス」のCd値は0.24なので、いかにシミュレーション技術やモデリング技術が進化したかがわかります。
現代の技術なら直線基調のボディでも、相当に優秀な空力性能のクルマをつくることが可能かと思いますが、法規の関係でボンネットの高さを低くすることが難しいため、クイントインテグラのようなシャープなデザインを再現することは困難かもしれません。
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みんなのコメント
仕事先の後輩にあげてしまったけれど綺麗にして乗っておけば良かったかなと今になって
思います。 スキーや釣りなど本州を走り回りました。 クーラントホースが千切れたり故障も多かった
のもいい思い出かな。